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2008年9月30日 (火)

『少年計数機』

たまたま部屋で手にとった、石田衣良の『少年計数機』(文春文庫)を読み返してみた。
なんだか、20世紀少年で考えたようなことがでてきた。子供のころ、「暴力」や、「強大な力」をかっこいいものと憧れる。それを、少年少女の時代に置いてこないで、そのまま「悪」に憧れ続けた人の描き方がうまいな、衣良は。(エラソウですが。) 金を得るための手段の暴力というより、純粋に力で制したい欲という形の暴力とでも言うのだろうか。 その悪を全否定せず、自分で考えるゆとりというか、その悪にも悪くない人柄を与える。 こんな話がありましたという紹介。その上で、自分で考える空間を用意している。答えをあいまいにして、どうとでも取れるようにするのではない。 読みながら 気がつくと、自論を練っている。そんな空間を持たせるストーリーだなと思った。このシリーズは特にいいな。

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2008年9月28日 (日)

ござる乃座 40th

国立能楽堂へ。『ござる乃座』をみてきました。今回の公演で40回目だそうです。ご自身の個人のこの会、1回目は青山の銕仙会能楽研修所で開催されたそうです。20年の年月を重ね、40回。すごいなぁ、萬斎師。 あまりに輝かしい経歴をみると、あれ?わたしは何をしてきたのだろうか・・・と 考えてしまいます。 クヨクヨせず、楽しく観劇!
本日の演目は、狂言『咲嘩』 素囃子『盤渉楽』 狂言『歌仙』
『咲嘩』
連歌の会の当番にあたる主人(石田師)。都に住む伯父に指導を受けようと思い、太郎冠者(萬斎師)をお迎えの使いにだす。初めての都に胸踊らせ向かう太郎冠者。案の定、伯父がどんな人かどこに住むか知らない。いつものことながらのんきな設定。その上、都に甥を持つ方はいませんか?と大声で呼んで歩く。なんてアバウト。 そこへだましてやろうと都の詐欺師、咲嘩(万之介師)が登場。咲嘩をつれ田舎にもどる。 きまりきったパターン。道具を何ひとつ使わない。3人だけの舞台。 素直に 舞台に集中して観ることができた。狂言というものは、そういうものだと よく知っていたはずなのに、あらためて無駄なものが何もない舞台だなぁと思った。しみじみそう思った。
なんでだろう。 あーそんなこと言ったらまた主におこられるなぁ など素直に鑑賞した。いいなぁ。咲嘩ってこんなにシンプルで面白かったのだなぁ。
『盤渉楽』
素囃子。大鼓 亀井広忠、小鼓 幸正昭、太鼓 金春國和、笛 栗林祐輔
盤渉という音には、水のイメージがあり、水辺で舞が舞われる場面を音楽的に演出する役割を果たすこともあると解説にありました。まだまだわからず。ほぉーっと思う日がくるのが、楽しみ。
『歌仙』
素朴な咲嘩とうってかわって、豪華な歌仙。
和歌の神、玉津島明神に参詣し、我に力を!というような祈りをささげると、奉納した絵馬から歌仙がでてくる。柿本人丸(万作師)、僧正遍昭(萬斎師)、在原業平(深田師)、小野小町(高野師)、猿丸太夫(月崎師)、清原元輔(石田師)。歌仙が歌を詠みあおうということになる。各自が引き当てた題は難題。それぞれが頭をひねりあう。 ここから、どんな風流なことが始まるのかと思えば・・・・。 遍昭と小町って、怪しいんじゃないの?というような 庶民的というか、まるで小学生のような会話となる。 怒る遍昭。 なぜか、遍昭と小町 VS 他の4歌仙の戦いとなる。 しかも、歌でなく武器で。 高尚なのか そうでないのか・・・ こんな設定なのに。決してドタバタにならない。そこが素晴らしい。声に出して笑わというものでない。じんわりとおかしみがひろがってくる。 型の力で、決まり切ったことがしっかりある設定の上、のんきな物語が進む。 面白いなぁ、狂言って。

狂言っていいなぁ。能楽堂っていいなぁ。 おれをみよ!ってものすごいアピールがあるわけでない。 シテに集中させるような効果は、何もつかわない。 いさぎよい、そのスタンスの強さを感じました。

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2008年9月26日 (金)

新秋九月大歌舞伎 再見

~新秋九月大歌舞伎 新橋演舞場 再見~
先週末にて、海老蔵歌舞伎を見納め。その覚書。とにも かくにも 義賢最後に惚れこみました。
松也くんの葵が、格段によくなっていました。情け深い、葵でした。実盛物語だけをみると、葵の立場が掴みにくく今一つ 心にとどまらなかったのですが、今回は違います。ばっちり心にしみました。先御代との娘 待宵姫を大切にする心、義賢を思う心、家を思う心、小万を思う心、情の深さを感じる女性になってました。
門之助さんの小万、本当にいい。竹生島参りで、「女ながらにみこまれて」と白旗を預けられ これを何としても守りぬくという静かな覚悟がみえた。泣けました。花道に小万、舞台中央に義賢がいたときに、小万のほうを見つめた程!?すばらしかった。
それだからこそ、実盛がその覚悟を感じたのであろう。 正義の見方といわんばかりに涼しい顔をして、小万の腕を 白旗もろとも海におちるよう切り捨てる。 白旗を取替えそうとしたのに残念無念とばかりに、いけしゃあしゃあと言う。海老蔵さん、こういうのよく似合うわ。そこがいいの。このあっけらかんとした感じが。 その後の実盛の小万最後の下りを物語る時に、急にじわじわと効いてくる。 葵御前の、九郎助の思いもよく伝わる。実盛物語の、実盛のあの語りの大切さがやっとわかった。
海老蔵義賢は、待宵姫・葵御前・小万の三人を見送ることになる。 その3人を見送る表情が、それぞれ違う。ここが今回一番 胸に響いた。
待宵姫には、優しい言葉ひとつかけずに送り出した という不憫さを秘めた苦悩の表情。  
葵には 相手を祈るような想い。そしてまだ見ぬおなかの子をも祈る想い。そんな強い想いを感じた。
小万には、お前を 信じている。命がけで この白旗を頼むぞという信念。魂が抜けても動けよという力があった。
娘 待宵姫とも、妻 葵御前とも、もう会えないという切ない想いに もらい泣きしました。それぞれを送るときの あの細かな感情。感心した。
最後、ぼろぼろになった義賢が、葵を送り出した後に、 おなかの子に せめて一目あいたかったと嘆く。 その後、しぼりだすよう言う。「ま よ う た 。ま よ う た 。」と。
あの「まようた。」がたまらなかった。かすれるような声でつぶやくと、すっと表情が変わる。「小万見届け物語れ」と力強く言い残し、最後を迎える。
主従、忠節 こそが全ての武士の世の中で、家族のことを思い嘆く。その人間らしさを振り切って、兵として見事散っていく。その気持ちの揺れのようなものを感じ、じーんとしました。やるなぁ、海老蔵さん。
舞台の気迫はもちろん、こちらの観る気合も相当なので、相乗効果のようなものもあるかとは思いますが、今月の演舞場 特にこの昼の部はなかなかのものだったのではないでしょうか。みごと。
夜も、なかなかでした。
加賀見山旧錦絵。上手に座ったせいもあり、完全にチーム岩藤所属気分。意地の悪さは、なかなかのもの。ほくそえむ怖さもすばらしい。
尾上が自害した部屋に入り、暗がりにすっくと立つ。最前から、もう死ぬかまだ死なぬかと待っても・・・という。おまけに、いい慰みになったわといい放つ。 あまりにも ひどい。これは、こういう妙な愛嬌がないとだめね。 そんな岩藤は、最後 仕返しの場、詰めが甘いので、案の定やられちゃう。 あんなにうまくいってたのに。その悪の形勢がひっくりかえりそうな、隙もある、大きいけど どこかまぬけな悪が よく似合ってました。
亀治郎さんのお初は、心底尾上を慕っていました。ちょこまちょこまかと、しかも達者に動きまわる。なのに一つもうるさくなかった。
尾上のよかったこと。卑屈にならず、ひたすら耐えている様がみごと。みじめでなく、おいたわしいというか。岩藤の理不尽な折檻も、はわさまの折檻よりもありがたい、うれしいと言って耐える。そのけなげさ。姫が慕うのもわかる。私、こんなに耐えていますと、アピールすることなく、じっと耐える。その姿は美しかった。けなげにみえるのは型の力なのでしょう。チーム岩藤のくせにだんだん尾上に肩入れしたくなるほど。草履で打たれた後の花道の引っ込みと、休憩後、自室へ戻るときの花道の出のすばらしかったこと。もう周りに誰もいない。周りに気を遣い何も言わなくてもいい。けれども、まだここは人目のあるところと、必死に進む。歩くだけで、全身に悲しさを匂わせる。すばらしい、時蔵さん。
堪能しました。
もちろん、かさねにも、うっとりしましたことよ。

大満足。

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秀山祭 歌舞伎座・夜の部

歌舞伎座夜の部を覚書。
「近江源氏先陣館 盛綱陣屋」。
遅刻してしまったので、しんみりしそびれる。盛綱母 微妙の芝翫さんや、妻早瀬の玉三郎さんが悲しんでいる様をみて、これは見ごたえがあっただろうなぁと思う。昼の逆櫓が辛かったので、遅刻ついでに ここは あえて 忠節を重んじる悲しみにひたるよりも、全体の配置の工夫や、袴の裾の効果とか、視覚的なものに注目しました。耐える男に、耐える女。とにかくじっと耐える。ぼーっとみていても、飽きさせないものがありました。 盛綱一子小三郎の玉太郎くん、堂々としてました。
「干支に因みし戯れ絵の趣親子鷹 鳥羽絵」
富十郎・鷹之資 親子の踊り。清元には延寿太夫さんが。これ終えてから「かさね」のため演舞場へいらっしゃるのかしら?
いい演目でした。気に入っちゃった。富十郎さんは下男の升六。鷹之資くんは台所で暴れるねずみ。ねずみを捕らえ、すりこ木で打とうとしたら、すりこ木に羽が生えて飛んでいく。その隙にねずみが逃げる。そんなアホなという話が、歌舞伎らしく豪華で、かわいくて。とってもとっても楽しい気分になりました。升六パパの肩に手をかけ、顔を覗き込むねずみ鷹之資くん。かわいかった。会場中がにっこりしました。富十郎さんは、動きをとめる所が どこもかしこも決まります。たった15分の踊りなのに、気持ちを楽しくする効果があります。
最後に「天衣紛上野初花 河内山」
なぜか、のれませんでした。3階Bのお気に入りの席で鑑賞したのになぁ。
高木の左團次さんは立派だし、数馬の錦之助は自分の身を呈して必死に諌めるし、松江出雲守の染五郎さんは横暴で勝手な当主っぷり。浪路の芝雀さんはとにかくかわいそう。上州屋のおまきの吉之丞さんはさすがの貫禄。河内山の吉右衛門さんは細かいところまで行き届いた、なかなかの御数奇屋坊主っぷり。一つづつは悪くないのになぁ。組み合わせかなぁ。まともに組み合わせすぎていて、突拍子もない感じがでにくいのかなぁ。わからない。不思議。
染五郎さんは勝手なこと言いそうだし、錦之助さんはとにかく気の毒。由次郎の北村大膳は、必死にがんばってました。が いかんせんストレートな悪人すぎ(大声だし)。 なんだかね、こういう出来事があってもおかしくない感じがしました。目の前の、横暴な当主に巻き込まれた人達&空気を読めない悪党に ぐったりしたのかも。 なんていうのかなぁ、こんな人いないよ!ってほどオーバーな役者さんが混じると、歌舞伎味がでるのではないでしょうか。そして、いかにも芝居という独特な感じになるのではないであろうか。 例えば、ここに團さまのような あーあーもうバレちゃうよと思うような のんきで かつ でっかい河内山がいるとか。もしくは、梅玉さんのように いつも上品なのに、女子好き好きな光線を出しはじめると止まらないようなお気楽当主がいるとか。(誉めてます!) ひとりのんきなお人がまじると、いいのではないでしょうか。違うかなぁ。 おまけに?と思う大向こうもかかりました。ここで決まりというところで大向こうがかかり、終わったところで、もう一回同じのをかける人がいたの。しかも、大当たりとかも言ってました。あの人、余分です。
なにか、いろいろなものが微妙にずれていて、どんどん悪のループに入っていってしまいました。自分でも不思議なほど、残念な感じ。これだけのメンツなのになぜ、という もったいない気分になりました。
 
写真売り場に、「芝雀の浪路の写真どれ?」と いきまくおじさま(お客)がいました。売り場の人がはっきり答えないと、「じゃあわかる人連れてきて」とえばってました。 えええ?! どっちかわからないなら、どっちでもいいじゃん と思ったわ。どっちも芝雀さんですしね。(昼の部のお筆は女中さん。夜の部の浪路は腰元さん。似たようなもんじゃんと。) 私を含め写真をみていた人は、答を知っていたようでした。けれども誰も、えばりん坊さんには教えてあげませんでした。(最後に写真売り場の人が教えていました。) 写真を買うぐらいのことでも、エバリようがあるのですね。 前にも 筋書きを買おうとしたら、「いかほど?」といいつつ横入りしてきたご婦人に驚いたこともありました。並んでいたのに。私のコト見えないの?と思いましたことよ。あと「いかほど」って本当に言う人も居るのねと。 立派にみえてびっくりする大人も いっぱい居るところです、歌舞伎座。 ん?渋い感じの〆になっちゃった・・・ (人に話すと、変な人みちゃったわと 面白思い出に変わるのですが。)
それでも、毎月通うわ。LOVE♪

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2008年9月21日 (日)

『20世紀少年』『21世紀少年』

おさるにかしていただいた計24冊の漫画を、ちょっとずつ読みすすめました。浦沢直樹の『20世紀少年』22冊+『21世紀少年』上下(小学館)。どえりゃーことになってました。こわかったよー。映画をみて知っているところは何とかなりましたが、その後のこわいこと。挟んであったメモには、発狂しそうでした。その晩はもうトイレに行けなかったほど。読み上げましたが、今一つはっきりわかった自信がもてず、ちょっと読み返しました。
映画のときにも思ったけど、自分で書いたことが本当になる怖さがうまい。自分が書いたことすら忘れている子供のころのこと。子供のころお思い付きに一生責任なんてもてない。しかも世の中が滅びていくことになるなんて。ひぇー。逃げ出したくなる。
その人の言ったことや、気持ちというものは、人や場合によってとても印象に残るものだ。ずっと忘れられないこともある。それはいい場合も悪い場合にも。
おかしな新興宗教にしか見えないと思っていても、ある人にとってはそれは100%の信頼に値するありがたい教えになる。 なんで、あんなふざけたことを信じられるのだろう?と頭をひねってしまうような教えも、命をかけてまで守る指名をおびてみえる。なんだろうなぁ、その巨大な力って。
子供のころ、悪いこととか力というものが魅力的にみえる。悪の力でなんでもできるという空想をする。それは誰もが通る道だと思う。 ドカーンって爆発し、
かっこいいーで終わる。 小学校も終わりにかかるころになると、もっといろんなことに目が向く。そして、いつしか、忘れていく。そうやって成長していく。  けれども、それができない人がいる。誰でも心に影を差すものを背負っているのに、そういう思いをしているのは自分だけだと思うのであろうか。 小学校のころから支配されてうた自分の気持ちに自分が押しつぶされる。 そういう心の痛みに耐えられない人が恐ろしい勢いで増えているような気がする。 なんか、まじめに いろいろと考えた。
映画第2弾で、アラタちん(古田新太)をみるのが楽しみ。でも、第2弾のときにはあらかた忘れてそう。お脳がお小さいから。なんども楽しめていいけどね。
すごい漫画でした。

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パコと魔法の絵本

TOHOのお得な共通鑑賞券で、パコと魔法の絵本をみてきました。先に指定券をとっておいてくれたおさるは、映画館の人に「他の作品もご覧になれますがよろしいですか?」と言われたそうです。ええ、パコで。ぜひパコで。パコをお願い。かわいそうなパコ・・・
最初はテンションが高く、あーもうついていけないわ。ここで脱落ね。さよ~な~ら~。という感じでした。ところが役所広司がでてきたあたりからもう。あのがんこじじいが、わたしを泣かせるのです。「お前が 私を知っているってだけで腹が立つ。」とブリブリ怒ってました。また、パコのかわいいこと。おじさんのこと知ってるかといわれ、「知らなーい」という気の使わない言い方。こびなく、無邪気でかわいい。見ためも本当にかわいい。 途中からずっと泣きっぱなし。ベタなのだけどね。 時々笑ったりね。ヤクザがじゅんぺいを探すくだりでは、震えるほど笑いました。 国村準のもの悲しいオカマが、しんみりよかった。男はコーヒー、女はミルク、ワタシはカフェオレ・・・って歌ってました。 デブと私とカフェオーレを思い出しました。バツグン?(X-GUN ?) 大泣きしたのに、そんな〆。
世のガンコジジイ必見です。

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2008年9月17日 (水)

カウパレート ~アートな牛が丸の内ジャック!~

COW PARADE TOKYO MARUNOUCHI 2008 カウパレート
演舞場夜の部鑑賞前に、丸の内から有楽町まで練り歩く。カウパレードを鑑賞するため。2年ぶり3回目の企画だそうです。アーティストが牛に着色しタイトルをつける。それだけ。なので、センスの差が際立ちます。
前回、有楽町フォーラムにて 偶然みかけた1頭の牛のオブジェ。なにやら、すごーくひかれました。マップをもらい、次々と展示牛を見て歩き、丸ビルまで行きました。とても楽しかった。 今回もと期待し、牛散策に出向きました。 前回あまりにも楽しかったで、今回はちょっとトーンダウンでした。継続は力なりといいますが、印象のよかったものの次回作というのは、どうしてもハードルが高くなるものですね。それでも、街角にカウを発見すると、ちょっと小走りに近寄ったりして。いちいち作品にコメントをして歩きました。同行のおさるが、「どうして男子は、彼女と牛というショットを撮りたがるのか」について不思議がっていました。俺の牛と俺の女とでも言うのかなど想像するのだもの。おかしかった。059
浅葉さんの肉説明の牛や月光仮面牛が気に入りました。あと、額に海老の牛も。 全体的にスペイシーなのがおおかった。流行? ハレンチな牛は、農林中央金庫水という立派な看板の出ているおかたい建物の影に立っていました。 (写真は、牛の柄にまた牛という凝ったもの。)

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2008年9月16日 (火)

鎌をくわえたニクイお方~演舞場夜の部~

「好きなタイプは?」
「鎌をくわえた方♪」
聞かれたら、そう答えようと思います。面白かったです、夜の部。

まずは、加賀見山旧錦絵。
勧善懲悪なんて知ったことか、やっちゃえー、さしちゃえ、たたいちゃえーと思った。気分は、完全にチーム海老です。弾正、團蔵と局岩藤、海老蔵兄弟が治める、悪の世でいいじゃん。そんな気分になりました。
玉さまの尾上、菊之助さんのお初という顔合わせでみたときには、虐げられる正義を応援してみていたのに。 今月は別。最後に、岩藤の形勢が悪くなったときには 思わず加勢しようかと思いました。大詰めでは、隣の席のおさるに、加勢するように言い含め 一緒にお揃いのメガネケースをにぎりしめて鑑賞。(メガネケースを武器として戦おうかと思って。亀ちゃん、達者なんだもの。)
ちょっと面白い加賀美山でした。面白くていいのかしらんと ちらっと思いましたが。 局 岩藤は難しいお役と改めて思います。いかんせん岩藤には若すぎますね。もっと貫禄のある人の方が、絶対にいいと思う。でも贔屓心からなのか、えらく楽しかった。愛嬌があり、かつ相当意地の悪そうな雰囲気はちゃんと出ていました。もっとくずれちゃうかなと心配していましたが(余計なお世話!)、胴に入ったイジワルぶり。いちいちいじわる。迫力満点。そりゃ、尾上も悔しくて(それだけじゃないけど)自害という道を選ぶかもと思わせるものがありました。楽しかった。
時蔵さん、耐えて、忍んで、我慢して。そういう形容詞を全部使いたくなるほど、けなげでした。かわいそう。時蔵さんだけは、気持ちというのものだけを前面にだすのでなく、きちんと型で示していました。時蔵さんのおかげで、舞台がしまったと思う。すごい。
お初というお役は、年期の入った 尾上、岩藤を相手に 若いお初が奮闘という方が、より若々しさが出てよかったかもれません。亀治郎さんは達者でした。悪者赦すまじ。間違いなく、どうにかしてくれそうな お初でした。人の10倍くらい濃い思いを持っているお初でした。
最初に、腰元衆が、桃の節句といって桃の花をもって登場したので、その時節だと思うのですが。岩藤は藤の打ち掛けでした。名前からかしら。尾上の打ち掛けは、銀杏や紅葉でした。そういうものだったかしら。季節感はと、ちょっと気になりました。いろいろ調べてみたいことがいっぱいです。
とにかく面白かった。
何かあったら、草履で打ってやればいいわと、日常生活で使ってみたくなるほど。でも、それをすると最後に仕返しに刺されちゃうのだけれどもね・・・ 草履で打つという特異性。女性社会であっても、実際の痛さよりプライドが痛いという気持ち。そのわかりやすいこと。よくできた話だなぁ。
チーム岩藤の腰元さんたちが 怖 気持ち悪い。けれども、かわいらしかった。イジワルチームにいながらも、新十郎腰元はにくたらしいことをしなさそう。逆にあの腰元連中にいじめられていたりして。松之助さんのいじめっぷりはさすがです。
ちょっぴり(たっぷり)強面の岩藤ですが、あの顔も好き。ああいう顔になりたいわと本気で思う?!きれいだもの。
なんだろうなぁ。最高の出来とか、他の人が文句をいうのを許さないという気はもちろんない。今のこの時点での解釈に若さを感じる。それにあまりある他にはないものがある。華とかそういう一言でおさまらないもの。とにかく感情が分かりすぎるほど伝わってくる あの感じは不思議で今一番のみどころだと思う。

最後に色彩間苅豆。かさねは、ロンドンのときと同じキャスト。懐かしい。清元も、つけうちさんも同じかも。 与右衛門の心こもっていない親切ぶりが、まだ一段と 悪くていい男にみせていました。岩藤の後という効果なのか、さらっとしたお顔に思えました。しみじみ、きれいな顔だなぁと思う。
一生懸命、乙女っぽく訴えかけるかさね。あんまり話をきいていない与右衛門。この対比がおもしろかった。重苦しい話なのに、どこかあっさりした雰囲気が、ろくなことが起こらない感じがして面白かった。
かさねに手をかけて殺めてしまってからの、引き戻しの迫力のあること。どんどんよくなりますね、こういう迫力のあるもの。みとれました。 進化を強く感じました。与右衛門が、気のせいだ 今度こそ ここから立ち退こうと 何度も帰ろうとする様は、以前は面白かったのですが、今回はその面影なし。すばらしい。 亀次郎さんの引き戻し、こわかったぁ~。あまり動かずにいるのに恐ろしい。 一人で動き回る海老蔵与右衛門。言葉が一つもない世界のすごいこと。親の因果が子に報いというのに比べると、自分の犯した悪事のたたりが、自分に降りかかるなら、まぁ仕方がないですね。 与右衛門は もう 生涯この淵から、帰ることはできないのだろうなぁと思わせるものがありました。こわかったぁ~。
恐ろしい話なのですが、悪の姿ってかっこいい。 うっとり。 本当に何かに引き戻されてるかのような あの壮絶な場面。かっこいいなあ。

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2008年9月13日 (土)

秀山祭 歌舞伎座・昼の部

歌舞伎座へ。昼の部を鑑賞。3階Bの中で、あそこは観やすそうだなぁと あこがれていた席で鑑賞。すこぶる気に入りました。
昼の部最初は、「竜馬がゆく 風雲篇」。
竜馬、昨年もみたわと思いましたが、今回のはその続編だそうです。といわれてもよく覚えていません。自分のブログにて自分を確認。ほぉ。歌六さん歌昇さんの見分けがつくようになった月らしい。そうそう、染さんの喉がかれていました。今年は、大丈夫でした。
丁寧に政策を語ってくれてわかりやすいのですが、まっとうなのだもの。新しい時代のものより、古い時代の方が好きだなぁ。私には、新しいすぎ。 おりょうの亀治郎さん、とにかく楽しそうでした。イキイキしてました。皆も喜んでました。面白かったし。面白いといえば、西郷吉之助の錦之助さん。みんなが思い描く西郷に仕立ててあって面白かった。中岡の松緑さん、若々しくあつい男でした。亀治郎さんが、さらったなぁ。
あっ、今年の竜馬も、暗かった。幕あけのところ、2階から飛び降りているのに よくみえない。何人いたかもよくわからない。もっと光を。
次に「ひらかな盛衰記 逆櫓」
やったぁ、歌六さんだわ。船頭の権四郎と娘およし。歌六、東蔵という親子。うれしい。
木曽義仲の子? 駒若丸?あれ?実盛物語で、葵御前が無事産んだ子は駒王丸、のちの木曽義仲。この子は、その義仲の子なのね。とにかく演舞場の実盛に繋がる話のようです。どんどん、興味がわく。ありがとう海老蔵さん♪ はじめて、こんなに集中して ひらかな盛衰記をみました。あと、歌六さん、東蔵さん、芝雀さんの力。あの取り違えた子を返してくれと頼むところの場面は、すばらしかった。ものすごく むごい話なのだけども。本物の槌松が亡くなっているから。そのことを知らずに、槌松に会えると喜び表まで探しにいく歌六さん。弁慶みたいな人形ももって、おーいと探しにいく。みている方は事実がわかっているから、その明るさがつらい。はしゃいで持った人形の首が落ちる。拾いながら、ふと不安な顔をするところがすばらしかった。ホロリとしました。仇を討ってやると息巻くさま。泣かされました。
船頭 松右衛門 吉右衛門さんは大きかった。見どころの「権四郎、頭が高い」のところはさすがでした。でも、歌六さん贔屓でみていたので、忠節がつらかった。
歌昇、錦之助、染五郎登場してからの方が、場面も変わるし、立ち回りも多く派手なのですが、今日はとにかく 歌六さん、東蔵さん、芝雀さんの取り違えられた子の行方がわかる下りが心にしみました。
最後に一番のお楽しみ。「日本振袖始」
玉三郎さんは、やっぱり別格。実感。美しい。怖くても神々しい。岩長姫 実ハ 八岐の大蛇。毒酒を飲んで酩酊。そのまま、生贄に差し出された稲田姫(福助さん)を喰ってしまえと思いました。この世をおさめていただいて結構ですと思いました。ちょっと暴力的。
美しい岩長姫が登場。七つの酒瓶をみて、目を輝かしてがぶがぶと飲む。稲田姫をとりこみ岩戸に消える。 ここで大薩摩。巳吉せんせい(←勝手に指導をうける際には、師匠はこの方しかいらっしゃらないと決めお慕いしている。妄想上の師匠。)登場。かっこいい。しびれました。 大薩摩のあと、素盞鳴尊登場。八岐の大蛇危うし。たとえ討たれてしまっても八岐の大蛇の存在感の大きいこと。歌舞伎座にきたなぁという、豪華な気分になることができる演目でした。

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2008年9月12日 (金)

20世紀少年

じゃーんじゃじゃじゃ じゃんじゃじゃんじゃん。20世紀少年を見てきました。
おさるに、漫画をどーんとまとめて貸していただく。読む前にみるのも、ありかもということなので 先に映画を見てきました。怖かった。えらいことになりました。っていったら一言で終わっちゃうなぁ。
自分
で書いたことが本当になる怖さ、しかも、自分が書いたことすら忘れている子供のころこと。その上、世の中が滅びていくことにんなるなんて。恐ろしい。ものすごい話だ。すごいぞ、この漫画。 ぱっとしない普通の人の身におこるところ、新興宗教という形で大勢の人が同じ方向の考えをすること、ジワジワと責めくるものがありました。 役者もうまいので、映画のチャチさを笑うところもないし(文句?)。あれこれ考えちゃってぐったりする。もしかして、あれはXXでは?と想像し、ことごとく外れる。 うわー。ちょっと電気つけてよー 暗いと怖いよー と思いつつ真剣にみる。
映画界の宝 香川照之さん。へなちょこぶりは、さすがでした。宇梶がでてくると、いちいち ちょっとうれしくなる。中村嘉津雄さん、飄々としてよかったな。唐沢くんのケンジぶり、少しづつ使命感をおびていくとこがいいわ。 小学生時代の面々もみごと。
第1弾の今回、ちょい役でお笑いが2組でてました。タカ&トシとオリエンタルラジオ。 第2段にも、お笑いを配置するのかしら。それならジョイマンをお願いしたい。そんな〆。

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2008年9月11日 (木)

『南九州温泉めぐりといろいろ体験』

もうやめていいやと思ったのに、つい買っちゃった。銀色夏生の『南九州温泉めぐりといろいろ体験』(幻冬舎文庫)を読む。温泉にいったことを書いているだけ。日常のつぶやきというか、日々のぼやきを読むのは好きなのですが(ただしプロの書いたもの)、これは違うなぁ。プロ視点を感じなかった。もうおしまいにしよう。なつおって名前だから、つい買っちゃた。(夏雄じゃないけど) 勝手に期待して、思ったのと違うと勝手にがっかりしただけですが。悪くないような気もするけど、よくもない。
参照写真のナンバリングもときどき入れ替わっている。サイズの問題なのだろうけど、それをキチンと追って読みたいという気がわかなかった。むしろ面倒くさい。残念なり。

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2008年9月 9日 (火)

奥州安達ヶ原

忘れないうちに覚書。
先日、文楽をみてきました。奥州安達ヶ原通し。ものすごかったです。面白さとグロテスクさにぐったりして帰ってきました。父と2人で「悪人が栄えて、芝居終了でもいいのにね」と言いつつ帰宅。
やっぱり勘十郎さん、かっこいい。しびれるぅ。 あと、梅雀さんぽい雰囲気の吉田和夫さんにみとれる。うまいなぁ。
ひさしぶりにチンプンカンプンでした。歌舞伎の奥州安達ヶ原と、安達ヶ原と、能の黒塚(安達ヶ原)をみた知識で何とかなるかと思ったら、なんともならない。どうにもわからない。 最前列の席から、凝視しているのに、話がよくわからない。 わかりかけた!と思ってもすぐにわからなくなる。 源氏の白旗?その矢をなぜ手水鉢に?その血はいつ付いたの?実ハって言われても、あなたはいったい誰だったの?そして今は誰????久しぶりに頭の中が?だらけ。 歌舞伎を夢中になってみはじめたときの感覚を思い出しました。 国立劇場で本朝廿四孝の通しをみたときなんて、筋書を読んでもわからなかったもの。 でも、わからなくても何だか面白いっていう感覚は、ちゃんと残っていました。今回、筋がわからないのに やっぱり面白かった。なんじゃそりゃ?!?!って思いながら満喫しました。最初の朱雀堤の段は、特にわからなかった。結局誰が誰やら。
次に環の宮明御殿の段。最初のところはやっぱり?。袖萩が、娘お君を連れ、枝折戸(しをりど)をはさんで 両親である平傔仗直方と浜夕のもとを訪ねる。この幕は、歌舞伎でみたことがあります。確か猿之助さんだったような。名子役永田晃子ちゃんに泣かされたことまで思い出す。ここはよくわかりました。この枝折戸ひとつ挟み、声をかけられないお互い。お涙頂戴はわかっているのに、やっぱりホロリとする。ホロリとしていたら、あまりに太夫さんが絶叫して悲しむので、なんだか、おかしくなってきちゃった。叫びすぎです。
次に、道行。今回襲名された清十郎さんと、和夫さん。うまいなぁ。清十郎さんのうまさは、まだよくわからないけど品があります。すごいのだと思う。 悲劇の前に、明るく 生駒之助と恋絹の道行の踊り。この明るさが悲劇をいっそう悲しいものにさせる趣向だそうです。これも、文楽が確立していたのですね。考えればそうだけど。すごいな、文楽。
おまちかね一ツ家。勘十郎さんの老女。これがすごかった。安達ヶ原の中、ポツリとたつ一軒の家。ここは安達ヶ原、追剥に気をつけお行きなさいなと旅人を脅かす。老女の話に怯え、今夜は宿を貸してくれと懇願した旅人の金品をまんまと巻き上げる。この老女こそが追剥であったのだ。ひぇー。 この雰囲気の怖いこと。財布から手を離さなかったら、腕ごと抜いちゃう。すごい。でも、この残酷さはわくわくする。もっと剥いじゃえ取っちゃえと思いながらみる。この老女の怖さのうまいこと。 そこへ先ほどの道行の生駒之助と恋絹の2人が。飛んで火に入る夏の虫。身重の女を残し、老女は夫と薬を買いにいく。安達ヶ原の真ん中に、夫をわざと置き去りにする。獣にでも食われるだろうと言う。一息にやってしまわないジワジワ感が残酷。(後々考えると、ツメが甘い。) 一人家にもどる老女。身重の女に、御無心があると迫る。金か、着物か。いえ、腹の子をいただきたい。ギョエー。すさまじい。このあとの乱闘のすごいこと。老女岩手 対 恋絹 といいますか、勘十郎 対 和夫。魅せます。魅せられました。スペクタクル。おなかを裂いて出すだけだ、痛くないよう一思いに殺してやろう、なんて台詞もすごい。何よりすごいのが腹の子(真っ赤な塊)を取り出してしぼっていました。そこまでリアルにしなくても。ギョエー。助けて。  しかし、ここから尻すぼみ。恋絹は実は老女岩手の実の娘だったし、おなかの子が欲しい訳は お主の御子息 環の宮の薬にしたいからだったし、せっかく手にいれた子の血はダメになっちゃうし、その血でみんなが探していた宝剣の場所も発覚するし。 なんだそれ。 もう 老女は、鬼になって、そのおなかの子だってむしゃむしゃ食べて欲しかった(すごいコトを言っている気がします)。  律儀に懺悔したりしないで、悪の国 奥州を築いて 君臨して欲しかった。 そんな罰あたりなことを思いました。
筋書きを読んで、話はしっかりわかりました。そういうことだったのかと、やっと驚く。 でもやっぱり、八幡太郎が報われなくていいのにと思う あこぎなわたくしであります。 だって、手脚が長すぎるのだもの八幡太郎。 勘十郎さんの遣う人形にとって 物ごとがうまくいけばそれでいいわ。そんな感想でいいのかしら。
文楽恐るべし。あんまり近づかないようにしなきゃ。なぜならば すごーく面白いから。道楽はもう手いっぱい也。

追伸;12月の国立劇場での文楽公演は源平布引滝みたいです。 義賢最後、竹生島、、九郎助の館(←実盛物語)ですって。演舞場昼の部みたいではありませんこと。いやーん。

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デトロイト・メタル・シティ

おさるに貸していただいた漫画にひどく驚きました。そして映画館へ足を運ぶ。キライじゃないの。むしろ好きかも。そんな自分に驚く。
ボクのやりたかった音楽はこんなんじゃない!なんでこんなことに。でもそんなことになっても仕方ないかもって感じが、映画にはあんまりでていなかった。漫画がすごすぎて、無理だろうなぁ。女社長は、松雪ちゃん。でも、清水ミチコにみえた。 いろいろおかしかった。松山ケンイチはすごい。一瞬ホロリとしたほど。クネクネしてスウェディッシュポップを愛する暮らしぶりは、変テコでキュート。でも、貴様ら~とか言っているのがカッコイイと思う自分にびっくり。最後のライブ会場で、ギュイーーンってデスメタルの音がなったときに、血がさわいだ気がしました。気のせいよね。

みどころ;デスメタルと歌舞伎座の共演。クラウザーさんが街を駆けぬけるところで、團菊祭の歌舞伎座前を駆けぬけてました。ココ、みどころ。

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2008年9月 8日 (月)

まってました ~新橋演舞場 昼の部「海老蔵祭」~

海老蔵さんをみてきました。余は満足じゃ。なかなか見ごたえのある昼の部でした。
あいかわらず、ちょっと心情をこめすぎという気もします。が、おかげでストーリーがとてもわかりやすい。くやしいとか、いとおしいとか、そういう気持ちが 表情からあふれ出ていました。 表情だけじゃない方がいい気もしますが、とてつもなくジーンとする表情というのは見ごたえがありました。 娘 待宵姫を見送る時の表情。妻 葵御前を見送る時の表情のすばらしかったこと。娘を叱咤し、出立させる。思いやりのある言葉一つかけず、永久の別れをしたと、娘の消えた方向をみおくるときの顔 はすばらしかった。切ない思い・言葉にしない思いがすばらしかった。もらい泣きしました。
義賢最後ってこれだったのですね。あわわわわ忘れてた。この演目は、大立ち回りではありませんか。そうだった。全体に緊張感あふれ、全員で舞台を作っている空気を感じ感動しました。
義賢最後に、実盛物語とは。源平布引滝とは、見所満点ではありませんか。昼の部は、海老蔵祭りでした。
竹生島がはいることによって、実盛物語がよくわかりました。なるほど。竹生島のおかげで、切り離されたかいな(腕)を、胴体に繋げたら、奇跡がおこるかもと、自然に?!思えました。言葉のひとつひとつが効いてきます。
小万がよかった。7月の義経で、門之助さんのよさをやっと気づいたのですが、この小万は、それを軽く超えるほどよかった。一途で、主のためなら命もおしくないと思う気持ちが本気でした。けなげで心打たれました。
実盛の方は、お手のものといった余裕さえ感じる安定感。きりっとしてひたすら格好よかったです。九郎助は、新蔵さん、こんなにうまかったかしら。いい渋みがあってあったかくて。太郎吉も達者でかわいかった。松也くんの葵御前、健闘していました。
小万はずっと門之助さんといったように、昼の部の間、同じ役者さんが演じているので、見ている方も感情を移入しやすい。ベテランさんが沢山でていらっしゃると途中で変わっちゃうことが多いもの。若いかたばかりだし、どうかなとちょっと懸念しつつ見に来たのですが、じっくり楽しめました。
とにもかくにも、義賢最後が気に入りました。面白かったなぁ。最後の立ち回りで、命が果て、それでも気合で、気持ちで突き動かされているようでした。目力がすごい。目くばせで、相手に伝えるとか、かかってくる人をにらむと、相手がついうつむいてしまうとか、そういうことが信じられる目力でした。目だけじゃなく、全身力強かったけど。
葵御前を見送る目、待宵姫を見送る、あの切ないまなざしが忘れられません。

追記;
男女蔵さんがんばってました。花道七三で止まってから、花道へ出る足取りがよかったです。
猿弥さんの塩見忠太はさすが。軽みがあってうまいなぁ。本当に声がいいですね。
九郎助の甥 仁惣太の咲十郎さん、背も高いし見栄えがいいかも。義賢最後のときも、戸板倒しの気迫もすばらしかった。
新十郎さん、どんどんいい役になりますね。うまいし。それはうれしいのですが、あの義賢最後の大立ち回りに加わっていないことが 何だか寂しい。贔屓としては複雑です。

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2008年9月 6日 (土)

少年よ大志をいだけⅤ

西洋美術史勉強会開催ということで、またホクホクと参加。いつもながら緊張してむかう。そして、講義中は委縮。自信喪失しつつも、面白いなぁと感心する。今日、面白いと思ったことを 忘れないようにしたい。で知識として いつでもとりだせるようにしたいなぁ。
「北方ルネサンス」、「死と生」、「西洋日美術に見る影」、「ネオプラトニズム」に引き続き、今回のテーマは「自画像・肖像画」。これをしっていたら、あのヨーロッパでみた美術館の作品が何倍も面白くなるのになぁ。これからの人生でまたみるかも。楽しみに生きていこう。宗教画って面白い。自画像や、想像がをみる視点もちょっとつかみました。
今回も、素敵な先生に、出席メンバーに刺激を受けました。いつも、ここにくると思う。自分ではじめなきゃ何もはじまらない。はじめれば、なんでもできる。苦しんでも、学ぶための苦しみなら、悪くない。またもや前むきのマイチィ☆であります。

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2008年9月 5日 (金)

『流れ星が消えないうちに』

橋本紡の『流れ星が消えないうちに』(新潮文庫)を読む。恋愛小説の新星なんてかかれているし、わざと泣かそうしている感じがして、勝手に敬遠してました。エコバックをいただくために買ってみた。あーごめんなさい。疑ってごめんなさい。いい本でした。
巻頭から、恋人を亡くしたということがわかる設定。喪失感というものからどうしても逃れられない奈緒子。亡くなってしまった加地くん。加地くんという友の大きさに圧倒されている巧。
永遠に別れなくてはならなくなった。どんな言葉を並べてもウソくさいような気がする。言葉が力をもつこともある。奈緒子は、加地くんの言葉に、縛られたり救われたりする。読みながら、一緒になって加地くんと小さく言いながら読んだ。
歯車がズレてきてしまった家族。家族だからこそ触れない点や、触れなきゃいけないこと、逃げちゃいけないこと、近くにいること・話すことでもたらす力、誰もが納得の正解なんてないこと。いろんな距離感について、うまいこと描いている本でした。そして、家族がとても魅力的に描かれている本でした。

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2008年9月 3日 (水)

『対話篇』

今日でプチ夏休み終了。さよーなーらー。お休み大好き。

おさるがすばらしいと驚いていたので、とっておいた金城一紀の『対話篇』(新潮文庫)を読んでみる。小説だと言ってたのは覚えているのですが、小説でした。しかもすばらしい小説。久し振りに文章にうっとりしました。
3篇からなる小説は、辛い題材を扱っている。「死」を極端に恐れる私に、この本は 静かな視点を与えてくれた。言葉遣いや、設定は、穏やかなものではない。それでも、ゆっくりと、じんわりとしみこんできた。いいものと出会えました。本ってすごいな。

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2008年9月 2日 (火)

『くものすおやぶん ほとけのさばき』

ベルナール・ビュフェ美術館の企画展 ” ぐりとぐらのともだちあつまれ!「こどものとも」絵本の世界展” の売店で、この本を発見。即購入。やったー!すこぶる嬉しい。
秋山あゆ子『くものすおやぶん ほとけのさばき』(福音館書店 こどものとも612号)を、入手したのであります。ばんざーい。2007年3月1日発行の新しいもの。『くものすおやぶん とりものちょう』に続く くものすおやぶんもの。捕り物帳の次は、仏の裁き。仏像の絵が、とにもかくにも気に入りましたので仏の裁きを購入。売店にあった最後の一冊でした。めでたしめでたし。
絵本は、展示していた原画よりも沢山のページがありました。物語も描かれているので(絵本だから当たり前だけど)、原画をみて想像(妄想?)していたものと照らし合わせながら読みました。全部「ひらがな」なの。かわゆい。
「ここはむしまち むしのまち。」と始まる物語。くものすおやぶんは、おにぐものあみぞうという名前らしい。手下はぴょんきち。親分は、背中に蜘蛛の糸の柄がはいった羽織を着ています。いかしてる。「ばちあたりなことを。ふてぇやろうだぜい。」なんて言葉遣いが素敵。つくつくじに頼まれた事件をとくの。つくつくじにいるのは蝉。つくつくほうしなのでしょうね。お寺の境内で、せみあめとか めいぶつ せみまんじゅう なんてものも売ってるの。商魂逞しいわぁ。 細かくかわいいの。ここも、あっ こんなとこも といちいち指を差して誰かに言いたくなる場面ばかり。こだわりがいっぱい。みもだえするほど?!かわいい絵本でした。 (事件もちゃんと解決しました。)

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ぐりとぐらのともだちあつまれ!「こどものとも」絵本の世界展

ベルナール・ビュフェ美術館の企画展に。併設のビュフェ子供美術館にて、開催の企画展もみてきました。ぐりとぐらのともだちあつまれ!「こどものとも」絵本の世界展 というタイトル。
福音館書店から創刊された「こどものとも」という月刊誌の展覧会。子供のころ、わたくしもとってもらっていたらしい。「ぐりとぐら」「だるまちゃんとてんぐちゃん」「はじめてのおつかい」「おおきなかぶ」「スーホの白い馬」など、懐かしいものばかり。原画をみたり、グッズをみたり、かわいい かわいい と言いながらみました。笠地蔵の笠や蓑を実際にかぶってみようというコーナーや、ぐりとぐらのクリスマスのおうちを再現した模型を、窓からのぞいてみようというコーナー。ぐっときました。あー かわいかった。 見に来ている人が全然いないので、美術館ではないみたいに 普通に話をしながら見ました。 子供向けのものしか用意されていませんが、ぐりとぐらになってみようと、「耳つきの帽子」と、「しっぽのついたズボン」がありました。もちろん赤と青の2色を用意。それが何着もハンガーにかかっているの。あーかわいい。 絵本を実際によむことができるコーナーもあります。すばらしい。
原画をみていて夢中になってしまった本があります。それは、秋山あゆ子さんの『くものすおやぶん ほとけのさばき』。ワンダフル。声に出して笑っちゃったほど。 くものす親分素敵なのだもの。 絵も細かく気になるものばかり。 原画なので、言葉がないのだけどいろいろ想像して眺めました。発想がすばらしい。夢中になっちゃった。

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ベルナール・ビュフェ美術館

伊豆長岡への旅行のお楽しみ、温泉&アウトレット そしてベルナール・ビュフェ美術館にいくこと。 広い自然公園には、ビュフェ美術館・井上靖文学館・ヴァンジ彫刻庭園美術館・木村圭吾さくら美術館 や、クレマチスガーデン、オーガニック・ビュッフェ他イタリアンやら和食のレストランがありました。 三島駅、沼津インターから少々かかりますが、緑いっぱい といいますか大自然の中 なかなかの施設を揃えてがんばっています。 人が少なかったけれど。(それは、平日だからだと思いたい。)いいところでした。

038前からずっと訪ねてみたいと思っていた念願の美術館。訪れてみると、緑の中に白亜の美術館が登場。白い壁に、紺でビュフェのサインが描かれている。モダンな建物。入口には、ベルナール・ビュフェと夫人であるアナベルのモノクロの写真が飾ってあります。かっこいい&美しい。岡野喜一郎氏が、ベルナール・ビュフェに感銘を受け、コレクションした作品にて美術館を建てたそうです。こんなすごいものを建てることができるなんて。岡野さんとは何者? スルガ銀行会長だったそうです。郷土の文化発展を願い、長泉町にコレクションを公開する美術館をつくったそうです。モノクロームの色調の初期作品から、各年代の代表作まで約2000点を所蔵しているそうです。 お金のある人は、こういう風に使うといいよ。こんなに充実しているとは。うれしい驚き。
本館を鑑賞。しっとりした館。すこし暗めの室内に、贅沢に作品を並べる。立派な洋館のお部屋でみているよう。 本館に続く新館は、一転して天井から自然光がふりそそぐ明るい館。日差しがあふれ暑いくらい。まっしろな壁一面に、十分なスペースをとって飾られた作品。 贅沢な展示方法がいい。館のまんなかにスロープ。降りていったところ、1階にあった作品がとくによかった。アナベルのきれいなこと。みとれました。沢山みたので、 さすがに展示は もう終わりでしょうと思ったころ、大きな小部屋?!が。三角形の部屋。1面に2枚づつ作品を展示。キリスト・シリーズの代表作。「笞刑」「復活」が並べて飾ってありました。深い悲しみを、内に秘めた形で描いてある作品に圧倒される。他にサーカスシリーズを展示していました。ゆっくりみることができるようイスに座ってみることができる設計になっていました。ここも、自然光を取り入れていました。
くたびれるほどビュフェを鑑賞。嬉しかった。

035_2 040 併設されているオーガニック・ビュッフェでランチ。女子の好きそうなもので構成されています。オーガニック、スローフードとベタなのですが、やっぱり好き。こういうところが、近くにあったらいいのになぁ。 自然の力を再認識。緑ってより、森ですが。 ビル1つ建てるためには、近くに山を1つたてねばならないという法律をつくってはいかが。六本木にも山を!山には虫がいっぱい出ますがね。きれいごとじゃない本気の自然を! 緑の力ってあるな。

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プチ夏休み第2弾

今度は伊豆長岡にてプチ夏休み。温泉で のーんびり。幸せにでした。
御殿場経由で。なぜならば、そこにアウトレットがあるから。血沸き肉踊るアウトレット。良識をなくす。
041031 伊豆長岡の温泉にて、のんびり以外することないという贅沢な時間をすごす。部屋食でしたので、気を使わず だらーっと。寝っ転がって本を読んで笑ったり、隙あらば温泉に入ったり。上げ膳据え膳の生活も、2泊もすると満足。おうちが恋しくなるものですね。
ずっと気になっているビュッフェの美術館にも行ってきました。すばらしかった。
042044 帰りに、箱根のおいしいソーセージやさんで、アイスバインを購入。明るいうちに帰宅。さっそく、夕食にポトフにしていただきました。生ハムもサラミも美味でした。

ひさびさに観劇なしの旅行。おいしいものを食べて、のんびりして、おだやかに過ごしました。

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