水際立った お美しさですのよ、あなた
もう ステキなのですよ、あなた。
七夕、初日を堪能して参りました。歌舞伎ではないって忘れてました。頭ではわかっていたのですが、そうでした。でも、歌舞伎役者でなければ、このように鏡花の世界にはなりません。
私が鏡花なら、おお喜びです。こんな大袈裟な舞台で、大仰に、自分の世界を作ってくれたということを(いい意味です)。鏡花の世界はいくつかあるけれど、これは そのうちのひとつの形です。 いやぁ 眼福 眼福。 とにかく心がきれいになります。
「夜叉ヶ池」春猿さん、奮闘していました。忠実に玉さんをなぞっていて(褒めてます。普通は真似してもそうはみえないから)たおやかでした。
「海神別荘」。あるいみ怪人。ああいう、純粋で、あらゆるものを与えられていて、まっすぐで、素直で、位にみあった品があって、強い人を誰が演じられるでしょう。自分の決断が早いから、相手にも当然そう望み気が短い。当然そう思うだろう、ねぇ。といわんばかりに自信をもって話をし、清らかで、若々しい。(そしてマッチョ)。ちょっと一本調子でしゃべってる気もしますが、そこはかわいい(贔屓ゆえの意見)。 マントを翻させたら日本一ですね。いや世界一。アラビアのロレンスをも越えましたね。(すっごく気に入ったご様子で翻してました)。
玉さまの衣装は何でできているのでしょう?天女のを特注したのだと思わせる純白で細かくキラキラして。もう目が離せない。なんだか光輝いてました。 玉さまは、どんな設定をも、そうかもなあと思わせる説得力があります。
装置が日生劇場っぽかった。歌舞伎座っぽい方がいいなあ。 布の動かし方が演劇っぽかった。もっと歌舞伎よりがいいなあ。 演奏は生音でした。よかった。 上手はしっこでハープ演奏もありますですのよ。蝶ネクタイの正装をした方が。
「山吹」これはまだわからなかった。まだまだ見に行くので、次回の自分の理解に期待。 笑三郎さんと歌六さんがうまい。うまいゆえに、もうぐったり。どうしろというのか。 とても見ごたえのあるもののような気がするが、今の私では、わからなかった。
「天守物語」。山吹でぐったりとして、食欲すらなくしていたのに、すっかり元気に。これが一番すごい。ファンタジーです。
清い心をもった人たちだけが集まっている天守閣。浮世離れしている人たちなので妙なリアリティがある。江戸時代には、狸に化かされていた事もあるのだろうなあと思うのと同じくらい、これもありうる話だと思う。その設定が薄っぺらにならなくて神々しい感じがする。のどかでかわいらしくて残酷で。その世界観がいい。言葉の美しさがすーっと入ってくる。
玉さまは、振向いたり 顔をじっとみる仕草など、何をしても優雅で時間の流れが違う。
右近さんは何をしても超歌舞伎。いいですね。赤っ面なのに、朱色なのは気になったけど。(お習字を直す色みたいだった)猿弥さん、笑三郎さんは、うまいなあ。
海老蔵さんは図書之助の方がいい。(どっちも好きだけど。) 海神のときはマッチョなのに、図書之助では、ほっそり。(うっとり) どちらも若々しく、さわやかで、みずみずしく、清らかで、お目目キラキラ。
忠義とか正義感などに苦悩する。若侍の苦悩っぷりが美しい。迫力もありとてもよかった。わかっていたけど、本当にきれいなんだもん。
結論。これからは、もう人間じゃないわ。
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コメント
はじめまして。kirigirisuと申します。
わたしも今日の初日に行ってきました。
>マントを翻させたら日本一ですね。いや世界一。アラビアのロレンスをも越えましたね。
このコメントに首が落っこちそうなくらいうなずいております。アラビアのロレンスのマントは、裾を引きずってないですものね。
ちょっと台詞が危ういところがありましたけれど、これは日が経つうちには解消されることでしょう。(贔屓目)
わたしはどうやら公子様にハマリそうです。(^^)
投稿: kirigirisu | 2006年7月 8日 (土) 02時17分
>これからは、もう人間じゃないわ。
いいっすねーー!言い切ってますね♪ありがとうございます。
「人間なんかじゃあなた、ダメですよ。」(笑)
信長以来、マントマン(笑)は認めてますが、
マントの似合う怪人になってしまっているのですね?
そうか、信長もマント着てるときはすでに人にあらず、でした。
きゃ~ ^^ 楽しみです♪
21日に観ますが・・・一本調子は変わってないでしょ(笑)。
いや、変えないでね。そこが好きなんですからぁ♪
投稿: 恵美 | 2006年7月 9日 (日) 00時05分
kirigirisuさま
はじめまして。コメントありがとうございます。
最近、恵美さんのところで、面白いコメントだなあと思い、たどって読んでいたところでした。
面白くて、どんどんさかのぼって読んできました。
あっ この日は、私もいったわ!なんて思ったり。視点といい長さといい、いいですね。 こちらへのコメント、とっても うれしかったです。
さて、初日。いろいろと翻弄されましたわ。ねえ、あなた。 ああ楽しかった。街中でマントを翻す方がいたら、ついて行ってしまうわ、きっと。
>ちょっと台詞が危ういところがありましたけれど、これは日が経つうちには解消されることでしょう。(贔屓目)
ええ。初日の千穐楽とでは、変化がある方ですものね。でも、荒削りのときも見たいの。(贔屓目)
恵美さま
あーそうでした。信長でも翻してましたわね、マント。
公子マントは、信長マントをも超えているの。 自分で自分を超える男(かっこいい!)
以前、日生劇場の「海神別荘」を母と観にいきました。最前列中央でみたのですが、その時舞台の上から 翻るマントの風を感じ、卒倒しそうになりました。
ご注意なさったほうがよろしくてよ、あなた。
投稿: かいちょ | 2006年7月 9日 (日) 00時47分
恵美さま
追伸ですのよ、あなた。(?!)
上村吉弥さんがでていらっしゃるので、きっと純弥さんもいらっしゃるのではと思うのですが。 いかんせん、筋書きを買うことができないのでわかりません。(どうしても、写真入りがいいので写真が入るまではおあずけなの。)あぁ、どの方なの恵美さん?と思いながらみてました。ほかにも、この3番目の腰元さんはどなた?とか。 上方の方とか、おもだかの方は、まだ勉強不足でわかりません。あー早く知りたいわあ。
舞台写真でるのかしら?
出ますよね?
ねぇ、出るとおしゃって。
投稿: かいちょ | 2006年7月 9日 (日) 01時39分
かいちょさま、出ますわよぉ。出なきゃ許しませんから。
>きっと純弥さんもいらっしゃるのではと思うのですが。
はい!
kirigirisuさまにこっそり教えていただきましたのよ。天守以外の3つ!に出てるはずなんですけどねぇあのこ。
・・・あの、ぼちぼちフツーにしゃべっていいですか?
まだ私は観てないので歯がゆいのですが、かいちょさまのおとなりで、「ほらあそこ!あれですよぉ」と指差してお教えしたいです。
投稿: 恵美 | 2006年7月 9日 (日) 15時24分
>かいちょさま
魂はクラゲ,頭はウニになってしまった京都のとみです。
初日に昼夜。通ってしまわれる勢いですこと。もうこの世のことは忘れ,今月は海底に沈没致しましょう。
投稿: とみ | 2006年7月13日 (木) 23時04分
とみさま
7月は、天上(天守)か海底か・・・どちらに埋もれたらよいのやら。 上へ下への大騒ぎです。
最後の週末に、またじっくりと再観劇するのですが、それまでにも ちょこちょこと歌舞伎座に吸い寄せられてしまうわたくしなのです。
共に骨抜きにされてしまいましょう。ねぇ、あなた。
恵美さま
kirigirisuさまからのこっそりコメント拝見しました。しかし、いかんせん難しい。 おとなりで、「ほらあそこ!」と指差して教えていただきたいわ。楽しそうですもの。
投稿: かいちょ | 2006年7月16日 (日) 10時11分