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2007年11月28日 (水)

ござる乃座 38th

またまた国立能楽堂へ。『ござる乃座』を観てまいりました。今日の演目は、「鬼瓦」「鳴子」「岡太夫」。 チラシによると、観光・実り・食欲という秋らしいものだそうです。なるほど。
『鬼瓦』万作師のおおらかな大名。やっと地方のお勤めがおわり、故郷に帰ることができる大名。無事に仕事がすんだお礼にと因幡堂にお参りにいく。お堂の様子をみて廻る。何にもないのに、欄干をみれば欄干が、屋根をみれば屋根がみえるよう。おもわず、その視線の先をみちゃった。 あれは、何だと太郎冠者に聞く。鬼瓦があったようです。それをみて、妻のことを思い出し、懐かしくなって、急に「えええーーーん」と泣き出しちゃう。なんとも可愛らしい。「まぶたの腫れ具合といい、耳まで裂けたような口といい、そっくりだよーえーん」と泣く。悪口のようでめちゃくちゃラブコール。でも、「あっ これから帰って逢うんだった」と思い出しケロリと帰路につく。いいなぁ。こういうのを、のどかに丁寧にできるっていうのが狂言の底力だなぁ。品よくみえるのは、万作師のすごさ。生真面目に大名についていく竹山師の太郎冠者も 感じがぴったり。
つづいて『鳴子』。太郎冠者・次郎冠者揃って、鳴子をゆらしつづけながら、”曳く物尽くし”の謡いを舞いながら謡うのが難しい曲らしいです。本当に難しそう。萬斎師、深田師が大汗かかれてました。ひゃあ難しい。観ている方にも力が入っちゃった。ガチガチになりつつみました。余計なお世話だけど。でも観客にも力がはいっちゃう。そんな感じの熱演ぶりでした。開演前に、配られた冊子に載っていた鳴子の謡の詞章をみてみると、粋なのにびっくりする。ひく という言葉から連想するものの並べ方がいい。
*
引く曳くひくとて
鳴子は曳かで あの人の殿引く 神の前には御注連縄引く 仏の前には善の綱引く 橋の下をば上り舟曳く 危うき所を下りて駒牽く 我等はここにて鳴子曳く
*
鳴子はかたかた鳴って、田んぼから鳥をおっぱらうもの。いろんなひくを読み込んであって面白い。殿引くは、殿の袖を引く(気をひく?) 前にみたときよりも、面白さが増しました。ちょっとわかってきたかな。
最後に『岡太夫』。婿入り(結婚してはじめて妻の家を訪ねること)した婿。もてなしに出された蕨餅に大喜び。娘はこしらえることができるから、家で頼むといいと舅に言われ喜ぶ。が!が!蕨餅の名が覚えられない。ありえない!でも、それなのにかわいらしい婿にみえる。萬斎師のパワー炸裂。愛くるしすぎるし、物覚えが悪すぎる。何度も、聞き返したり、小首をかしげたりが、わざとらしくない。型の力だわ。 ほら、アレ。えーっと何だっけ?というシンプルな筋。 思い出せず、家に帰り妻に”朗詠集”を読み上げてもらい、思い出そうとする。風流ですな。シンプルだからこそ持つ味わいがよかった。たかが蕨餅ごときで、刀にまで手をかける始末。思い出したら、妻に「いとしい人 こちへおじゃ」だって。もう・・・
今回は、単純だからこそおおらかなもの、肩にうーんと力のはいっちゃう 聞きこたえのあるもの、最後にまた とびっきりおおらかなもの。サンドウィッチ的な組み合わせでした。ごちそうさま!? あと夫婦愛にも溢れてました。これまたごちそさま。

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『恩はあだで返せ』

逢坂剛の『恩はあだで返せ』(集英社文庫)を読みました。ただただ、気楽に読める一冊。読書後、解説を読んでいると 逢坂氏の作風とは真逆の1冊らしい。大津波悦子さんの解説で「いい意味で、肩透かしをくらうはずです。」と。 あれ?特殊なのから読んじゃった。 これって、はじめて読んだ三島由紀夫作品が『レター教室』だったのと似た感じ?最初に、その人らしいものを読まずに 異種なのから手をだしちゃった。 面白かったので結果オーライです。
御茶ノ水署生活安全課保安二係 斉木係長と梢田刑事という 幼馴染だけど階級の違う2人のデカ(男)に、才媛の五本松小百合巡査部長が加わる。 「五本松もご一緒してよろしいでしょうか。」なんて、会話も楽しかった。肩肘はらない愉快もの。

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2007年11月26日 (月)

吉例顔見世大歌舞伎 夜の部 ~千穐楽~

昨日、おさると張り切って着物で 夜の部を観劇して参りました。音羽屋さん今年見納めなのですもの。おなごりおしいわぁ。また来年~♪
1階2等の花道間際の席で鑑賞でしたので、各演目での花道の引っ込みを堪能。
まず、無駄に?! 豪華な宮島のだんまり。だんまりの素晴らしさがまだつかめない。わぁ豪華と思うだけです。そのうちに、わかるようになるわね。おかしい程の豪華さを楽しむ。端から端まで、主役級の人が多すぎて、福助さんがドロドロと岩に消えていくのもあまり目立たない。なので、すっぽんからでてくる驚きも減りました。もったいないなぁ。ここの引っ込みは大層面白かった。がんばれ福助さん。(息ぎれしてらしたので)
楽しみにしていた九段目。山科閑居。戸無瀬の芝翫さん、さすが。小浪の菊之助さんがあんなに頼るのがわかる。でも年の近い2人のはずなのよね・・・ 菊之助 小浪が、心ここにあらずという感じで 奥ばかり気にしている 一途な様子を見て、あぁ ひと目でいいから力弥と逢わせてあげたいと思った。芝翫 戸無瀬が、この世との水盃にと 手水鉢から水を くむところで 丁寧に氷も ちりもよけて 綺麗な水をだけをすくおうとしている様に、強く愛情を感じた。お石の魁春さんが、申し出を、品よく きっぱり断わっていたのがとてもよかった。じっくりと堪能。ずっと雪の降り続く音が低ーく響いていて、表は雪のような気がした。
これまた楽しみにしてた土蜘。源頼光の富十郎さんと、太刀持の鷹之資ちゃんがそっくりなのだもの。幕あけからにっこり。かなり過保護な太刀持でした。胡蝶の菊之助さんは、声も動きもきれい。飽きない。僧智籌のいでたちは格好いい。音もなく忍び寄る菊五郎さんを、出のところから凝視。すごい底力をもっていそうでした。何か起こる前の神妙な雰囲気もいい。 間の部分。石神、玉太郎ちゃんの可愛いこと。番卒太郎(仁左衛門)次郎(梅玉)藤内(東蔵)の三人組も、玉太郎ちゃんに負けず劣らずキュートでした。仁左衛門さんは、なんで一味違う可愛らしさがでるのでしょう。 お待ちかね後ジテ部分。四天王の亀三郎さんの声のいいこと。もっと出て!菊五郎劇団音楽部も、あれこれ見所だし、土蜘の精はエライことになってるし、蜘の投げた(吐いた?)糸の処理は、もう見事すぎだし!!菊十郎・音吉さんがものすごいスピードで見事にまきとっていきます。もうちょっと、からめておいて欲しいほど。もう見事すぎで、そっちをみちゃう程。(そういえば、吉右衛門さんの御弟子さんの巻き取りも見事でした。)糸1本残さず、完璧にまきとってました。 この演目、本当に面白い。 
最後に三人吉三。大川端庚申塚の場。これには、一言も二言も言いたい。なんでこんなにいそがせるの?しどいわ。(←江戸っ子) 「月も朧に~」の名台詞の前、割愛しすぎじゃありませんか。もっとゆったりなされるような展開にして欲しい。 ハイ 百両とって、ハイ突き落として、ハイ斬って、ハイ言って てな感じ。しどいわ。 孝太郎さんが気の毒です。全体を25分で収めなくてもいいじゃない。もっとゆっくり時間をとったものを、じっくりみたかった。孝太郎・染五郎・松緑さん達のせいでなく、ましていわんや宗之助さんのせいでない。若者に酷な時間配分をしないで欲しいわ。もったいない。ぶーぶー。それでも、やればできちゃうとこがすごいけど。
何はともあれ、面白かった。さすが芸術祭という顔ぶれ。豪華でした。見ごたえありました。音羽屋さん、また来年~♪

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ウォーター

アートって幅広いのだなぁ。ってしみじみ思う。21_21 DESIGN SIGHTでそう思う。ヘレンケラーの台詞風にそう思う。 『佐藤卓ディレクション Water』をみてきました。 感心しつつ、「私が水から発想するものって何だろう」と思いつつ見ました。(→流しそうめん)
社会や自然に対して、デザインもつ方向性とは?という難解なテーマ。でも、実際にみるとよくわかる。答えがじゃなくて方向性の1つが。こんな捉えかた、面白い!っていうものに溢れてました。作品は、ちょっとずつ参加できるようになっているのがワクワク感を増します。カップ&ソーサー型になったカップの中身を覗き込んだり、水琴窟のような音を聴いたり、水が流れる鹿威(ししおどし)が落ちるのを待ったり。一番楽しかったのは、水滴を落とした紙皿を動かすもの。皿回しのような形態になっていて、水滴が紙皿の上を踊るの。その紙皿「超撥水皿」は水を弾く工夫がすごい。そして 水滴の踊る様は、みていて飽きない。子供たちは、こういうのでも遊ぶべき。ゲームばっかりでなくてね。偶然のもたらず複雑なパターンが面白い。やりすぎると水がこぼれる(こぼしました)単純さだし、電池もいらないし、恐らく目も悪くならない。目は回るかもしれないけどね。疲れた大人も癒すかも。単に楽しい。ワンダフル大賞をあげたい。そんなのないけど。
建物に巨大な傘が立てかけてありました。すこぶる可愛い。 アートって高尚なものじゃなく、ワクワクするのものなのだと教えてくれるこの21_21 DESIGN SIGHTは大好きです。来年もまた、いろいろワクワクさせてもらおうっと。

着物ででかけたので、我々にしては珍しくスイーツをいただきました。(おさるとだと、つい呑んじゃうのでね。) サントリー美術館の不室屋パフェを。きなこ黒蜜がかかったアイスの下にはわらびもちとあずきブラウニー的なものが。ウェハースの替わりに麩せんべいがついてました。鳥獣戯画展は大行列でした。

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2007年11月24日 (土)

第十九回 万之介狂言の会

三連休の初日に、着物で国立能楽堂へ。万之介狂言会を観にいってきました。今年は入間川がかかるというので、はりきって正面席で観劇。ひさしぶりの正面席。正面って見易いわ。(しかも最前列でしたの)
今日の演目は、入間川、菊の花、素囃子 楽、鬮罪人(くじざいにん)。
「入間川」万之介師から出てくる、のどかさを堪能。本当に勝手なことばっかり言う大名なのに、愛らしい。大名と入間の何某の対決は、迫力あるのに、対決の内容の のどかさ(おかしさ)がでていてなんとも面白い。うまいなぁ。あたりまえだけど。
「菊の花」主に無断で、京詣でした太郎冠者。万作師の太郎冠者とくれば、楽しみ度がさらに増します。主に怒られたあと、太郎冠者が京の街の様子を語ってきかせるところが見所。木に止まった小雀がチチと鳴きましたとなんともかわいらしい。そこへカラスがきて とバッーと手を広げ、クッとにらむと 急に大きく見えた。カラスは、コォカァーコォカァーとなきましたという。あー この小雀と カラスは親子だったのですね なんて主に話す。なんともいえないおかしみ。 同じ木の上で、鳴き合わせただけであろうと 主(深田師)に、言われても、そうですかと また淡々と話す。飄々とした語りは、力んでいないようなのに、言葉の面白みがある部分は、グンと前へ出てくる。すごいなぁ。
「鬮罪人」祇園会の山鉾の趣向を相談する。相談の場で、主も立衆もみな、座っている中、おせっかいな太郎冠者がひとりで動き回り、場をひっかきまわす。萬斎師の軽々とした動き、苦々しい顔の主 万之介師に対して、いたずらっこの様な くすっとくる太郎冠者の面白みが楽しかった。

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2007年11月22日 (木)

てれすこ

昨日「やじきた道中 てれすこ」をみてきました。いい大人が、楽しそうに、ゆるーく 楽しそうに演じてました。でもちゃんとうまいの。映画だからって大げさ感が少なくて、面白かった。でも、いつもの勘三郎さんの仲間たちのメンツすぎかな。みーんな好きなのだけどね。柄本さんをはじめ、藤山直美ちゃんも、九里子さんも、六平さんも、笹野のおじさまも。好きなの。でも、舞台でも・・・ キョンキョン的な新鮮味がもうちょっと欲しかったかな。でも、うまいのがなによりだけど。なので、やっぱりこれでいいや。落ち着いてみちゃった。三三さんの、大工の源ちゃんも楽しみました。
落語が、題材なのですね。なるほど。その江戸っぽさが、しっくりくる画面でした。勘三郎さんは現代人とは思えなかった。ちょっとしたことまでうまいなぁ。きょんきょんの大人の粋な可愛さがよかった。
一個、おかしいとこみつけちゃった。それまで、ずっと字が読めない野次さんが、直美ちゃんの店でだけ 下がってた札を読んでました。???
シニアデー?って感じの客席。みんな楽しそうに笑ってました。その中の一組が、おうちの居間で見てるの?って程、気ままに夫婦で お話しながら大笑いしてました。あんまり楽しそうなので、もう そのことまでも おかしかった。 この映画は狙ったおかしさじゃなくて、えっええええ?っておかしさなの。こういうの、あんまりないかも。

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2007年11月19日 (月)

いいおうち

日曜日。友人宅訪問。学友と、学友宅へ。このメンツはなかなか面白い。普通に暮らしていたら逢えなさそうな人々。あー出逢えてよかったなぁと思った一日でした。
かかわっていることとか、体験していることとに しっかり自分自身がある人達なので、かなわないなぁと思って萎縮しちゃうこともあるけどね。(すごいんだもん。) 刺激的だし、たまには、こちらからも刺激をあたえたいなと思う。
友(か)の ブログでみていた、おいしそうなお料理は 想像どおり(以上?!)おいしかった。お皿とか、盛り付けとか、いちいちいいの。凝っているというより、特別な日だけじゃなく日頃から楽しんで器を楽しんでいる感じがしました。なので、きどってないの。そこが大事だと思う。おうちの中も、あちこちに「おっ」というものがあるの。おうちにいたくなるような、おうちでした。
座ったっきり動かず、手伝わず、次々とおいしいものをいただき、大笑いし、たまーにまじめな話もし、本当に楽しかった。今回のメンバーのボケ比率とつっこみ比率が3対3で、ちょうどよかったのでは。黄金比ね。

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吉例顔見世大歌舞伎 夜の部

土曜日。昼の部ソロ観劇。昼はなんだっけなぁ、仁左衛門さんの御所五郎蔵と、最初のに孝太郎さんが出るはず・・・てな感じで、のんきに向いました。そうしたら、昼の部なかなかでした。
梅玉・孝太郎さんの種蒔三番叟。最初のところが厳かでよかった。その後、吉右衛門さんの吃又に、幸四郎さんの素襖落がありました。(前の人の頭で、幸四郎さんだけよくみえなかった。) 吉右衛門さんの浮世又平、熱演でした。日頃、気を抜いているとは思ったこともありませんが、気合の入り方がすごかった。芝雀さんの又平女房おとくが、ものすごくよかった。今月のMVPだねと思いつつ観劇。吉之丞さんの奥方の動作の自然なこと。いつになく感心しちゃった。絵の話を始めたら静かに墨をすり始め、筆の話題がでたら、床の間からそっと筆を用意する。外に出ようとすると蝋燭のあかしを持ち、もどると、そっと吹き消す。動きがめだたないのがすごい。ほれぼれ。 土佐将監は、家六さんですし、修理之助の錦之助さんは、王道の若者だし。しっかりした芝居という感じでした。
種蒔三番叟、傾城反魂香、素襖落と観て、最後は曽我綉侠御所染。両花道でした。両側に勢ぞろいして黙阿弥のここちよい台詞。3階なので姿が見えず。これは・・・と、声をきいて あてっこしてました。 御所五郎蔵、仁左衛門さん登場。今までの記憶がふっとんじゃうほどの格好よさ。3階からみても格好いい。格好いいのは わかってましたが、改めて思う格好よさ。あーもう。憎いお方。

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社会人のための歌舞伎鑑賞教室

金曜日。会社帰りに、摂洲合邦辻をみてきました。あれ?簡単に一番前がとれた!5000円?と思ったら「社会人のための歌舞伎入門」の日でした。摂洲合邦辻は、通しでみたかったので、やむを得ず初日に観劇してきました。一度で満喫だったのになぁと思いつつ、再度 国立劇場に向かいました。
解説は、秀調さん。なんだか緊張してらっしゃいました。意外。以前みた、亀三郎さんの方がリラックスなさっていたような。義太夫狂言の説明で、義経千本桜から大物浦の場の紹介がありました。典侍の局を、紋付袴姿の秀調さんが語り、装束をつけた 坂東大和さん・八大さんによる入江丹蔵と捕り手の場実演。わーい。
解説の後は、合邦 庵室の場、一幕上演のみ。19時開演ですものね。一番前でみる藤十郎はんの玉手は、大迫力でした。出の部分、ひそかに家を訪ねてくる花道の場面から、「うちを見なはれ」オーラが出ていました。身毒丸への想いを語るところも、大迫力。邪魔しおったら蹴殺すぞ (キーッ)のところは もう 、ひえーっでした。 吉弥さんから、母の深い愛情。我當さんから、父の押さえた深い愛情。藤十郎はんの玉手の迫真の演技から、玉手の心がよーくわかった。濃厚。圧倒されました。
帰りの都バスの中で、年輩の紳士連中が、藤十郎さんの若さに感嘆してその話ばかりしていたのがおかしかった。ワシらとちょっとしか違わないのになぁってそればっかり言うのだもの。あの人が一番大変だ とかね。たしかに驚きの若さでした。

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2007年11月15日 (木)

『ねこのばば』

いやぁーん。とうとう読み終わっちゃった。もったいないから読まずに取っておいたのだけどね。
畠中恵の『ねこのばば』(新潮文庫)を大事に読む。病気の切なさが身にしみる。
これをドラマ化か・・・ハードル高いなぁ。読んだ人の思いいれ強そうだもの。この想いをクリアするとなるとね。

一話読んで、その後 ずーっとキャスティングを考えちゃった。 前は三之助で考えたけど・・・・ いっその事、若旦那は 仁左衛門丈でお願いしたい。なら文句はでまい。よしっ。屏風のぞきは秀太郎さん。すねさせたいものね。手代の佐助・仁吉は、團蔵さんと歌六さん。あの目つきでお願いしたい。隣の菓子 司 三春屋の栄吉は、藤十郎はんで。なんだか餡の出来が今いちになりそうだから。妹おまきは、玉三郎さん。これで、いとおしさも完璧。腕のあるおじさん(父)には、東蔵さん。頼もしい。日限の親分は左團児さんにお願いして。右之助・家橘ペアには、獺・野寺坊を。鈴彦姫は芝雀さんで。出てこないけど、皮衣の大妖 おぎんは雀右衛門さん(乙女心という点で。)薬種問屋 長崎屋の大大甘な父親 藤兵衛は、田之助さん。おっかさん おたえは芝翫さん。影のある腹違いの兄 松之助には・・えーい松嶋屋3兄弟登場させちゃえ、我當さんで。 もうね、50歳以下はださないの。どうだっ!

ぜぇぜぇ。随分 横道にそれちゃった。 続編の単行本の文庫化が待ち遠しいわ。

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2007年11月14日 (水)

『梅咲きぬ』

気分下向きのときは、とっておいた一冊を と思い、山本一力の『梅咲きぬ』(文春文庫)を読む。
江戸屋は、代々女主人。秀弥と名乗り継いで行く。4代目秀弥が六歳の夏祭りを思い出し、子供時代からお話が始まる。 六歳で踊りのお師匠のもとへ通い、踊りはもちろん 、女将としての器を学ぶ。その厳しさにはしっかり筋が通っており、厳しくされても崇拝の心がそれをしのぐ。あたしもおっしゃん(師匠)のようになるときっぱりしている。 
どんどん立派な心を持っていく少女 玉枝に、すみませんぐうたらでと頭を下げたくなる思いで、ぐんぐん読む。
秀弥の、気風のいいこと。かしらも、板場も、仲居も、下足番も、一流っていうのはどんなに格好いいことか、自分のなすべきことを誇りをもって一身に行うのことの格好よさを、教えてくれる一冊。切ないしね。川っぷちで、蛇の目傘をつかむ描写のなんて、正に芝居の一場面の様。(助六のようと喩えているけど、もう見事な描写。) いろんな情景が目に浮かぶ、力冊でありました。没頭させてくれてありがとう。


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2007年11月13日 (火)

『くちぶえ番長』

ちょっと調子が悪く、じっとしてました。
重松清の『くちぶえ番長』(新潮文庫)を読む。最初のくだりで、グスグス&ベソベソ。電車じゃ読めないなと思い、家でのーんびり丁寧に読む。
冒頭に、少年の頃に出会った女の子の話をするね。と始まる。その心の強い女の子への、ラブレターのような作品。恋だのなんだのだけでなく、もっと大きな意味のラブレター。いかん、思い出しただけで、またじーんとしてきた。
子供の目線で、毎日を語る。普通の毎日なんかじゃない。小さな身体いっぱいにいろんなことを かかえて、表現するすべをしらない愛すべき不器用な時代の読み物は好き。これは特に好き。

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2007年11月10日 (土)

ナツひとり

ポイントゲッター、仕方なく演舞場へ行くの巻。期待ゼロでいきました。「ナツひとり -届かなかった手紙-」3時間40分もかけて、3部制にして 描いた作品でした。 1部は案外よかった。やむなくなんて気分できてすまんと思った程。宇津井健と沢田雅美の底力をみたよ。ジーンとしちゃった。生瀬くんや福士誠治に支えられ、仲間由紀恵も一本気ながら奮闘してました。話がすごい。意外といい? 休憩をはさんで2部。あれれ?びっくり?!急にものすごーーーく薄っぺらくなった。なんかね、もう体育館のステージをみているようなの。(プロっぽくない感じ) どうしちゃったの?さっきまでよかったのに。仲間由紀恵のせいだけじゃないと思う。演出?舞台がスカスカしてました。 休憩をはさみ、3部 最後なんとか盛りなおす。盛りなおす程じゃないけど。宇津井健と沢田雅美がでてきたとこは、またウルっときた。 
ブラジル移民・戦争とものすごい時代に、翻弄されるナツ。この話はすごい。ドラマでみた方がいいのではと思った。そうしたら、売店で ドラマのDVDを売ってました。ドラマの舞台化か。ドラマの方が、よりよく伝えられるかも。 どうして演舞場で上演なのだろう。こういうしっかりしたものは、普通の 平たくて 席種も同じ劇場でじっくりみせた方がいいのではなかろうか。紀伊国屋とか。上から見るのは何かが・・ 舞台の人の視線の問題かなぁ。(上からの視線を、意識していなかった。)
とてもいい話。でも舞台では、今を取り込もうとしすぎて、間違った方にいってました。苦笑。もったいないな。 文句言っちゃたけど、みてよかった。

周り(3階)は若い子が多かった。いつまでに感想文 書くのだっけ?26日とか言ってました。授業か。 隣の方は、その仲間でないような女性でした。極貧・極寒の北海道の話をみながら、なんか食べてました。なぜ上演中に?なぜスルメ臭のものを?今 食べなきゃダメ?と思った。(&ビールも飲んでました。)ツワモノすぎ。 

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2007年11月 8日 (木)

『永遠の出口』

森絵都の『永遠の出口』(集英社文庫)を読む。 
これまた冒頭がいい。姉のひとことによって簡単にその罠に落ちてしまう。 「永遠にー」 その一言のもたらす焦りぶりは、我がことのようだった。わかるなぁ。 
主人公は、紀子。小学3年の紀子と姉と両親。紀子は、11歳になり、中学生になり、大人になる。 学校・家庭での毎日がこんなに見事にかかれている本は、はじめてかも。 こんな長い期間を、1冊でしっかりと描いている。 友達とのこと、好きな人のこと、家族のこと、そういうものが まじりあったものが その人の毎日なのだなぁ。あたりまえなのだけどね。 周りがみえてなく、自分のことだけで必死な この頃(小・中・高校生)がいとおしい。 (まだそのような状態だったりして。)
この本も、おおあたり。もっと森絵都の作品が読みたい。まだまだ 未読のものが 待ってるかと思うとうれしい。うしし。

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2007年11月 7日 (水)

『清談 佛々堂先生』

服部真澄の『清談 佛々堂先生』(講談社文庫)を読む。 
冒頭のひんやりとした導入部分がいい。主人公の なんともいえない もやもやとかあきらめのような悩みごとが、ある人の 実に見事な手法により、その才能を開花させるべき課題とむきあえるように仕組まれていく。 そのつわものこそが、佛々堂先生なのだ。
何人もの行き詰まった主人公たちがでてくる短編仕立てのこの小説。 どの短編にも、きっと先生が登場してくれるに違いないとわかっていつつも、毎回 主人公と一緒に その現状に 途方にくれたり、やられた ! ( いい意味で ) と 思ったりした。 
あぁ もっと読みたい。
こりゃあ また、いいものと出会っちゃった。日本人に生まれてよかったと思う一冊。気に入った。

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2007年11月 6日 (火)

『楽屋のれん』

演劇界のコーナーを1冊にまとめた本。演劇出版社の『楽屋のれん』(石山俊彦 著)を、会社の近くの古本屋さんで発見し、ウキウキと読む。三津五郎にはじまり新之助で終る1冊。真ん中は、重鎮。澤村宗十郎さん、澤村藤十郎さんの舞台もみてみたかったなぁ。富十郎さんのおおらかさは目に浮かぶようです。雀右衛門さんのおくゆかしさにかわいらしいなぁと思ったり。
富十郎さんのところで、” 勘九郎君なんか「兄さん、坊やと『連獅子』やって下さいよ。僕らつなぎの狂言に出ますから」っていってくれるんですが ” なんていうコメントも紹介されている。うれしそうな顔をなさっていたのだろうなぁ なんて思いつつ、細かいところまで楽しむ。 みんな真面目に歌舞伎という芸能を伝えていくことを考えているのだなぁとしみじみ思う。菊五郎さんの頁もまじめでした。
新之助丈の写真は、がっしりしている時分のものでした。清原時代?!
慾を言えば、もうちょっと御弟子さんの話をして欲しいな。そうすると浅く広く という本になっちゃうのかな。 若い人より、年輩者の一言に気が向く一冊でした。

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2007年11月 4日 (日)

大ぐらいの あほうめが

文化の日に国立劇場に行ってきました。
今月の国立劇場は、11月歌舞伎公演「通し狂言 摂州合邦辻」の通し。1回目の「亀治郎の会」で、合邦庵室の場をみてから この話の全体が気になっていました。懇切丁寧な解説を聞いていたのでね。 少々くどい程丁寧な国立の通し!とくれば、じっくり見ることができると楽しみにしていました。
小難しいだろうなと期待して行きました。たまには、小難しいのもみたい。案外好きだし。ところが、小難しくない!面白い。わかりやすいし、長く感じない。よくかかる庵室の場の方が小難しいと思うほど。1階花外2500円だし、筋書きも1000円しないし(800円)、ロッカーは10円だし、ブラボー国立。
久しぶりに進之助をみました。がんばれ。 参詣人の中に、すてきな人発見。どなたでしょう。我當さんがよかった。閻魔堂建立の勧進を乞う坊主。乗せ上手。ふわっと雰囲気が変わった。やるなぁ。実ハ玉手の父、合邦道心。この場では、押し隠す親心がいい。 先月あんなに艶めかしかった吉弥さんが、合邦妻おとく。老け役。上手い。でもどこか若い。相手が藤十郎さんだし。老け役って難しいのだなぁ。 今月もまた、藤十郎さんの若さにびっくり。翫雀さん、扇雀さんと兄弟にしかみえなかった。まさに玉手。その心がよくわかる。
今回はじめて、住吉社前毒盛をみました。俊徳丸、三津五郎さんへの玉手 藤十郎さんの恋慕が熱烈。本当に若い方じゃないほうがいい。なんともいえない追いかけぶりを見て、話が盛り上がってきた。
派手という感じでなく、地道に面白い。なかなかだなぁと集中して観劇していたら、私の前列に遅れて若者が2人やってきた。前の席(空席)にひじを付いてみたり、もたれたり、席入れ替わったり。しまいには舞台をデジカメで撮ってました。堂々となので悪気がなく常識がないだけなのだろうな。でも、寝ている人も多い中、すごく楽しそうにみてる。コソコソ舞台のこと話したり、いい場面で、のりだしたり。 しかし、いかんせん気になるぜよ。上演中にお弁当食べてるし。のりだすと邪魔だし。 国立の人にデジカメの注意をされたら、5分くらいして上映中に帰っちゃった。弱虫め。 
秀調さんが、桟図書。悪役。でもなんかぬけてる。そこがかわいい。主税之助の愛之助さんは、ちょっとしかでてこないのに、すこぶる格好いいお役。にくめない悪役 秀調さんは、いとも簡単に偽者と見破られてしまう(その壱)。その上、せっかくだまして取り上げてきた大事な綸旨まで、ヒーロー愛之助にだまされて 捨てちゃうの(その弐)。 秀調さんの悪だくみは台無しに。そこで愛之助、 「いっぱいならず にはいまで。 大ぐらいのあほうめが。 はっはっはっ」 気分いい~ 気に入っちゃった。

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アコースティックナイト

文化の日の夕方、ヨコハマ赤レンガ倉庫へ。斎藤誠のライブ MARTIN GUITAR SHOW & CONCERT ”Rebirth Tour”へ。男気たっぷりの胸に沁みるライブを満喫。 
大人の客層、ロケーションのよさ、おまけに近所だし。 
友がとってくれた席が1列目でびっくり。MARTIN GUITAR社長が挨拶にきたり、ゲストに The Byrds のロジャー・マッギンがきたり。まったくうとい私は、こんないい席に、わかっていない人がいてすみませんと思った。でも、演奏は思わず口をあけてみとれちゃうほどよかった。曲もきいたら知ってたし。Mr.Tambourine Man"とか。12弦ギターというものを真近で満喫。一人で弾いてるの?と周りを見回しちゃった。いいものをみせていただきました。共演がうれしくって舞いあがちゃってる斉藤誠もグッド!いわずもがな音楽も。MARTIN の工場は、ギターのいいにおいがするらしい。そういうの楽しそうに話す姿っていいなぁ。

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2007年11月 2日 (金)

ムンク展

西洋美術館へ『ムンク』を見に行く。到着したら、なんだかオレンジだの青だのに照らしだされている建築物。そして、前庭いっぱいの人人人。超人気なのね。助けてムンク~と思ったら・・・ 「光彩時空’07」というスペシャルライトアップ+管弦アンサンブルライブの催しでした。おかげで、ムンク展はゆったり鑑賞できました。金曜は20時までなのが、ありがたい。
先日読み直しをした本に、よそもの(他国からの)が 初めて北欧の白夜を越冬するときに、その夜の長さに、暗さに気が狂いそうになるというくだりがあった。ムンクの描く空の色がわかるというくだり。 そこも楽しみに向いました。
今回の展示は、心の叫びという観点ではなく、彼の目指した <生命のフリーズ>という壮大な装飾プロジェクト、「装飾」という観点でみようというもの。 彼の絵の解説は、愛・死・不安など心理的要素を解明するようなものばかりを目にしたが、彼はテーマをみせるためでなく、作品・絵を見せるために描いた人だったようです。 
本物の彼の絵は、色がきれい。印刷物と違う。暗い色が、きれいな紺だったのか。驚く。ちっとも暗くない。淡々とした絵は、力強く訴えるものがある。
ムンクのパトロン、眼科医のマックス・リンデが自宅の子供部屋の壁画をムンクに依頼する。リンデは、「子供部屋だから、抱擁とか接吻は避けてくれないか」という意向の手紙を出す。しかし彼の作品には必要なモチーフ。結局、描かれた主題が子供部屋にふさわしくないと、受け取りを拒否されてしまう。 まさに画家! その前のセクションにあった、アクセル・ハイベルク邸の装飾として描かれた人魚がきれいだった。暗さがきれい。水の中から半身を出すその瑞々しさを感じた。 部屋や、アトリエの写真あちこちに展示されているのがいい。あの作品が!って面白かった。
月星夜Ⅰという作品がある。ゴッホとムンクがおんなじ空をみて、描いたらどうなるだろう。面白いタッチだった。 一番気に入ったのは、水面に映る月の光。きれいだなぁ。いくつかの作品に描かれてました。シーンとした夜の、怖いほど静かな夜の、水面に映る月の光。印象的だった。
あーノルウェーにいきたい。実際に感じてみたい。観劇道楽ばっかりに うつつをぬかしていないで、貯金して いざ北欧へ!と思った。がんばれ、アタシ。 

 

建物がいろんな色にライトアップされているのに圧倒されて、コルビジェの設計なのねとしみじみ建物を眺めるのを忘れちゃった。

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2007年11月 1日 (木)

『オペラ座の怪人』

歌舞伎座初日ですね。鶴瓶が歌舞伎座で落語なんかやるから もぉー。みなさま、3日くらいしかお稽古できないのではないかしらと余計な心配をしてみた。余計なお世話だなぁ。

邦非映非連 亜流活動。『オペラ座の怪人』をみてきました。
うっすら話は知っていましたが、詳細不明。気になってました。歌舞伎座の怪人(←俳優祭)は見に行きましたけれどもね。
結果。私の知っていたことは、あの音楽だけでした。驚いた。あと、歌ってばっかりなのにも驚いた。感情は歌で!喜びも悲しみももう、何もかも歌で!ミュージカルか!(ミュージカルだけど) タモリになんか言われそうなほど歌ってました。 時代がかっていてよかった。予備知識のないものって、いろいろ驚きがあって楽しい。
途中、かなりサスペンスでした。EだのDだのと書かれた映画館の床ばっかりみてました。怖いんだもん。もう結果だけでいいの。過程は恐ろしいから。
俳優祭の怪人は、生きてない人(というかずーっと生きている人)なんだもの。生身の人間の哀しさとか、芸の持つ魔力とか、そういうものが描かれているとは。 こういう話だったのか。
すっかり外人にうとくなり、出演者は 存じ上げない方ばかり。主人公は、色白で薔薇色の頬の美少女でした。子爵より、怪人の方がステキじゃんとかいろいろ思う。 いつもは、出演者に惹かれて見に行くことが多いのですがね。 面白いものは面白いねぇ。 何か影がありそうとか、何かやらかしそうな人が、その通り影があったり、何かやらかしたり。いいねぇ。 貴族は、常に白いフリフリのシャツを着るのね。馬に乗るのね。サーベルを持っているのね。いちいちその時代感がよかった。
オペラ座の舞台とか、楽屋の様子とか、裏方さんとか、そういう世界 大好き。 いろいろなところがとても面白かった。
しかし、本当に見事な曲。名曲だなぁ。

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