「日本美術が笑う」「笑い展」「グレゴリー・コルベール」
春分の日を祝して、森美術館にいってきました。
学友たちと勝手きままに鑑賞。ずーっとコメントしながら(もちろん小声です!)楽しく鑑賞しました。なかなか面白かった。新旧・笑いのダブル展と銘打った展示でした。古典に軍配があがりました。すごいんだもん。思想とか、風刺とか、メッセージなど作品に意味をもたせてないのだもん。あっ意味はあるか。ごちゃごちゃ言ってないの。古典作品のストレートな表し方が逆に新鮮に感じるせいかもしれません。
土偶・埴輪がずらーっと並んでお出迎え。ここは土の中から~のコーナー。埴輪を作ってみたくなりました。
作者不詳の寒山拾得の迫力。ここは意味深の笑いのコーナー。
河鍋暁斎の「放屁合戦絵巻」には多くの人がたかって笑ってました。下に本物の絵巻の展示。壁面に全絵巻を左から右へ流れる画像で紹介。ここは笑うシーンのコーナー。
秀逸なのが、次のいきものへの視線。すんばらしい。このコーナーのためだけに来館してもいいくらい気に入りました。すばらしい展示方法。建築家千葉学氏によるケースデザインとありました。ケースに入った、若沖の「白象図」と蘆雪の「牛図」がばーんと目に飛び込んできました。掛け軸のための黒いケース。モダンなのだかクラシックなのだか。ごちゃまぜになって作品が飛び込んできました。かっこいい~しびれます。もうお薦め。もう一回見に行こうかしら。俵屋宗達の「犬図」も妙によかった。犬のまねをしたくなる一枚。ここは17作品を展示。ビバ!
最後は神仏が笑う~のコーナー。白隠の作品はなんだかタッチが漫画みたいでおかしい。すたすた坊主図なんてのどかなタイトルもいい。ここの展示も面白い。みていると1作品分の展示スペースがパカっとあいています。奥の作品が見えたり、鑑賞中の人がみえたり。それが狙いかな?工夫ですね。円空の仏でおしまい。なんともキュート。あー楽しかった。
笑い展も面白いのだけど、もうここまででたっぷり作品をみてきたので、やや疲れちゃった。そこがもったいない。クスッとしちゃう作品や、バカな・・っていう作品や、ありえなさが面白かった。こちらはやっぱりガイドさんの一言がほしかったなあ。もっと興味がでるだろうに。お得意の逆質問をおりまぜた桃色トークガイドの名手(友ひ)がインフルエンザに倒れてしまい参加できなかったの。いたら、あれもこれも聞きたいねえなんて勝手なことを言いつつ堪能。マット・ジョンソンの「パンの顔」は明日の朝、早速作ってみたくなるキュートさ。磯崎道佳の「ファット・ボーイズ・スマイル・イン・ニューヨーク」は指さして笑いました。衝撃的なビデオアート”私はアドルフ・ヒトラー。超楽しい”で始まるタミ・ベン=トールの「アドルフ・ヒトラーについて語る女たち」や”退屈してんねん”と言っていた 会田誠の「日本潜伏中のビン・ラディンと名乗る男からのビデオ」には、大丈夫かしらとアーティストの命の心配をしちゃいました。赤瀬川原平のお札をみて、これか!とおどろいたり。興味深かった。
グレゴリー・コルベールにはびっくり。何度も本当に?本当に?ってつぶやきながらみました。人間と動物の驚異的な交流を捕らえた作品とありましたが、驚異なんて超えてます。静かで美しい。本当に美しい心をみた思い。ピューマの美しさ、象の穏やかさ。きれいでした。お台場のノマディック美術館(移動美術館)で3/11から作品をみることができるようです。あんな俗された土地にはもったいない作品たちです。
私はお稽古があったので、後ろ髪をひかれつつ夕方失礼しました。とっても楽しかった。今度はフルメンバーで集いたいなあ。
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