« 『押入れのちよ』 | トップページ | ありがたや。なりたや。 »

2009年4月18日 (土)

第46回野村狂言座

昨日の覚書
今年3度目の能楽堂。全然足を運んでいないわ。能楽堂にくると、シンプルで美しくてすばらしいと思う。狂言は、おおまじめにのどかに演じるところが美しい。恒例の野村狂言座にいってきました。
『昆布売』
何某(深田師)が、一人で北野天神詣に出かける。たまたま通りかかった昆布売(万之介師)を刀で脅して供にさせる。刀を預け、持ち方をあれこれうるさく言う。昆布売りが、太刀を手にし反撃開始。何某に昆布を売らせる。しぶしぶ売っていたはずの何某も、そのうち乗り乗りで売り出す。のどかだなぁ。万之介師の、ほれほれと、あれこれ節をつけて昆布の売り歌を謡わせる ちょっといじわる様がいい。
『吃』
石田師の妻に追われた、万作師 庵太郎が逃げ出てくる。仲裁は万之助師。鎌腹みたいな幕開け。 庵太郎は吃。自分が一つ言うと妻が十も言い返してくる。自分は吃だから言い返せない、くやしいという。師が、あまりにうまく吃るので、切なくなちゃった。 微妙に吃るので、リアルすぎる。名人って恐ろしい。 他の演目でもいざりとか出てくる。そういう点を指摘するようなことは、昔では普通だったのだな。みんな普通に指さしたり助けたり、変な距離がなかったのだな。 吃はちょっと違うけど。誰でもアワアワしちゃうこともあるし。 そんなことも思った。 妻はひどいけど、庵太郎もかなり反撃してる。 謡に乗せると、不思議と吃らないといい、謡に乗せ妻をやりこめる。こういうとこ、歌舞伎の吃又と一緒。 でも、歌舞伎は大袈裟に吃る。 万作師のは自然だったなぁ。 そして、案外 したたかに 反撃していました。 少しの動きでも、何か感じが伝わる。すごいなぁ。
素囃子『神楽』
最後の盛り上がりがすごかった。笛と小鼓が独特なものらしいがすばらしいが、今回は、太鼓の小寺真佐人さんに注目しちゃった。
『猿聟』
きゃあきゃあきゃあ。久しぶりに観ました、猿聟。よくある狂言のパターンを、所どころ 言葉でなく「きゃあきゃあきゃあ」と言う猿語であらわす。面白いなぁ。 まぁ、全員お猿さんだけれどもね。猿の面といっても、いろいろな顔付きがあるのね。面をつけているので、小顔効果か、いつもよりすらっとしてみえました♪  みなさま、爪の先すら出ていない完璧な猿のこしらえ。声はよく知った師たちの声なのに、みると猿。アテレコ?って気もしてきて面白かった。 視界が狭いはずなのに、なめらかな動きだなわ。謡のところは、朗々としてかっこいい。舞になると身せせりなんがか混ざってきてユーモラス。おおがかりで、のどかで、大真面目でいいなぁ。難しそうと思わせず、のどかな気持ちになる。いいなぁ。

野村狂言座は、年間4回のセット売りの公演。 前回ちょっと前の席に首をグルグル回し続けるおじさまが。もう、ずーーーとなの。友とこっそり連獅子と名付けた。 今回も いました。 今回の観察によると、素囃子で盛り上がっているときや 猿聟で萬斎師が朗々と謡あげるときに 回すスピードがあがっているようです。乗り乗り?  気になりすぎるのだけど、もう・・・おかしくなってきちゃった。 次回もまた いらっしゃるのでしょうね連獅子(お一人だけど・・・)

|

« 『押入れのちよ』 | トップページ | ありがたや。なりたや。 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 第46回野村狂言座:

« 『押入れのちよ』 | トップページ | ありがたや。なりたや。 »