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2008年12月 2日 (火)

横浜三回忌 ~三渓園 鑑賞編~

覚書
ある晴れた日、横浜トリエンナーレ2008へいってきました。(三浦しをん好きにとっては「横浜三回忌」。)ちょっとはなれたエリアにある三渓園へ。
横浜トリエンナーレ千穐楽?! じゃなく、最終日に おさると繰り出しました。11月は、2度 三渓園を訪れる。バスだけという交通の便が悪いので、なかなか足が向かない。どちらも晴天の大当たりの日でした。紅葉を愛で、アートに触れてきました。
一番の感想。三渓園はすごい。 
横浜三渓園は明治時代に生糸貿易で財をなした、原三渓(原富太郎)が造った広さ175000㎡もある庭園とのこと。園内には京都や鎌倉から移築した重要文化財の歴史的建造物ほか、狩野派の襖絵など素晴らしい文化財が点在しているそうです。そうだったのね。庭園内の10の建造物は国の重要文化財に、3つの建造物は市の重要文化財に指定されているとのこと。ほぉ。三溪園自体が国から名勝地の指定を受けているとのこと。ほぉ。ほぉ。そんなすごいところ。 「コレいいな、うちに移築しておいて。」と原三渓エチュードしながら、おさると園内を歩きました。柿の実を沢山つけた木とかが似合うの。三渓園が開園されて、102年だそうです。お金もちはこういう風にお金をつかうべきだねと、おさるが言うのを聞き うなづく。森ビル建てても、100年後にすばらしいと思うだろうかってことね。ビバ三渓園。
さて、横浜トリエンナーレについて。
中谷芙二子「雨月物語--懸崖の滝」 Fogfalls #47670
110_2 109_3 「雨月物語―懸崖(けんがい)の滝」と題したこの作品は、旧東慶寺仏殿近くに霧で幻の滝をつくったもの。中谷芙二子さんは、《霧の彫刻》を始めて制作したのは、大阪万博のペプシ館だそうです。歴史があるスタイルだったのですね。 小川のようなところに突如霧が発生する。空は真っ青、いいお天気なのに、急にあやしい雰囲気になる。木々の間から、霧に向かって指す光が美しい。幻想的でみとれる。(写真より、ずっときれいでした。もう一枚の写真は、小鳥ちゃんとのコラボ) 人工的なものとは、思えない。足もとはぬかるみ、少し前が見えないほどの霧。横の竹林も怪しい雰囲気を増す。かぐや姫の入った竹とかを、うっかりみつけてしまいそうな感じ。(みつけちゃったらどうしたらいいのだろう。姫を育てることは困難なので。光っていたら放っておけないし。)  怖い。だけれども何なのか見ていたいという きれいさ。 突然霧が晴れる。あたりははっきりわかる。人工的な光が、バッバッとフラッシュする。 帰りに通ったら、また霧に囲まれていました。 「霧の彫刻家」のつくる世界は、わからなくてもきれいでした。これ、好き。
内藤 礼「無題(母型)2008年」・横笛庵
初音茶屋から、寒霞橋を渡った奥にある田舎屋風の草庵「横笛庵」。なんと美しい言葉の並びでしょう。(そのような雅な感じはわからなかったけれど。) 高倉天皇中宮、建礼門院に仕えた「横笛」と平重盛の家臣「滝口入道」との有名な悲恋があるそうです。横笛は、寺にこもり入道から送られて来た千束の恋文をもって己の像をつくったとのこと。その像が安置されていた庵だそうです。(像は戦争で紛失)
そんな美しい「横笛庵」にあるのが内藤礼の作品。天井から吊るした細い糸が電熱器にの熱で揺らぐという作品。こういっちゃうと、元も子もない気がする。会場のある一箇所からみないと、雰囲気がでない。なんだか、大袈裟でよかった。(これだけのために、ここまでするっていう感じが面白かった。)風にふらふら頼りなく たなびく糸。こういうものに風情を感じるのは私が日本人だからなのね。はかないからこそよいというか。優しい気持ちでふっと微笑んでしまう作品。
ティノ・セーガル(Tino Sehgal)「Kiss」 ・ 旧矢箆原家住宅
111 トリエンナーレのイベントで、いしいしんじさんが、面白かった!と戍井さんに勧めていた作品。それは、これです。灰色の靴下を履いた男女がね!と。(その日のダンサーの靴下は黒でした。) あれ参加してもいいのかな?とまで言っていました。
立派な茅葺屋根の古民家、 旧矢箆原家住宅。まずは、ここを見学。床を踏んでも、手すりを掴んでも、みがきこまれた木の肌が気持ちいい。ここで暮らした人の沢山の記憶が残っていそうな家。2階にあがってみました。屋根と壁の隙間から、暗い室内に差し込む光が、力強く本当に綺麗でした。レーザー光線のように力強いのは、午前中の光だからでしょう。きれい。囲炉裏には火がくべられていました。火もきれい。いぶすことで、防虫効果があるそうです。ずーっと続いた暮らしには、意味があり知恵があします。便利で立派な家にすんで、このような知恵を忘れてしまってよいのでしょうか思いましたが、水を組んで火を起こして米を炊いてということができるかといえば、無理です。すばらしい家でした。
1階で、ティノ・セーガル振り付けによるパフォーマンス。セーガルの作品は、ものとして制作も展示もせず、美術展に来る観客が体験をする状況を設定するものらしい。何もない展示室で人が一人寝転がっていたり、男女がキスをしていたり。作品は記録として残されず、観客の記憶のなかにのみ残るものだそうです。
男女デュエットダンサーが音楽のかからないなか、畳の上で踊る。ずーっとみていたら、振りは決まっているようでした。最初は驚きますが、じっとみているとダンサーの体は美しいなと思いました。 かなり熱烈にからみあう振りなので、民家の中を見学されていたおばさまが「キャッ」と言ったり、ドギマギして部屋にはいらないおじさまがいたり面白かったです。建物の外に、少々過激な表現になっていますと張り紙がありました。外から大声で、「芝居か?練習か?」ときくおじいさんや、ダンサーのそばへ、一人ずかずか入っていって、「欄間がすばらしいわ」と連れの方に大声で言っているおばさまもいました。ボランティアスタッフが、近づく人に小声で「アートのパフォーマンス中です」って説明していました。大変そう。
でてきてから、おさると不快に思うものがある、それは何からくるか考えてみた。私は、日本古来の家屋の中で行われることは、日本古来のものを踏みにじっているような気がするからかもしれないと思った。例えば、英国のピーターラビットの故郷のような典型的なクラシカルな民家で、大駱駝鑑のような白塗りの男女がからみあって踊っていたときに、英国国民が同様の気持ちになるのではということ。意義や意味があっても、生活の基本の場でどうなのと。 素直に、恥ずかしがったり、わからなかったら自分のわかることに置き換えたりする方が素直なのかも。 こんなことを考えること自体 自分をみつめ直すというような意味において、パフォーマンスの主旨にあっていたりして・・・ なんでここで、こんなことをと思い、おおむね面白かったです。
ホルヘ・マキとエドガルド・ルドニツキー(Jorge Macchi and Edgardo Rudnitzky)「薄明」・旧東慶寺仏殿
あーあの貴重な建物は、旧東慶寺仏殿でしたのね。本堂内での20分のパフォーマンス。決められた人数の人がお堂に入る。20分間は、出入り、おしゃべり、移動禁止。しずかにしていなくてないけません。貴重な建物なので、壁や柱によりかかるのもダメ!OKした人だけが、鑑賞者となります。ボランティアの人からの事前注意に、特別派手なパフォーマンスはありません(それでいいですね!)というのがおかしかったです。そのとおりでしたので。対角線状に吊るされたロープづたいに、裸電球のような照明が斜め上から下に移動します。音楽がかかっています。以上。
ホルヘ・マキとエドガルド・ルドニツキー(アルゼンチン)。ブエノスアイレス在住のマキが、構成。ベルリン在住のルドニツキーが音楽らしい。そしてアルゼンチン。うーん何もかもわからない。「時のはかなさ」とかを表しているらしい。うーむ。約20分静かしていた自分も可笑しい。全くわからないけれどイヤではありません。
あれが、旧東慶寺仏殿だったということに一番びっくり。江戸時代初期の建造物だそうでだ。
トリス・ヴォナ=ミッシェル(Tris Vonna-Michell)「むだにともるあかり」・涵花亭
庭園の池の中に橋のかかった島がある。そのあずま。周りからボソボソと声が。いろんな国の言葉でボソボソ。ボランティアのおばさまが、「聞こえているこの声が作品らしいです」と言っていたのが印象的です。そうしかいい様がないなぁ。
以上5作品。「涵花亭」とか きれいな名前だなぁ。三渓園すごい。

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コメント

青山テルマです。ウソ、ただのおさるです。
すごーい、トリエンナーレの解説的な覚書、役に立つ!
やっぱり帰宅したらタイトルとかすっかり忘れており、
カッパが拾ってくれた誰かのパンフレットを持ち帰ればよかったと
後悔した次第です。
でもここを見ればダイジョブね。

デュエットダンサーのパフォーマンスをAV覗き見気分で見た
自分を恥じたことをとりあえずここに覚書しときます。

投稿: noppy | 2008年12月 3日 (水) 01時25分

青山テルマ話を、死ぬほど聞かせましたね。トリエンナーレの話よりも。 

おさると来る前に 見に来たときに、デュエットダンサーのパフォーマンスを、じっとみる勘太郎ちゃん似の男子を、じっとみていたことを、ここに覚書しときます。

投稿: マイチィ☆ | 2008年12月 3日 (水) 23時57分

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