夢の美術館
今回の道楽旅行では、松竹座での歌舞伎がメインですが、文楽の幕見したり、神戸散策したり、あそこにいったり、ここにいったりと、いろいろとプランがあったのですが・・・風邪をこじらせせたばっかりに、じっとしてました。
一箇所だけ、いってきました。国立国際美術館。「夢の美術館:大阪コレクションズ」疲れすぎない量でちょうどよかった。ちょっとルーブルっぽいつくり。特徴あるエントランスで、入り口から地下に入るの。
コレクションズの展示作品は72点。1作品づつ作品名と解説文がありました。セザンヌ、モネ、ピカソ、モディリアーニなどの有名な作品も、もちろんよかったのですが、シュールレアリズムの作品が、特に面白かった。デュシャンのL.H.O.O.Qとまた出会いました。これ、本当に面白い。モナリザにヒゲだもの。レディメイドってすごい!一見勝手なその発想に再びっくり。マン・レイの「イジドール・デュカスの謎」ミシンとおぼしきものを包んで紐をかけた作品。「解剖台の上の、ミシンと雨傘の偶然の出会いのように美しい」詩にインスピレーションを受けることがシュールレアリズム的に流行となった。言葉の生み出す不思議さ。実用物がモノとなることにより・・なんてものものしい理屈が面白い。ミニ解説がなかなかいい。 ルネ・マグリットの「レディ・メイドの花束」これは、ボッティチェルリの春が描きこんであるの。面白いなあ。詳しくないからこそ、興味の入り口の面白さがある。
チェック・クロースの「ジョー」これは写真のような作品。友人をモデルとして次々と大型の肖像画を描く。この作品は275.0X214.5もありました。写真を参考に何十分の一づつ区切り、一升ごとにアクリルとエアブラシで仕上げてある。へぇー。 トニーグラッグの「分泌物」サイコロで覆われた像です。「1~6の数字を外に向けて、作品を形成する張力の隠喩になる」?!なんのこっちゃ?! もう、へぇーを通り越しておかしくなった。
一番気に入ったのは、ジャコメッティの「鼻」。鉄枠の中に、鼻を異様に伸ばしたブロンズの頭部が吊るされている。若いころの友の突然の死にインスピレーションをうけた作品だそうだ。人間存在の危うさ、不確かさを表すという。言われてみると、なるほどと思う。のどかでユーモラスでもある。内面がわからなくても、いろいろ想像したくなる面白さがある。アンバランスさとユーモラスな奇妙さが内面の不安を掻き立てるようで、惹かれた。
フランク・ステラ、デ・クーニング、サイ・トォオーンブリ、ウォーホール、リヒター、エルンスト、などなどモダンの作品が沢山。なかなか面白い展示でした。
今回は、友人宅にも泊めていただいたきました。せっかく神戸にいったのに、出歩かず、ゆっくりすごさせていただいちゃった。 三味線のお稽古についていって見学させてもらったり、おうちで菊五郎さんの若いころの「野次喜多 隠密道中」という時代劇のDVD」を延々と見せてもらったり、よそのお宅のの緊張感もなく、のんびりさせてもらっちゃった。 ありがたい。楽しかった。 若いころの菊五郎さんは、菊之助さんそのものなのだもの!どれだけみても飽きないわぁ。かっこいいねぇ~
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