三響會
本日は、三響會鑑賞。
今日の一番のお楽しみ亀治郎さんの「安達原」。亀治郎の会で、泣かせるという評判を聞き、是非ともみてみたかったので。(泣くのが好きなのかしら、私は・・) 今日の会は、囃子競演 ・ 藤娘 ・ 歌舞伎の安達原 ・ 能の安達原。
見に行ってわかったこと。亀治郎の会のは「奥州安達ヶ原」、今日の三響會は「安達ヶ原」ということ。今日のは、安達ヶ原の鬼女伝説の方でした。あれれ。
「安達原」 みごたえがありました。面白い! 最初は、あれ?思っていたのと何かが違う・・ ? と思っていました。 亀治郎さん演じる 前ジテの老女が、引っ込む前に 「ちょっとでかけますが、寝屋をのぞいてはいけませんよ」って 地の底からきこえてくるような声で言うあたりには、もうすっかり引き込まれてました。 いけないっていわれたらしたくなるのが人の性。 そこらへんを段四郎さんが実にかわいらしく表現してました。 おまちかねの後ジテ。想像以上のスペクタクル。隈取はこわいのだけど どことなくオバQでもあり・・・ うごきがすばらしい。難しすぎる動きばかり。長袴をはき、廻ったり、花道を後ずさったり。魅せる魅せる。バタンと前に倒れる動きは何というのでしょう?あまりの迫力に口をあけてみちゃいました。 すすき一面の月夜のもと、鬼女と阿闇梨と強力の見せ場はすごかったです。 強力が妖しい力で引き戻されるところがうまい。段四郎さんうまい。ほんとにグイってやられてるみたい。 ~で候って最初に言うところで、~でしょうろうって言ってるところもキュート。いいわぁ。
こんなに面白い歌舞伎の後、お能はどうするのかしらと興味深々。話がわかった上でみるので、いつもより理解しやすかった。お能に負けてられないぞっていうライバル心みたいなものが、いい感じになっていて面白かった。アイは萬斎師。大活躍!あんなに笑わせるとは。能楽堂ではありえないシチュエーション。シテの片山清司さん、迫力満点でした。動きがシャープ。花道でキッて決めてました。面をつけているのに、目付柱がなくて大丈夫かしら?と心配しちゃった。ワキが、今日は俺が目付柱だ といわんばかりに迫っていて臨場感がありました。誘導する意味もあるのかしら。 こういう実験的な公演の面白さが楽しかった。 能楽堂とは異なる見せ方を楽しませてもらいました。
最初は、囃子競演。本当に競演。太鼓、大鼓、小鼓、笛、大太鼓、尺八、琴、三味線、ドラ、豪華。ちょっと豪華すぎ。林さんの大太鼓に、一噌さんの笛、傳次郎さんの太鼓の競演が、シンプルでかっこよかった。
2つめは、七之助さんの藤娘。今年は、若手の藤娘をみる機会のある年。 なんだかいろんなことがわかりました。あぁ、お酒に酔っちゃったから ちょっとハメをはずした大きな動きだったのか とか。中村やさんらしさがありました。(踊りの意味するところがわかりやすい) なかなかでした。若く かわいらしくて、女の子でした。大人のもみたくなりました。大人の人の藤娘は、性別をこえた藤の精という感じだもの。御園座の時蔵さんのもみたかったなあ。
能楽大鼓の広忠さん、歌舞伎囃の田中傳左衛門・傳次郎さんの強力タッグのおかげ で、こういう豪華な競演を楽しめるのはうれしい。チケットをとるのが大変ですが。ロビーで亀井忠雄さん(人間国宝!)が、ニコニコしていらしゃいました。今日も満喫。
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コメント
>かいちょさま
三響會行きたかった~。亀治郎丈と萬斎さんの安達ヶ原対決というスリリングな状況が期待されますが,やはりそのとおりでしたか。
>どことなくオバQでもあり・・・ うごきがすばらしい。
おーきゅーとな鬼女が人間離れした動き。それでこそ亀治郎丈ですわ。
毎年放送ありますからありますよね!
投稿: とみ | 2006年10月28日 (土) 06時00分
とみさまに報告。
カメラがはいってました。
放送、あるといいですね。
演目が終わると、ほーっていう観客の息づかいが、面白さをものがたってました。
投稿: かいちょ | 2006年10月28日 (土) 10時23分
また、ご一緒でしたのね。
>能楽堂ではありえないシチュエーション
やっぱりそうなんですね。初めて見たので、お能も結構やるもんだと思いながら見ていました。(^^; 面をつけて花道を動かれるのは大変でしょうね。でも、そんなことを感じさせない動きでしたね。もっと近くで見たかったです。
亀治郎さんの仏倒れ(だと思います)は、わたしも驚きました。歌舞伎バージョンは、段四郎さんと亀治郎さんは声が本当に似ているなぁと思っているうちに意識を失ってしまいました。(^^;
投稿: kirigirisu | 2006年10月28日 (土) 10時55分
澤瀉屋親子いいですよね、段四郎さんのキュートさ&亀治郎さんのパワフルさかしら♪
三響會でしかみられないものをご覧になられたなんて、羨ましいわぁ♪
1回しか行ったことないのですが、ほんと、ステキな会と思います。
投稿: 恵美 | 2006年10月28日 (土) 14時04分
kirigirisuさま
「仏倒れ」というのですか。ありがとうございます。
そういえば、義賢最期で見たときにも息をのみました。
あれも仏倒れなのですね。なるほど。
老女の亀治郎さんは、お顔も段四郎さんに似ているなあって思いました。あと、猿之助さんにも。
演舞場で、kirigirisuさんも来ているかも!って思いました。目印検討を、実行の段階に移しましょう!
投稿: かいちょ | 2006年10月29日 (日) 00時59分
恵美どの
そりゃぁパワフルでしたのよ。
こんなスペクタクルなのの後、お能は大丈夫かしら?なんて余計なお世話をしちゃうほど。(いらぬ心配でした!)
投稿: かいちょ | 2006年10月29日 (日) 01時01分