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2007年8月17日 (金)

横須賀美術館

本日はプチ夏休み。横須賀美術館へ行って参りました。今年のGWにオープンしたばかりの この美術館気になってました。
目の前は、海。エントランスの前は広々とした芝生。その先に海。後ろはうっそうとした森。展示室を地下に配した美術館は、低い1階部分のみ地上に現れ、自然を邪魔しないすてきな建物でした。
21_21 DESIGN SIGHT同様、バカみたいな巨大な建築物の多い中、本当にすてきな設計です。室内にはいると、丸く切り取られた窓からポカンと空が見えたり、海が見えたり。この暑さの中、建物に入り まぁるい窓から外を眺めると、ひざしまでやさしく感じました。この建物に入るためだけでも、行く価値があります。鑑賞後、夕暮れの海をみながらカフェでお茶を飲んで、ぼーっと船の行き交う様をみていました。のーんびりしていつまででもいられそう。
まずは、
企画展「アルフレッド・ウォリス -海に生きた素朴画家-」。実は、美術館に行くのが目的で、この企画になんの興味もありませんでした。他の美術館でみたチラシにも興味がわかず。 あー甘かった。本物はいい!アルフレッド・ウォリスは、70歳になってから、絵を描きはじめた人です。写真をみるとなんとも頑固そう。船にのっていた彼は、多くの海の船の絵を描きました。その寸法や向きはむちゃくちゃなのですが、ものすごく伝わるものがある。嵐のさまや、入り江にいる船のおだやかさが。船にあたる波のようす、帆にあたる風の感じが伝わる。色あいがなんともいい。灯台が描かれると、そこには何か安心感がある。 彼は、身近にある厚紙や板きれに、船舶用のペンキで絵を描きました。 厚紙、板といっても、どれも切れ端。 ここは、箱の耳ではと思わせる形の厚紙の上に、船乗りだけが知っている海の世界がところせましと描かれていました。素朴と、ひとことで言ってしまいたくない、あったかいものがありました。 あー本物を見に行ってよかった! 偶然ウォリスの家の前を通りかかった、画家ベン・ニコルソン、クリストファー・ウッドが、壁に掛かった彼の絵を目にし、衝撃を受け、理解者を得ることになる。 原美術館でみたヘンリー・ダーガーのように、よい理解者が現れたからこそ、こんにち私が彼の絵を見ることができたのですね。展示の一番最後に、彼のお墓の写真がありました。緑の芝生の上に、バーナード・リーチ作の陶板によるその墓は、色あいがとても美しい。今までみた中で、一番きれいなお墓。こういうところい入りたいと、お墓をみて初めて思った。
常設展も、すばらしいらしい作品が目白押し。どうしてこんなにすばらしいものを持っているのだろうと首を傾げつつ鑑賞。見ごたえのあるものでした。くたびれた。

最後に週刊新潮の表紙を描かれた、谷内六郎館を鑑賞。本物ってすごいとまた思う。なんてかわいらしいのだろう。つばめフィルハーモニー訪日という作品に惚れました。その視線のよさと、タイトルのよさで、だれしもが絵の前で、にっこり。幸せを呼ぶ人です。ありがとう。

プチ夏休み堪能

Photo ←これは、来館記念として自分に買いました。綿でできてるし「てぬぐい」として使ってもいいかもしれませんね?!かまわぬ製ですし。あくまでも、記念品ですってば。(もう、これ以上てぬぐいを買わないというマイルールには、何かと苦労します・・・)

その後、横浜で中華のビュッフェへ。もう、何も口にしたくないほどたらふく食べました。どうして、あんなに食べたのか自問自答。だって苦しいのだもん。ふかひれ姿煮がメニューにあるビュッフェが悪い。そのまま食べても、おかゆにいれてもおいしいのだもん。 あー胃も心も満喫な、プチ夏休みでした。

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コメント

おおっ、これはローリーが訪れていた美術館だね。
ローリーと言っても桐島ね。寺西だと思ったけど...
ここは行ってみたいにゃ~
海の近くだからしおにやられないようにこんな工夫が!的な
話をその番組で見ました。すばらしいね。

今度はぜしご一緒したいどす。

投稿: noppy | 2007年8月17日 (金) 01時47分

そう♪ここも、ローリーが訪れていた美術館。あとは、感覚美術館だけ!
塩害から防ぐために、箱の外に箱を造り、地中に埋めたと言ってましたね。
この秋には、澁澤龍彦展という魅力的な企画がありますぞ。
今の展示も超おすすめだけどね。
海の近くで、緑もいっぱいで、本当におすすめ。
ぜしご一緒したいけれど、「ここは男子とくるとこ」って言われそう。
ロマンスが生まれそうな館でしたよ。

投稿: かいちょ | 2007年8月17日 (金) 22時57分

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