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2007年6月14日 (木)

三人吉三

因縁を色濃く出した「三人吉三」でした。
「悪いこたぁ、できねぇもんだ・・ 」和尚吉三 しみじみ言うところが すべてをあらわしていました。
巣鴨吉祥院の場が秀逸。和尚吉三だけが、まず最初に いろいろな人の話から 因縁を思い知らされる。その知っていく顔つきのいいこと。 この場がこんなによく感じたのは初めて。 悲惨なことになっていくのに ニヤリと笑って引き受けようとする覚悟やあきらめがまざったなんともいえない顔付き。さすが勘三郎。魅せますなぁ。
おとせ・十三郎の2人が、心底頼りにしている顔で、兄 和尚に対して 頼みます・ありがとう と 丁寧になんどもなんども頭をさげつつ、寄り添って去るところは、こちらが事情を知っているが上になんとも切ない。 そこに和尚の 「 なんにも知らず~」 という台詞の効く事といったら。  あぁ。 中村屋親子3人、すごい!うまいなぁ。もう唸っちゃった。
”親の因果が子に報い”って言葉の重みのあること。今まではそんなことを言われてもって思っていたけれど、みていたら仕方がないかもと思った。
コクーン歌舞伎・平成中村座は、NY公演以外 最初から ずっとみてきました。歌舞伎の環境を演出しているという風に感じていました。悪い意味でなく。 自分が江戸っこ気分でみれるのがとても楽しかった。
今回はじめて、串田演出力を強く感じました。ちょっと歌舞伎を壊してきたところが、迫力がありました。 有名な「月も朧に白魚の篝も霞む春の空・・」という台詞のリズム感が、あまり感じなかった。逆に色彩の洪水で、歯車がずれ始めたような感じがして面白かった。
変わった演出が目立つ中、勘太郎・七之助のところは、ひたすらまじめに古典に忠実にやっていて、そこがよかった。黙阿弥のもつ台詞の響きのよさが あの2人のところの
方が 伝わってきたところが面白かった。
大詰めの場、真っ白な中、三人の吉三だけがゆったりと空を斬っている場が、なかなかでした。 決死の覚悟で臨んだことも、天からは ただあがいているにすぎないような。夢だったような。 ここは、橋之助さんが断然きまってました。
気迫にあてられたのか、昨夜 帰宅後は気絶するように寝ました。 いい意味で、ぐったり。
こんどは、古典の通しで 三人吉三がみたくなった。王道のスタイルで。 数年前、團さまの和尚、仁左さまのお坊、玉さまのお嬢でみました。 今みたら 更に面白いだろうな。
附け打ちさんの真横の席でした。うれしかった♪ + 無駄に緊張♪ そっちをみたいほど気になりました。真横だと、さすがに音が響きすぎ。でも そこは 身内気分で?! 堪能。

しかし、黙阿弥ってすごい。三人の吉三に みごとに因果関係がある。家族みんなが因縁にまきこまれている。どえらい話。 黙阿弥万歳!

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コメント

すごい。大人の解説みたいだ。(充分大人ですが)
同じものを観たとは思えないおさるでした...脱帽。
きっとサムも喜んでるよ!サムって呼ぶな!?

しかしあの態勢で寝てしまったのが悪かったのか、
今日はちょっぴり筋肉痛でげす。
これも因果応報かっ。
ほんとにいつもすみません&アリガトゥー

投稿: noppy | 2007年6月15日 (金) 01時35分

お・と・な のかいちょです。
サム、いたね?! 
みるとやっぱりうれしくなっちゃう。
自由劇場マニアだものね。

紙吹雪の中に埋もれたのも、いい経験でしたね。
役者気分になりました。

投稿: かいちょ | 2007年6月16日 (土) 00時39分

きょう(15日)行ってきました。歌舞伎の極色彩の舞台がちょっと恋しかったです。わたしは正座が苦手なのでいつも椅子席。役者さんが舞台から突進してくるので迫力あります。(^^) でも、刀抜いて走ってこられるとマジでコワイっす。

投稿: kirigirisu | 2007年6月16日 (土) 01時29分

kirigirisuさま
たしかに・・・ 汚れた感じを強くだしていますものね、コクーン歌舞伎は。 
平場は正座じゃなくても大丈夫ですよ。お行儀悪いですが、横座り・あぐら・立て膝など変化をつけて?!乗り切ってます。
刀抜いて武士におびえるって体験も 貴重ですね。

投稿: かいちょ | 2007年6月18日 (月) 23時33分

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