万作を観る会 喜寿記念講演
覚書
またまた国立能楽堂へ行って参りました。今週は能楽堂ウィーク。7日間のうち、3日国立能楽堂へ通います。伝統芸能にどっぷり。びしゃびしゃ浸る。
先日は、万作を観る会。万作師の喜寿のお祝いの公演です。16日/19日と2日間開催。違う演目がかかるので、両日共観なければなりませぬ・・
まずは、連吟「猿唄 替之型」荘厳な幕開け。
そして、「酢薑」。どうして酢薑?と思いましたが、秀句合戦をするが、和解し、笑い納める。なんだかおめでたい気分になりました。薑(はじかみ)売りは、カラ尽し、酢売りは、ス尽し、こういう言葉遊びは、演者の力量がはっきりと現れます。万之介師・石田師のからっとした言い方が見事でした。
楽しみにしていた「花子」。タイムテーブルをみてみると、なんと70分。そんなに長かったと思えませんでした。こういうのを至芸というのであろうなと実感。たっぷりと楽しみました。
なんとか花子に会いに行こうとする男。もちろん万作師。卑屈にならず 少しかわいらしい。 花子と別れてきたばかりの放心状態になっているところが素晴らしかった。恋しい様をじーっと見つめてきました。集中して、頭がからっぽになっちゃった。あの品はどこからくるのであろう。あのような設定なのに、笑わせるものというより、きかせるものになっている。いいものをみました。
休憩をはさみ、最後に半能「石橋 三ツ臺」(喜多流)。25分間。半能って短いのね。観たことはあるはずなのに、あまり記憶にないの。
面白かったです。赤い毛の獅子は巻き毛なの。面も、金色がかってみえました。不思議。今回の石橋は、三ツ臺(みつだい)。特別な小書付き。牡丹のついた段は、普通2つの一畳台なのですが、その上にもう一つ乗せて「品」という形にするものらしい。特別さをきちんと理解していないけれど、何やら面白い。文殊菩薩が乗っている獅子。はなやかでした。シテは粟谷能夫さん。
猿唄 替之型、酢薑、石橋 三ツ臺と、おめでたい演目なのですね。祝言味あふれる曲。なかでも、大曲「花子」。特別感ただよう会でした。会場中が、静かに鑑賞。笑ったりするというより、静かにひたっているという感じ。客席側にも集中力を感じました。不思議な感じ。ブラボーっていう感じに大きく喜ばなくっても、「満足しました」という雰囲気は、出るものなのですね。
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