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2009年3月 5日 (木)

『まほろ駅前 多田便利軒』

三浦しをんの『まほろ駅前多田便利軒』(文春文庫)を読む。直木賞受賞なさいましたのに、購入を文庫まで待ってゴメンなさい、しをん大先生(←心の師)。
舞台は、東京か横浜かという微妙な境目の位置にあるタウン、まほろ市。都会すぎず、田舎すぎず、微妙な位置。 そんな街で、主人公 多田は 一人で便利屋を営んでいる。裕福ではないけれど、まぁなんとか暮らすことのできるギリギリな位置。 大事件はおこらないけれど、そんなに静かでもない街の頼みごとを引き受ける。便利屋って、商売で、季節感を感じる仕事なのですね。 人が片付け物をしたくなる時期とか。 
一人で、一見きままに仕事をしている多田の目の前に、突然 高校の同級生が転がり込んでくる。その頃のモヤモヤやら、今の仕事っぷりやら、言いたいことはごまんとあるのに、なんだかうるさんだけじゃなくなってくる。 友達というか、仲間というか、微妙な距離感の2人が、かかわることによって 人の暮らしが変わってくる。正解はわからないけれど、暮らしに変化が出る。 さぁ、進むかって気持ちになる。
よっれよれだけど、愛すべきヒーローである2人。それをとりまく人たちもいとおしくなる。 傷だらけになって、かっこ悪くて、でもいとおしい登場人物たちが大好きになった。

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