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2008年5月21日 (水)

『さくら』

あぁ、この本 買っておいてよかった。『きいろいゾウ』を読んですぐに、他の作品が読みたくなったもの。西加奈子の『さくら』(小学館文庫)を読む。これ今年私が読んだ好きな本、第一位に決定。おそらくこのまま突っ走れると思う。(この本は、しばらく前にブームになったらしい。)この文庫の帯はチュートリアルの徳井さんでした。
言葉がいい。「たった今大切な髪留めを無くしてしまった女の子でも、思わず一緒に笑ってしまうような声だった。」本当に気に入った。
五章立になった小説。 一章。正月、実家に帰ることにした。実家には家族が待つ。あと犬も。この犬の名がサクラ。メスなので、犬の気持ちは女の子言葉で表現。まことに犬らしい気持ちの犬。 二章の冒頭でなにもかもがあきらかになる。家族におこった事実を踏まえて、子供のころからのこの家族を振り返りたどっていくストーリー。どうなるかわかっているという前提で、知ることの重さ。どこにいってもヒーローになる兄を持つ主人公。ねじまがらず、自分の居場所を確立していく。大きな存在の母親。静かでしっかりと存在している父親。激しい程自分自身である凛とした妹。 主人公は、自分の家族に対して、太刀打ちできないと圧倒されたり、思いやったり、頼ったり、あこがれたり。翻弄されてもいとおしく思ったり。主人公だけでない。家族みんなが家族に対して じっくりと関わっている。会話をかわすこと、仲良くすることを超えた、大きいもの。見守りあっている。 会話の端々に、大事なことがあふれていて胸がいっぱいになる。
最後の五章を読む前に、一章を読み返したくなり読む。 あぁそういうことか。 組み立て方がすごい。 どうなるかわからなくても、なんだか心にひっかかる言葉達が、胸をザワザワとさせた。
最後の章を読んで、泣けてしかたなかった。切ないとかじゃなく、なんていうのかなぁ、あったかくなって泣いた。
犬のよだれまでがいとおしく感じる、すごい一冊ですのよ。うふふ。

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コメント

ここ読んで、即、本日買ってきました。
実はセカチュー的なもの?と勝手に決め付けてて
敬遠してました。すみません。
第一位と言われちゃあね。読んじゃうよ。
感想はまたのちほど~~~~

投稿: noppy | 2008年5月22日 (木) 20時40分

おー
ユーより先に読むなんてこともあるのね。
光栄です。
おたのしみあれ。
言葉もいいの♪

投稿: マイチィ☆ | 2008年5月22日 (木) 23時41分

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