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2008年6月25日 (水)

英国美術の現在歴史:ターナー賞の歩み展

日曜日、横浜能楽堂にて狂言鑑賞後、一路六本木へ。森美術館にいってきました。名ガイド(ひ)と、学友(す)と巡る 『英国美術の現在歴史:ターナー賞の歩み展』。 毎回思うのですが、ガイドなしでは半分どころか1割もわかるかどうか。専属ガイド(ひ)さま、いつもありがとう。森美では、最近 無料でオーディオガイドを貸しています。さすが、森美!
最初、ウィリアム・ターナーの展覧会かと思いました。(ターナーの作品はなかなか貸し出ししてもらえないそうです。) 「最も権威ある賞が生んだ、最も斬新なアート」という副題のように、ターナープライズについての展示でした。英国人が大事に思っているターナーを賞の名の由来にしたらしい。 
これは、アーティストに送られる賞。作品が受賞するのではなく、アーティストが受賞する賞というところに、とても興味がわきました。審査の対象となるアーティストは、その時点で英国に在住、英国内で活動のある人が対象だったかと。かつ50歳以下の人。(若手を発掘し支援するという意味合いから、年齢制限あり。)
受賞者の作品を展示するという企画。1回目から、2007年度受賞の前回まで。(スポンサーの会社が倒産してしまい該当者なしとなった年もあるそうです。)点数はそんなに多くない。ちょうどいい量。
ウィリアム・ターナーの『岸で砕ける波』が最初にお出迎え。
まずは、80年代。第1回受賞者のマルコム・モーリーの作品から。
次に90年代。ビデオを使って作品を制作するアーティストが受賞。スティーヴ・マックィーンのビデオ作品はすごい!私はそこからなにも感じとれてはいないけど、あの迫力。あの壁がバタンと倒れるさまは、何回みても、ついみてしまいそう。
このセクションには、ダミアン・ハーストの「母と子(分断されて)」という作品もあります。牛を縦半分にして、ホルマリンにつけてあるもの。作品が載ったチラシをみて、とても気になっていた。グロテスクなものを想像していたが、実際のものをみてみると現実味がない。作品。青い溶液に入った牛は、外皮は牛そのものなのですが、内部(肉や内臓)は灰色。じーっとみちゃた。母と子2頭が分断。そして自分自身をも分断されている。「死」をテーマにした作品。ものすごい迫力。なんだかわからないけど、ものすごい。
クリス・オフィリ。彼は必ず、作品に象の糞を用いるそうです。しかもアフリカ象のみ。(インド象の糞ではダメ)。黒人として初の受賞者だそうです。アフリカ色の強い一見POPな作品には、人種差別という大きなテーマが書かれているそうです。聖母マリアを描いた作品にも同様に糞を使用し、NY展で大問題になったらしい。 人種差別から衝撃的に犯罪に走った白人の犯人。被害者は黒人少年。犯人は、証拠不十分で釈放。それをテーマに書かれた。『ノー・ウーマン、ノー・クライ』という作品から叫びを強く感じた。(涙形のネックレスの中に、いろいろな黒人少年がコラージュされている)
次に21世紀セクション。ヘンリーダガーの影響を受けたというグレイソン・ペリーの壺の作品が面白かった。似ている雰囲気がある。でもそこには理性がある。彼の作品をみていても、気分が悪くはならない。(ヘンリーダガーの作品をみていると、自分の何かがゆがみ、変な感じがしてくる。)グレイソン・ペリーは、人に発表するつもりで作品をつくるけれど、ヘンリーダガーは、人にみられることを、全く想定せずに、絵を書いていたのだな。またヘンリーダガーのことを考えた。
マーティン・クリードの作品は何もない部屋で、電気がついたりきえたり。それだけ。 集中してみる絵画作品ではなく、音楽をきいたり 何かをしながら体感できる作品にしたかったそうです。解説に、五秒毎に電気がついたりきえたり、それだけ というようなことが書かれていて面白かった。
昨年2007年の受賞者、マーク・ウォリンジャーの、ベルリン新国立美術館のガラス張りのギャラリーの様子をとっている作品も面白かった。本人がクマの着ぐるみを着て動いている。それだけ。ここの解説でも、特にストーリーはありませんと書かれていて面白い。ベルリンなので、室内の壁にも意味があるのではと、いろいろ思う。にくめない感じがいい。いろいろなことを感じとれそう。
鑑賞しながら、ずっと3人でいろんな話をしました。象の糞の前で、においがする気がすると言い出す友がいたり!(ものすごくにおいをかいだけど、においはしなかった・・・) パンクについて教えてもらったり。保守的で、階級の枠にしばられていて、そこを壊そうというパワーがあって。めちゃくちゃなかんじとは違う壊し方のような感じもあり、面白かった。いろいろ考えた。まだまだ知らないことばかりだ。
森美らしく、小洒落た若者や、外人さんがじっくりとみてました。
最後に、「5分でわかるターナー賞」というビデオがながれていました。グレイソン・ペリーが女装(自分の描くモチーフの女性)して、受賞式にあらわれている映像や、マドンナがプレゼンターになっているものが流れていました。人気があるのだなぁ。でも、英語。なぜ英語。字幕もなし。これじゃ5分みててもわからないよぉ。(こちらは、専属ガイド 友(ひ)が、はなしてくれるのでわかったけど。)
前回、ロンドンにいく前にこれを知っていれば!テートモダンが、もっと楽しかっただろうに。
なかなか衝撃的でした。わかるはずがないぐらいの気持ちで見に行き、びっくりするだけでも 充分満足できると思います。

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