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2009年3月31日 (火)

『三人の悪党 きんぴか①』

浅田次郎 『三人の悪党 きんぴか①』 (光文社文庫)を読む。一時、これでもかこれでもかと浅田次郎を読んでいたら、おなかいっぱいになっちゃいました。しばらく遠ざかっていましたが、久々に読むと やっぱり面白い。いかすぜ浅田次郎。
やくざが、つとめ(13年!)を終えてでてくる。頭に思い描く出向いの風景。現実には出向いくる者は 誰もいない。
自衛隊員の軍曹。自衛隊の海外派遣に対してもの申す。長いものに絶対にまかれない正義感ゆえに、組織からはじきだされる。
政治家秘書のヒデさん。暗躍の犠牲となる。義理の父を敬愛し、家族を愛す。だが、寡黙であるがゆえに相手の心が離れていく。
どう考えても、正しい まっとうな3人。その正直さゆえに 変わり者扱いされる。 曲がってるのは、どっちだいと思いつつ熱くなりつつ読む。解説にうまいこと書いてあった。個性的な3人の行動のバカバカしさに、救われると。 正しいことをつらぬくために、自分を正当化したりしない。とにかく、まっすぐブチ当たる。突拍子もなさがいい。
バラバラの3人が、不器用な方法で仲間を思う様がいい。
この3人を、集めたの ちょうど定年退職となった刑事 向井の旦那も、いい。うまれた時代が遅かったなというの。時代が時代なら、押しも押されもしねえ大親分であり、金鵄勲章ものの軍曹であり、大政治家だと。 でも、そのいい時代に生まれても、同じように時代に合わなかった、遅かっただの早かっただの思ったり、言われたりするのだろうな。 時代が変わったのだから 仕方ないなんて あきらめて暮らしちゃあいけませんぜ。
ちょっと口にだしてみたくなるような文体がいい。特に、ピスケンの口調がたまりません。 登場人物の心もちもいい。いうことなし。解説にうまいこと書いてあった。”実に演劇的である” なるほど。イキイキしてる。大袈裟だけど、わざとらしくない。
強いてひっかかるところと 言えば、「六方 ふんで花道に飛び出したとたん、お客がひとりもいなかったという不祥事である。」という台詞。 六方をふみだすような時には、役者には客がいるかどうかわかっているでしょ。 だって 六方ふみだす時は舞台からだし。 「暫と言って花道に出てみたとたん、お客がひとりもいなかったという不祥事である。」でどうでしょう。 これ、難癖? 

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