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2008年12月31日 (水)

心にのこった舞台1ダース<2008>

今年も、いい舞台を沢山みたなぁ。道楽三昧。マイチィ☆的ベスト舞台1ダースを考えてみました。12に特に意味なし。 

 「釣狐」 12月 国立能楽堂
狂言師として最終課題であり、狂言の最高秘曲といわれる大曲。深田師の狐、相対する猟師は万斎師。狂言を夢中になって見始めていた頃でなく、今観ることができて本当によかった。あのときにはわからなかったことものを感じることができたと思う。(そして、この先もそういう自分がいると思う。) 観終わった後ぐったりするぐらい集中してみました。それだけ惹きつけられる舞台でした。75分が 全く長く感じなかった。

 「文楽公演 義経千本櫻鑑賞」 3月 国立小劇場
まずいわ!文楽にノックアウトだわ!もう道楽は増やせないのに。桐竹勘十郎さんのせいだわ。口をあけて驚いてみていたに違いないわ、わたくし。狐の悲しむさま、喜ぶさまにみとれました。 狐の人形と、狐を遣う人形遣いが一緒に飛んでいくなんて・・・反則だわ。びっくりするほど面白かった。

 「暫」 4月 金丸座
こんぴら歌舞伎。小屋の雰囲気もあり、忘れがたい場面です。大きな素襖の袖をものともせず、ガッガッガッと登場してきたあの大きさは、印象的。でっけぇー。理屈を超えた感じがたまりません。

 「成田山 開基1070周年記念奉納」 4月 成田山
連獅子の奉納舞踏。その特別な場所の効果もあると思うけれども、日が暮れ 本堂から、特設舞台に下りてくる獅子達は、印象的でした。

 「わが魂は輝く水なり」 5月 シアターコクーン
実盛物語を歌舞伎でよくみているので、設定も、話も、人物相関図もよくわかり、より深く観劇できた。菊之助さん演じる五郎、萬斎師演じる実盛。親子のそれぞれを思う心、その表わし方の違いが面白く、切なさが胸にしみた。
目を輝かし語った父の言葉が、息子にあたえる影響。現実の壁。しかも、世は戦国。生きている息子、亀三郎さん演じる六郎と、すでにこの世のものでない五郎、なぜか五郎が見える父実盛。三人の微妙なバランスは見ごたえがあった。

 「三三・吉弥 二人会」 6月 にぎわい座
歌舞伎は、歌舞伎座。落語は寄席。専用の場所でみるのが一番。地元横浜ですが、はじめてみました。そして大笑いしました。涙をながして笑っちゃった。吉弥さんがあまりにおかしく、休憩時間になっても思い出し笑いするほど。これからでる三三さんのことが心配に・・・余計なお世話でした。全くタイプの違う面白さ。みんなにみせてあげたくなるほど。みた人全員幸な気持ちになることうけ合い。

 「吉野山」 7月 歌舞伎座
玉三郎さんは、すごいと思っていましたが、改めて別格の人だと思った。美しかった。幕あけから通常の吉野山と異なり、静御前は花道でなく舞台に登場。登場した瞬間、客席が、うわーと言ってしまう存在感。 海老蔵忠信もきれいですし。屋島の戦語りも、とても面白かった。静御前が寂しそうな素振りをみせると、忠信がなんとも切ない顔をする。そんな気持ちのやりとりもよかった。 

 「簸屑」 9月 宝生能楽堂
野村狂言座での公演。万作師の太郎冠者が、水鏡に自分の姿を映してみるという動作に驚いた。なかなか、あそこまで心に残ることは少ない。このあと集中力が続かなくなちゃった。それほどよかった。自分一人で、道具にたよらず、能楽堂中を集中させるとは。みごとでした。

 「源平布引滝」 9月 新橋演舞場
義賢最後がよかった。ちょっと心情をこめすぎという気もしますが。くやしさ、いとおしさ、命がけで託す気持ちなど、表情からあふれ出ていました。 表情だけじゃない方がいい気もしますが。しかし、あの見送る時の表情は忘れがたい。もらい泣きしました。
若い今、わかりやすいということはひとつの表現方法なのだと思う。
(12月に文楽でも源平布引滝がかかった。勘十郎さんの義賢最後は色っぺーとしびれました。文楽で色っぽいと思う日がくると思いませんでした。)

 「伽羅先代萩」 11月 新橋演舞場
ドロドロドロと煙が立ち込め、すっぽんから仁木弾正登場。あの、海老蔵弾正のすごかったこと。巻物をくわえ せりあがり登場。巻物をくわえ登場。一言も発せず、花道を、じりじりと去っていく。それだけ。でもそれだけじゃないの。劇場中が息をのみましたもの。ひきよせる力とかっこよさにメロメロです。その前のしっかりとした芝居のことを忘れ、この場面の記憶しか残らないかと心配するほどすごかった。

 「伽羅先代萩」 11月 新橋演舞場
竹の間・御殿の政岡。菊之助さん。みごとでした。気品のある方です。情の深さ、忠節心、親心、そういう心の様子が、よくわかります。自分を抑え、毅然とした政岡は、立派でした。でしゃばらず、美しく、でも力強い。達者な方です。 

 「盟三五大切」 11月 歌舞伎座 
大人の歌舞伎にほれぼれ。菊五郎・時蔵・仁左衛門のかっこよさといったら。はぁ~。冒頭の佃沖新地で、船ですれ違う場面から、心をがしっともっていかれました。菊五郎さんの色気ったら、あなた。若造にはだせません。時蔵さんの仁左衛門さんをだましながらも、気になるという大人の感じ。殺しまくる仁左衛門さんのかっこいいこと。名乗るだけで、しびれちゃう。筋なんかどうでもよくなるほど、場面場面がかっこいい。きまりすぎ。演目と配役が絶妙でした。ほれぼれする味がでていました。 

今年も、沢山いいものを観て楽しい一年でした。遠征旅行もほどほど(2月&4月)のお利口さんでした。とはいえ、やはり道楽しすぎだなぁと思います。来年は地に足をつけて歩んで行けるのでしょうか。自信がありません。もうすでに、来年の芝居はじめが、楽しみ♪なのですもの。
来年も、よい舞台と たくさん出会う いい一年になりますように。

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