道楽行脚 ~「若冲」鑑賞編~
若冲に逢いに京都へ行って参りました。はるばる出向いてよかった。
京都 相国寺 承天閣美術館で開催中の『若冲展』をみて来ました。 2つの会場にわかれてます。断然すごいのが第二会場。
第一会場もすばらしいの。襖絵を一面に並べて見せてくれるし。初期の筆のタッチ が、私が知っている若冲のものと異なり、初期のサザエさんをみるような「あれっ」という感じが面白かった。 真正面から捕らえた鶏の顔の、のんきさがいい。とぼけた顔して格好いいなんてどうなってるのでしょう。 葡萄の蔓って美しいのですね。部屋の角を計算して書かれた図案に唸りました。
さらに、廊下を進み第二会場へ。会場にはいるなり圧倒。わぁー。
三尊像3幅を中心に、両脇に15幅づつ 計33幅ものゴージャスな軸が下がってます。部屋3面が若冲だらけ。(そして鑑賞者だらけ)
以前、三の丸尚蔵館での数回の公開の最後の回にみてきました。あのときと別のものみたい。1枚づつみても見ごたえあるものが、部屋中にあふれていると、もう圧巻です。 見惚れました。お釈迦さまも さぞ嬉しかろうと思いましたことよ。動植綵絵までも、釈迦三尊像を守る脇侍のようなものに感じました。
若冲と言えば、やっぱり鶏。大胆で、かつ部位によって異なる羽根の柔らかさまで描き分ける繊細さがある。みていて笑いたくなっちゃいほどの格好よさ。梅を描くときの、ちょっと煙ったような色づかいにも驚いた。鳳凰の羽根の先のハート模様がキュート。心臓の形とか知らない時代よね。この愛らしいフォルムは、日本人の中にあまり浸透してなかったのではないかなあ。どう思ったのでしょう。 花の中に鳥がいるのをみつけると、うれしくて報告したくなっちゃう。そういうワクワクにあふれたものでした。 ちっこい蛙の色のよさ。表面の濡れた感じが伝わる黄緑です。 大きな蛸の1本の手(足?)の先に、小さな蛸がついているのが、私のお気に入りです。
最後に、なんども振り返りつつ、名残を惜しみつつ、部屋をでました。
混んでいるなか、わざわざ出向く価値がありました。両親もとても喜んでおりました。
最近のお寺のはやりもの"クリアフォルダー"を購入。カバンやらお菓子やら 若冲記念にと 乗せられて あれこれ親子で購入。ご朱印をいただいて帰路につきまし た。
眼福、眼福。若冲万歳。
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コメント
>かいちょさま
なんと親孝行のかいちょさま。
確かにニワトリさんはシャキーンと目が覚めます。蛸さんかわいいです。一羽だけ白い雀や,一匹だけブラックバス風の魚もツボでした。
不思議と激込みでも気になりませんでした。
投稿: とみ(風知草) | 2007年6月 4日 (月) 21時14分
本当に!
あんなに混雑しているのにうんざりしませんでした。不思議。
あの一羽だけ白い雀を見つけたときには、なんだかとっても嬉しくなりました。
幸せでした。
投稿: かいちょ | 2007年6月 6日 (水) 00時02分