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2006年8月11日 (金)

『深川黄表紙掛取り帖』

『深川黄表紙掛取り帖』山本一力(講談社文庫)
初 山本一力。またいかした本と出会えました。未読のものが、いっぱいあるこの幸せ。
総髪の蔵秀さんに惚れました。酒をやれないってことが難点ですが、もうあとは文句のつけようがない。
永代橋のかかる、ちょっと前のお話。私の仕事場からそう遠くないこの橋の見えるところでの暮らしに思いをはせる。
にわか成金に そっぽを向く。神輿となると目の色が変わる担ぎ手の粋ななりに、心いきにワクワクする。
いくらお金があろうとも成り上がりのよそ者と、地元に根付いた店を贔屓する。その成金やろうが八幡さまに敬意を払うことでちゃんと見直す素直さ。
筋を大切にし、世間の風あたりに ふらふらしつつ生きていく。暮らしがいい。
そんなお江戸の町に、大物からの依頼のもと、夏バテ知らずの薬売りだからと、真夏にも笠をかぶらず平気のへいざの定斎や蔵秀(31)を中心に、短髪、黄八丈の値のはる作務衣の小間物問屋の1人娘 雅乃(22)。絵草子書きの辰次郎(27)。飾り行灯師の宗佑(33)。設定もいい。この4人の画策に胸躍った。
悪者、いい者がはっきりしているだもん。気持ちいい。

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