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2009年4月30日 (木)

愛だろ 愛っ ~俳優祭~

永瀬くんかっ。古いね。 
役者と贔屓と関係者の、歌舞伎に 歌舞伎座という劇場に 対する愛情を大いに感じる一日でした。
本当に、本当に楽しゅうございました♪
212 まず、舞踊二題
『狸八島』
20分足らずの曲の間に、20名もの方にまんべんなく出番を割り振るということは、さぞご苦労なさったのでしょうと深く感じる踊りでした。 あまりにも出番が短いので、失礼ながらも 「踊り」うまいのかなぁと思う方も・・・ 三津五郎さんが出てきたら、「踊り」うまいのねと思いました。他の方々との時間配分が違いすぎるので比べるのは酷ですが。それにしてもうまい。うまくて、ついニッコリしちゃう。お相手の歌昇さんがうまいのにびっくり。 他の方々も 短くとも すっと雰囲気を出しちゃうのが、さすがだなぁと思う。プロですね。
白い着物に青い袴チームと、茶系の着物に同系色の袴のチーム。着物にはちゃんとその家の紋が入っていました。素顔なの。素踊り。男女蔵さんは色黒さんでした。
狐チームと狸チームに別れて、争う踊りねと感じ取りました。松緑さんは狸で、染五郎さんは狐の方。なるほどなと。 そうしたら、狸と兎だったようです。ええっ。そういえば、白い方はピョンピョンと飛ぶ振りが多かったわ。「化かし合い」をして狐チームが勝利したかと思ってました。全然違うじゃん。 あー あれは、誰ね。これは誰ねと、オペラグラスごしにウキウキする。素踊りはなかなか拝見できないので新鮮。 
『おまつり』
次に、女形さん集合。こんどは14名。素顔ではありません。女子だからね。これから販売する浴衣を着ているところがニクイ。これでうっかり買っちゃう方も、きっといらっしゃることででしょう。かわゆらしくかわゆらしく、御神輿対決。 たすきでおみこしを表現してみせますわ。ホホホというような踊りでした?! 時蔵さん、福助さんをボスとして、菊之助さんと亀治郎さんチームがおみこしをかつぐ。お嬢さんがたの中で、かわゆらし大将は、尾上右近ちゃんです。かわゆらしくみえるというのでなく、かわゆらしい仕草大将。菊之助さんは初々しさ大将。亀治郎さんはチャキチャキ大将。こちらも20分足らずの曲。短いのか長いのか不思議な振り付け。大きな盛り上がりはなかったのですが、飽きないわ。
『狸八島』では梅玉さん、『おまつり』 では魁春さんが 総元締め的な立場で踊っていらっしゃいました。
『模擬店』
役者さんのサービス満点の怒涛の模擬店。この場所にいる全員、代謝がよくなっていたに違いありません。
お若い人気役者さんは、とにもかくにも もみくちゃ。四方八方から囲まれ、写真をとり続けられ、みつめられ。熱烈さに げんなりするのもわかります。海老蔵さんは、お一人だったし(横に新十郎さんや新蔵さんたちはいらっしゃいましたが)とくに心ここにあらずでした。 勘太郎さん・七之助さん兄弟のように一緒に売り子さんをすることができれば、あんなに魂の抜けたようなお顔にはならなかったのではないかしら。 いっそ海老菊で。 もう、その周りを贔屓がグルグルまわってバターになっちゃえ的な設定で。提案する必要もないのにそんなことを考える。 團十郎さんや三津五郎さんのような方々には、比較的 丁寧にきゃあきゃあ言っているような気がするの。お祭りだけど、無礼講ではないの。マナーについて ちょっと思うところがあった。自らを含めてね。
人ごみの中にいても、あちこちに役者さんがいるので もう 嬉しくってたまらないの。ずっと笑顔でいました。ニヤニヤしていたかも。
みなさま 丁寧に顔をみて渡して下さったり、握手して下さったり。感激しました。勘太郎・七之助の兄弟は、よりいっそう仲良さそうに感じました。妙に ワイルドにフライドポテトを売る獅童さんや、焼きそばを売る声までよくとおる翫雀さん。奥の方にいても、笑顔が光る橘太郎さんや、妙になじんで逆にめだたない男女蔵さんなど、どこみてもうれしい。三津五郎さんの隣の小吉くんのお行儀のいいところににっこりしたり、錦之助さんの隣の隼人くんの成長ぶりに驚そういたり。権一さんをみてにっこりしたり。顔の筋肉をよくうごかしました。
予約済みの、押隈や色紙などは、みるだけでもありがたい。 ちびっこ御曹司の虫の絵などのミニ額がかわいらしかった。
ふがいないと自負するわりには、ちゃんと海老蔵さんからTシャツを求めました。(Mを下さいとおねがいしたら、Lをお渡し下さいました・・・ もう一度おねがいして、Sをいただきました。 ) 團さまから手ぬぐいを購入。クリっとした目でみたいただき、これで風邪をひかないですむわと思いました。 手ぬぐいは、三津五郎さんからも。政治家のように両手で握手をしていただきました。 秀太郎さんにスハ゜ークリンク゛をお願いしました。 突き指した指がいたいほどギューっと握手をしてくださいました。ああ、やっぱり男性なのね、秀太郎さん。 萬治郎さんからアイスモナカをいただき、寿猿さんから歌舞伎手帳を購入しました。 とっておきは、210_3 藤十郎さんからお寿司。国宝の握ったお寿司ではなく、国宝の隣で板さんの握ったお寿司を。ものすごくうれしかったというか、ありがたかったです。

211 国宝寿司の中の海老 → 



『灰被姫 シンデレラ』 -賑木挽町戯場始(にぎわうかぶきざことはじめ) -
最後のお楽しみ。こんなの、歌舞伎好きじゃないと面白くないでしょうね。ということは、歌舞伎バカたちには たまらない大ごちそうってことです。楽しかった。 まっとうな筋よりも、枝葉が楽しいかも。 苦労して考えたのだろうなと思う展開。京蔵さん、咲十郎さん作だそうです。筋書にのっていたお2人による「憚乍口上」が洒落ていました。シンデレラの舞踏会を、念願の文明開化の新劇場 歌舞伎座会場式典に設定し、宴の果ての落し物(靴にはあらで硝子の扇)その持ち主は誰やらん。うまい。 イイヤ私が イヤわしがと互いに争う技競べ。うまいなぁ。粋だなぁ。
継母たちによる、お国(シンデレラ)いじめ。こういうのみて似てるといわれたら心外でしょうが、継母 勘三郎さんは 久里子さんに似てました。あんた今いい間違えたわよと いちゃもん的にいじめる勘三郎さんに、堂々と虐げられる玉三郎さんがステキ。何なさっても別格ね。 いつも隙なくビシっとしているのに、ややグタグタしているところが可笑しくて仕方なかったです。香水を振りかけようとして瓶を壊し、鏡をみせようとして鏡を壊し・・・そんな玉さまなんて、ありえなーい。ひたすらまじめで、でも案外と楽しんでらっしゃるようすがキュートでした。
新歌舞伎座式典で燕尾、ドレスで踊る紳士淑女。秀太郎さんが、能天気に一人で踊る。相手なんていらないわ、ボク踊るの好きなのという感じが かわゆらしい。(基本的に他の人のことを気にしない方々が多いですが・・・) 彦三郎さんのメークに目が引き寄せられました。目じりをあげたラインがもたらす効果が可笑しすぎ。同じく婦人役の團さまのメーク顔と似ているのにびっくり。アイラインマジック!海老蔵閣下は、異常にかっこよかったです。 葵太夫さんがビビデバビデブーとうたっていらっしゃいました。
主賓が並ぶ中、金主である菊之助さんが、詩吟師範代と紹介される。菊之助さん、きれいな声で、照れることなく、吟じてらっしゃいました。「分離したドレッシングを~」とはじまり 後ろで海老蔵さんが大笑いしていました。(国立劇場で、朗々と♪おしりかじりむし~ときれいな声でうたってらしたことを思いだしました。) きっぱり、「あると思います」までおしゃってました。 笑いをとろうとかそういう感じでなく、堂々としているの。さすがだわ。
そういうところはお父様譲りなのね。お父様は、もっと超越なさってますが。菊五郎さんはおくりびとでした!?一人だけシンデレラの筋に関係ないの。いつものど派手さはないのですが、すましてサラっとなさるところがすごい。 福助さんが かなりはじけていらっしゃいましたが、ちょっとはじけすぎかしら。矢島美容室という設定がキビシイのでしょうか。菊五郎さんの超越した存在での貫禄あるふざけかたや、亀蔵さんのようにプロ意識があって徹底したものとも、ちょっと違う感じがしました。文句じゃないです。楽しみましたもの。(何がひっかかすのかなぁ・・) 横でパフォーマンスする 新吾くん・巳之助くん (おそらく)の気合の入り方は立派でした。 後ろで海老蔵さんが、田之助さんに説明してました。こういうところが、贔屓にとっては見所です。お芝居の後半では、田之助さんに急に近寄り「わっ」と驚かせていました。いい子なんだか悪い子なんだか・・・ とにかく大物だなぁ。というか勝手だ。最近お行儀よく、コメントも立派で、大人になっちゃったのねと思いましたが、そんなことなく、そこが(そこも)好きと思いました。訳わからないすごさがいいの。 自分の好きなところをずーっとみているのが。楽しい。思い出しても、楽しい。
人力車に乗った雀右衛門さんが登場。いらっしゃるだけでうれしくなる。舞台も客席もうれしそうでいい。 それをきっかけに きれいどころが踊るのですが、あまり振りが入っていなくて愉快。舞台の方々も笑ってました。(後で怒られないかしら?)
司会の翫雀さんは、見事なミノモンタぶり(司会ぶり)。その横の亀治郎さんも見事な気配りぶり。いろんなことに気がついちゃうのでしょうね。染五郎さんが舞う前に扇を落とすはずがないと 絶妙なプレッシャーをかけていました。うまいわ。 藪空棒之助(染五郎さん)が、妙に安全に(落とさずに)というところばかり気をつかう舞っぷりも面白かった。匙加減がうまいわ。 はじける方、こまやかな方、大物な方、そこにいるだけでほのぼのする方、いろいろなタイプの役者さんがいるのねと、しみじみと思いました。 仁左衛門さん、成田屋親子の大物ぶりに、ますますしびれました。
最後に、歌舞伎座の守り神といって重鎮登場。 標語のように繰り返す 道徳的な文言に おかしくなっているうちに、じわじわと あーこの歌舞伎座とお別れなのだなぁと実感がわいてきて ちょっぴり おセンチになりました。ちょっとしんみり。どこか、本当にさよならでない気がしていたのでね。 最後に皆で手締め。 
あぁ、楽しかった。ありがとうございました。213

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