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2008年2月 6日 (水)

『有栖川の朝』

寒い。最近ものすごく寒い。そういうときには、本で心をあっためようっと。
「久世光彦が撮りたかった、最後の<お伽噺>。」と書かれた帯にひかれて、久世光彦の『有栖川の朝』(文春文庫)を読む。著者最後の傑作とある。最後なのだなぁ。
薄い本なの。もったいなくてゆっくり読む。行間に、温度とか匂いとか色とか、いろんなものを感じる。
漢字がいい。こういう字はちゃんと読める人間だありたいなと思う。字面からくる微妙な感覚を、ちゃんと理解したいと思わせる言葉に溢れている。
主人公はお月さん。年を重ねた婦人。そこに同居する安田と華ちゃん。結婚式をひらくらしい。有栖川とは・・・ひとくせもふたくせもある設定なのに、素朴。ある意味シンプルですらある。あれこれ想像しながら読む。画面が思い浮かぶような進み方。やさしいだけでない、人のもっている影の部分を淡々と、ただ淡々と描く方法が、ぽっと暖かいものを感じる。暖かいのだか決して甘くない。むしろ、残酷。ドラマにしてもらって、それをみてみたかたったなぁ。でもこの本を読むのが先に限る。そんな一冊。
お月さんは田中裕子でお願いします。(お婆さんにもみごとに化けてくれそう。)

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