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2007年4月 8日 (日)

翁 三番叟 四日之式 三上山

今日も、世田谷パブリックシアター開場十周年記念「翁 三番叟」公演に行ってまいりました。今日は、四日之式 三上山。三番叟と面箱のやりとり(問答)がたっぷりでした。いつもと異なる詞で、やや聞き取れたところ「右の右の上に~ 左の右の上に~」何だろう・・違いがあってありがたいけのだけれど、ちゃんとわからないのが残念。
万作師の三番叟。翁は観世榮夫さん。梅和紀長さんが千歳。面箱は深田師。観世榮夫さんは立ち上がって演じていらっしゃるときには、あんなに立派な声がでているのに、立ち上がるのに随分苦労なさっていてドキドキしちゃいました。あぁ、人は老いてしまうものなのですね。仕方なにのですね。あぁ。 翁の部分で、時おり余計な心配をしちゃいました。 小鼓頭取の源さまも、大鼓の広忠さんも、装束が違いました。特に色の違いが!広忠さんは葡萄色?!小鼓はみなさん違うのかしら。三上山に意味づけがあるのかなあ?
三番叟が始まりました。万作先生の動きの瑞々しいこと。声の大きさや、跳躍力、目付け柱への勢いある形などは、萬斎師のようにはいきませんが、 拍子を踏む力強いこと。客席で響きを体感しました。目付け柱への勢いある形の次、一足だす形の決まること。 運びのなめらかさ。スピード感。気持ちがぐっと乗り出してきました。 美しい動きなの。いいものをみることができてよかった。本当によかった。2日続けて、親子の三番叟をみることがの貴重さを実感。夢中になりました。足の運びには、うっとりしました。籾の段と鈴の段の終わったときに、しーんと静まりかえっているときに激しい息遣いを聞き、人としての実感がわきます。みているときは大変さとか余計なことを感じません。五穀豊穣の祈りを感じる動きがいいの。声、動き、速度、囃子と高揚していくところもよかった。退場する際に、注連縄のかかる橋掛かりの向こうに消えていく。その神秘性がぴったりの舞台でした。
今日も、三番叟の時にぱーっと舞台があかるくなった気がしました。照明効果かなあ。演者効果かなあ。パッと明るさがますの。差は少しですが。不思議。
休憩後は、「靭猿」。久しぶりに見ました。裕基くんの子猿が大きくなっているのにびっくり。初舞台をみたときは3歳でした。もう小学生。感無量とおばあちゃん気分です。裕基くんの人生の半分の舞台はみているのね。(3歳から7歳までだけど!?)猿曳きが引く縄が脚にひっかっかっても、そっとはずします。そんなことにまで熱くなります。
ついつい子猿をみてしまいますが、これもよくできた舞台だなあと思いました。猿曳きの萬斎師の情愛深さいこと。型の上にあるので、ジメジメせずに毅然としていてきれいでした。 大名の万之助師は独特の権力者のもつ勝手さの残酷性と 反する のどかさが共存しました。 そして石田師の淡々とした太郎冠者がとてもよかった。猿曳きと大名の間を、淡々と伝える姿は、人が悪いわけでなく・上の人にこびるのでなく・猿曳きにえばるでなく、淡々としてよかった。なずかその場で笑いがおきました。あの淡々とした雰囲気はほかの演劇にだせない味だからかなあ。 子猿の月をみる形のかわいらしいことといったら。
十周年おめでとうございます。まさに記念公演でした。満喫、大満足の週末でした。

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