『一の糸』
会社の引越し。歌舞伎座売店で購入した”め組シャツ”をきて乗りきりました。
おさるに薦められて有吉佐和子の『一の糸』(新潮文庫)を読む。
そして驚く。
面白すぎる。
新川の酒屋の大店の一人娘の茜。目を患いったときに父に連れて行かれた明治座で、太棹の三味線の音色に我を忘れるほど魅せられる。その撥をさばいたのは、文楽一の男前、露沢清太郎であった。ジャカジャン。
三浦しをんの解説にあるように、茜はわがままで 気が強く 世間知らずである。でも、私はその変テコさがわりと理解できた。お嬢じゃないけどね。生きてく上のバランスの悪さとかがわかる。しかし、清太郎(後の徳兵衛)、その人でなく、彼の出す一の糸に惚れたなんて、格好よすぎ。
芸事って、恐ろしい。才能を持ってうまれたが故に、そのためだけに生きている男の壮絶さにぐったりしつつも、魅せられた。こんなに自分の仕事に命をかけて、愛し、必死に生きている人って恐ろしい。そだからこそ人をこんなにも惹き付けちゃうのだろう。文楽という世界で生きていても、みなに与えられた才能じゃない。でも、文楽というのは、その世界で生きる人、その周りで暮らす人、観続ける人、全員が揃わないと、なりたたない世界なのだなぁ。なんだか、いろんなことを考えた。
歌舞伎が大好きだからこそ、この本がこんなにも面白いのだと思う。読んでいると、いろいろな場や、音を想像できる。何よりもその空気を感じることができるのがたまらなく楽しかった。
今日は、これから歌舞伎座へ。今年の歌舞伎納め。海老蔵さんの寺子屋と有吉佐和子の降るあめりか~をみてきます。(粟餅もね。) 三味線にドーンという音を聞くのが楽しみでならない。お楽しみはたっぷり♪魅せられて、人生変わっちゃうかも。
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コメント
あれぇ~いいなぁ~「め組シャツ」
5月のとき売店で売ってました?
「め組の喧嘩」ファンとしては、すっごくうらやまひぃ~
投稿: kirigirisu | 2007年12月23日 (日) 00時52分
kirigirisuさま
間に合います。大丈夫です。
根付のところで、常時販売中です。
子供用の長袖がおすすめです。
(大人用はMからで、ちょっと大きかったです。)
粋な気分になりますよ。是非。
おそろいにしやがれ、べらんべぇ。
(↑使い方間違ってますね。)
投稿: マイチィ☆ | 2007年12月23日 (日) 01時02分