第41回 野村狂言座
今年は、まだ三番叟を見る機会がなく残念。(公演はあったのですが、切符確保に敗れた。気合不足。) 1月にはやっぱり、能楽堂で三番叟をみたいものです。
今年の、能楽堂始め。宝生能楽堂にて、お楽しみの「野村狂言座」。今日の演目は、素囃子「神舞」、狂言「歌争」「咲嘩」「越後聟」。
「神舞」
最初の一音で、能楽堂にきたとビリッとくる。音の響きを体で感じる。そうだった!能楽堂のなんともいえない、いい緊張感。これだ。あーいいなぁ。久々の六郎平衛さんもちょっとうれしい。
「歌争」
万作師の肩衣は、万作の花。扇も万作の花でした。深田師の肩衣は水仙かな。花が大きく、色がぱぁーって広がってきれい。さて、狂言。プロってすごい。当たり前だけど。この演目は、余計にそれを感じる。ましていわんや、万作師ですもの。庭をみてるときは、庭を見ているし、野にでれば野を見ている。余計なことが一切ない。相手の失敗をバカにして笑うのだけど、大げさじゃないのに本当に面白そう。笑い出す寸前の間で、おかしさが、わーっと伝わる。ちんばをひきひき、ヨロヨロとした真似がうまい。バカにしてるけど、いやみさがないとこに、驚く。
「咲嘩」
万之助師、絶好調。すごい味わい。しゃべらぬ、その間が一番雄弁に物語る。声に出して笑っちゃった。一言言う前のところで、何をいいだすか想像がついて、たまらなくおかしかった。この味は、万之助師でないとでないなぁ。にくたらしさがたまらない。万之助師の肩衣は、両手をあわせて広げた程もある大きな梅。匂いがしそうなすてきなデザインでした。
「越後聟」
太郎冠者、月崎師の肩衣は雪輪の中に梅(桜かなぁ)。今日の肩衣は、花づくしでした。万作師は、匂当(こうとう)。座頭より位の高い盲人だそうです。万作師のつく杖のコツーンコツーンという音は、静かで、何か違う。いつも見入ってしまう。最後に聟、萬斎師の獅子舞。万作師・万之助師の味わい深さに、やっぱり違うなぁと満喫しているところ、萬斎師がしびれさせて下さいました。獅子舞。みていてドキドキした。(緊張で。)赤頭に、二枚の扇をつけ、赤い布で覆面というこしらえ。すっきりとした身体で、軽やかに、するどく、若々しく舞う。きざはしに足をかける程、前に踏み込む。側転もあり、倒立まで。そして、欄干超えも。その動作(行為)がすごいのではなく、舞に意味があり、その流れがあり、かつ動作がすごい。とにかく、迫力がありました。後見も地謡も裃をつけていました。新春気分を満喫。
今年の狂言座も楽しみ。
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