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2009年2月 9日 (月)

『春のオルガン』

湯本香樹実の『春のオルガン』(新潮文庫)を読む。
『夏の庭』でもそうだが、この人の本は「死」というものを、いろんな側面から学ばせてくれる。頭で考えてもわからない、体験してみてはじめて感じるものがある、人の気持ちに気がつくことができる。特に子供のように、自由なようで親の庇護のもとでは何もできない頃の視線には、ドキっとする。まっすぐで、すぐ傷つくのに、みることをやめない。心を説明することの下手であるが、思いは強い。 この人は、どうしていつまでも、この子供の気持ちを覚えていることができるのでしょう。
家族のはなし。小学生の姉と妹。祖父。どこかくたびれた働く 母が住む家。猫がキーになるのは、橋本紡の『猫泥棒と木曜日のキッチン』と同じだな。猫と死。全然違う空気だけど。 姉の気持ちも弟の気持ちも母の気持ちもわかる。でも、うまくかみ合わない。そのづれがいい。 特に 少女の、手も足もでない立ちつくしてしまう気持ちが、よくわかった。
家族というのは、血のつながりだけでなく、一つの家に胃一緒に住む人々のつながりなのだな。うちの中で、いつもはなんにも言わなくても みんなのことをじっとみているおじいしゃん。困ったとこにもなんにもいってくれない。でも、じっとみていてくれる人がいること、もうどうにもならなくなったときに、じっとそばにいてくれること、その いつもいるという大きさがよかった。
鼻がツーンとしてくる言葉が多い。ジーンとする場面は、ジーンだけではすまなくなる。ポロっという涙でなく、エーンと泣きたくなった。この本は、電車で読まない方がいいと、忠告しておこう。(誰にだ?)

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