« ひらかな盛衰記 | トップページ | 鈍獣 »

2009年5月27日 (水)

矢車会

232231_2 これは、観ておくべき公演にちがいないと思い、矢車会に行ってきました。夜の部の方。遅刻が避けられないので3階一番後ろ方の一番端っこの方から鑑賞。遠い。遠いけど、気合いを感じる公演でした。中村富十郎さん傘寿のお祝い。10歳の息子と競演。すばらしい。10歳の子が よくぞここまで。鷹之資くん、がんばってました。
連獅子の宗論には、勘三郎さんと橋之助さんがご出演。鷹之資くんが生まれたときからの約束だそうです。いろいろな方々の暖かい気持ちを感じる公演でした。
遅れてしまったので『お祭り』から。二代目・松緑丈の振りだそうです。松緑鳶頭と染五郎鳶頭が、大太鼓を叩いて幕開け。芸者の福助ねえさんを取り合う。なかなか面白い。鳶、かっこいい。とってもとられてもかっこいい。この形でのお祭りも、もっと舞台にかかればよいのにと思いました。福助さんがおとなしくて安心しました。 最後、2人で大太鼓をたたくところは、あんまりあっていなかったような気が・・・ (松緑さんは、しっかり地の部分を叩いているのですが、染五郎さんのは あっているのか決まっているのか 私にはちょっとわかりにくかったです。) 3名の”富十郎さんのお祝のために”という 丁寧な感じが、とてもよかった。 松緑さんにとっても、思い入れ深いものなのでしょうね。よくお似合いでした。
『連獅子』正直いって、鷹之資くんがこんなに立派に勤めるとは思いませんでした。失礼いたしました、若天王寺! 止まった形がいい。 言われたことを 丁寧に きちんと踊っている感じが伝わります。お行儀がいい。 どんなにか練習したのでしょうと 感じさせるものがありました。五月人形のよう。 小柄な富十郎の親獅子とのバランスもいい。2人がお互いをきちんと意識している感じちゃんとして すごかった。
宗論で登場の勘三郎さんと橋之助さん。力の入り方が半端ではありません。あんなに力いっぱい演じると、普通なら力みすぎでムムッと感じてしまいそうなのに。力いっぱい取った拍子が、いい効果を生んだ。すごい。集中力を高め、獅子へとつなぐ。
まず、親獅子 富十郎さんが登場。台に乗る。 子獅子 鷹之資くんが登場。後ろへ すーっと戻ったり 等 そういう部分を省いた演出。これがよかった。 富十郎さんは獅子頭を振らず、子獅子をじっとみつめる。 子獅子がしっかり応えて毛を振っていました。きちんと腰が落ち、首だけでまわさず、上の方からみているのでまわす軌道が楕円になっているのがわかりました。立派でした。驚いた。みんな心から拍手してました。ジーンとしました。いい舞台でした。
満員の観客。普段の3階の勝手に楽しむ雰囲気と異なり、みんな一回限りの貴重な舞台を くい入る様に鑑賞していました。静かの。後見が袴をパッとはらって座る音までした程です。いい雰囲気。 堪能しました。

『連獅子』前に、1・2階の客席が急に盛り上がる。拍手がおこりました??? 大物が見にいらしたのね、きっと。 ロビーに妙にSPの姿が目立ちましたし。 三階刑事(デカ)、推理してみました。 じゅんちゃん(小泉元首相)なら1階で観賞するはず。 麻生さんならあんなに拍手があるはずがない(失礼)。 うーむ。 2階桟敷の視線から察すると、2階あたりに注目が。 この席ならば、皇族のどなたかがおいでになったのにちがいない。決まりだ(きっと・・)。 一人で納得していると、近くのご婦人から話しかけられました。「皇太子よ。(決定?!) 愛子さまと学習院つながりがあるのよ。 愛子さまもみえているのかしら。」と話しかけられました。三階はデカだらけです。だってみえないのだもん。 そういえば、2階に飾られた沢山の胡蝶蘭の中にキク組よりっていうのがありました。着物刑事(着物をきていた観客)の推理では、鷹之資くんの妹の愛子ちゃんの組から らしい(学習院だそうです)。 小さん さんから富十郎さんに贈られた胡蝶蘭には、お花に「寿」だの「祝」だのハートだのラメだのがついていました。かわゆらしいじゃん。230

|

« ひらかな盛衰記 | トップページ | 鈍獣 »

コメント

矢車会、非常に充実した会でしたね。富十郎さんの人柄ゆえでしょうか。親子の情愛がひしひしと伝わってもきました。

お祭りの太鼓、染五郎さんのほうかなり複雑な撥捌きを要求されていましたね。松緑さんはベースのほうでしたので単純な撥捌きでした。

投稿: まる | 2009年5月28日 (木) 09時40分

まる様
こんばんは。コメントありがとうございました。
矢車会、すばらしかったです。親子の情愛にジーンとしたり、富十郎さんが慕われていらっしゃるの様子に感動しました。
お祭りの太鼓の件、失礼しました。複雑でしたね。 松緑さんのベースは、ブレることなく安定し、染五郎さんの方が見せ場だということはわかったのですが。もっといろいろみて学びたいです。 男くさくなりすぎず、粋な感じを残したまま太鼓でしめるという演出、格好いいものだなぁと思いました。
染五郎鳶の方が、モテモテでしたね。わかる感じ。 松緑さんは、肩すかしされてもいきがるところが、チャーミングでした。
歌舞伎座の階段を降りているときに、昼夜ごらんになられたご婦人が話しかけてくださって 勧進帳のことをききました。きいているだけで、胸があつくなりました。

投稿: マイチィ☆ | 2009年5月28日 (木) 23時49分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 矢車会:

« ひらかな盛衰記 | トップページ | 鈍獣 »