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2007年2月 5日 (月)

通し狂言ぶっとおし

歌舞伎座で、通し狂言「仮名手本忠臣蔵」を、昼・夜見て参りました。くたくたっ~。おさるが、討ち入りまで見られてよかったねと。そういえば、国立ではガマンしたまま終わっちゃったもの。
とっびきりよかったのは、七段目。今日いちばんのお楽しみは、やっぱり一等よかった。玉三郎さんって、どうなっているのでしょう。お軽は、あどけなくてかわいらしかった。もう余計なこと何にも考えていなくて(考えなさすぎな程)。平右衛門のまっすぐさも、それに似てます。とにかく、のんきなほどの2人は、かわいらしく、そして決まって、きれいでかっこよかった。そして、情愛たっぷり。堪能。 由良さんが、吉右衛門さんだったので、大きくて、2人にぴったりでした。いいねえ。
大序。この儀式制が好き。幕の重々しいあけ方、祈のたっぷりとした幕開け。本当に47回かなあと数えてみました。(歌舞伎座は広いので70回くらいでした。)富十郎さんの高師直が秀逸。意地が悪くって、大物で。吉右衛門さんの若狭之助の若々しさと、菊五郎さんのゆったりした判官の対比がよかった。黒・萌黄・卵色、装束の色が効いています。 吉右衛門さんの若狭之助は、もう腹が立って手をだしそうだった。ここで出しちゃえば話が変わるなあ。えーいやっちゃえ!って思ったわ。 師直は、もうとにかく 顔世御前を見てるの。迫り方がいいの。権力をかさにきて、本当にいけすかないのだけどね。三段目も含めて、なんで腹がたつか とってもわかりやすいイジワル師直です。人形焼きみたいな顔色ですごかった。
切腹の場。梅枝くんの力弥、品があってよかった。由良之助登場に、ひとめお姿をみたいという家来一同が、ばっと入ってくるところがぐっときました。菊五郎さんの毅然と最後を迎えようとするところはよかったけど、ちょっと由良之助との関係の厚さが伝わりにくかったなあ。團さまの由良之助と菊五郎さんの判官のとき、ものすごくよかったので、その印象を引きずってるのかな。 左團次さんの薬師寺は、気にくわなさそうで いばりくさっていました。権力もっている男ですね。そんなぁってコト言ってました。 由良之助。到着を劇場中が待っていたので、お許しがでたとき もっと駆け寄って欲しかったなあ。 自分が泣く芝居って、一歩間違うと 悦にいっている感じになるので怖いなあと思った。(文句じゃないです) 城を受け渡すなら、いっそという血気さかんな人を抑えるところは、いいかんじ。ガマンが似合うのかしら。
ぐったりきているところ、ぱぁーっと明るく道行。翫雀さんの伴内は、小憎らして いいわあ。明るく、元気に、小憎らしいって新しいかも。 時蔵さんって大きくて好き(つたわりにくいだろうけど。)しゃっきっとしていて、丁寧ですもの。
五段目。梅玉さんの定九郎。どうして、梅玉さん、なさりたかったのかしら。今年は、色悪で行こう!とか?色悪を楽しんでいるような感じ!?でした。わりとあっさりめ。 定九郎って、何をするにもニヒルで、たーーーっぷり時間をかけるでしょ。とにかく、俺をみよ!という感じで。(海老蔵さんのイメージ) なので、あれ?もう終わりって感じでした。 でも、いきいきなさってました。 今日は、猪が木にあたってました。すぐ持ち直したけど。場をさらっちゃうか?と心配しちゃった。
六段目。とてもいい芝居。でもくたびれる。 六段目の上演がおおいせいか、よくみているし。みるとぐったりしちゃう。 判人源六が、東蔵さん。いいねえ。 東蔵さん、うまいし、魅せる。すばらしかった。 玉三郎さんは、人の影にいるっていう感じもうまい。菊五郎さんは、いい人がでてるだけにつらかった。 権一さん(与市平衛)と吉之丞さん(おかや)の子が、仁左衛門さん(平右衛門)と玉三郎さん(お軽)か・・とちょっと思った。
七段目。最高。もっとかかればいいのに。 五段目と七段目なんていうのはどうだろう。筋的に無理があるのはわかるけど。 この段、とってもいいのだもの。 由良さんの放埓っぷりがいい。のんきで。 亀鶴さんの伴内、グッド!おまぬけぶりがいやみでない。いいねえ。 芦燕さん、この役はお手のものですね。 平右衛門の役のよさ、お軽の役のよさを、すむずみまで味わいました。 仁左衛門さんと玉三郎さんのおかげ。 いやぁいいものみました。 團さまの平右衛門と並ぶよさ。 すっかり気に入っちゃった。またみたい。
もう、くたくた。十一段目。 ぱっぱっと展開。楽しい。児太郎くん、七段目の力弥は初々しくて健闘でしたが、この段はいかんせん小さいかも。案の定、高師直は富十郎さんではありません。なんだか、あれではにせものみたい・・。うわーって戦って、えいえいおーと大円団。 おつかれさまでした。 一日中みてるとね、さっき判官だったじゃん、さっきは梅枝くんだったじゃん、と こんがらがっちゃう。 いっそのこと、十一段目にみんなでるのはどうでしょう。由良之助2人、力弥も2人。フィナーレって感じで。
あれ、この方 このお役だけ?っという方続出。こんなにこちらにでていて、博多座は大丈夫かしらってほど、みなさんでてらっしゃいます。あと、今月の歌舞伎座の駕篭かきさんは、最高でした。

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コメント

おつかれさまでした。
もうこれで、忠臣蔵は当分いいわってくらい楽しめましたか?
私の中では、今年は「封印切」と「釣女」イヤーです♪
>今月の歌舞伎座の駕篭かきさんは、最高でした。
あら、とっても気になる終わり方・・・どなたなの~??♪

投稿: 恵美 | 2007年2月 6日 (火) 16時52分

つかれました。もう、しばらく討ち入りはいいわってくらい楽しみました。
「封印切」と「釣女」イヤー!濃厚だわぁ。
今月の歌舞伎座の駕篭かきさん情報
六段目でお軽を乗せた駕篭は、仁左衛門さんのお弟子さん、松次郎さん(お祭りの時に、お目々キラキラさせて師匠をみている姿がすてきでしたの。そのときから注目)判官をのせた乗り物ももってました。吉右衛門さんのお弟子さんの吉六さんも。七段目の石を乗せて帰る駕籠は、左十次郎さん。ね、ステキでしょ。 筋書をまだ買っていないので定かではないのですが、もう一人は坂東大和さんだった気がします。写真がはいったら筋書きを買って確認しまーす。

投稿: かいちょ | 2007年2月 6日 (火) 23時53分

おお!松次郎さんですか♪
むふふ・・・これでかいちょさまも「上方若衆ファン」ですわね~~むりやり感ありあり。
「みよし会」でも大活躍いたしますのよ~ ^^ ♪ぜしぜし!お出かけくださいませ♪

http://emis-home-bar.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_dcdd.html

松次郎さんや左十次郎さんは、ちょい?前の色男系ですよね。
かいちょさまの趣味がだんだんわかってきた、かも。(笑)

投稿: 恵美 | 2007年2月11日 (日) 12時03分

ハロー恵美さま
そうそう!かいちょの男子趣味はとにかく目が大きい二枚目なんです~
ワタシの好みはどっちかっていうと昔で言う醤油顔(古)っていうくくり?
だからほとんど好きな男子がかぶる心配はないのです。
これが女子同士、長く付き合っていかれる由縁かな...
でも左十次郎さんはワタシも好き☆

投稿: noppy | 2007年2月11日 (日) 21時05分

>noppyさま、盛り上がってきましたね~。
>好きな男子がかぶる心配はない
うんうん、女子同士はそこが大きな問題ですよね。よかったよかった♪
松次郎さん、左十次郎さんは私も好きです。
あら、これってやばいことかしら?

投稿: 恵美 | 2007年2月11日 (日) 21時34分

江戸っぽい男衆が好きなの。
左十次郎さんは江戸時代にいそうな感じ。松次郎さんにもそんな予感が。菊十郎さんなんて、もう江戸のお方ですよね。
ちょい?前の色男系か・・・そうかも。好きなの。
目は大きいに限ります。
そしていい声ね。
恵美さん、やばいこと?!取り合いしましょ!

投稿: かいちょ | 2007年2月12日 (月) 21時01分

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