五月大歌舞伎 実ハ團菊祭
昨日、五月歌舞伎座の見納めしてきました。昼夜、終日。みっちりと観劇。全然疲れません。そりゃ、みているだけですがね。 あまりにも豪華で面白く疲れる要素がないせいだと思う。お金がくさる程あったら、もっともっと観てもいいわとも思う。 タイトルがついていないようですが、これはもはや團菊祭と言ってよいと思います。来年の5月にココがないなんて信じられません。あぁ。
昼の部。
「暫」 なんでしょう。もう、これは完璧じゃないのでしょうか。海老蔵さん。 花道すぐ近くで観たマジックもあるのでしょうけれどもね。2列目の横にくるのね、権五郎さん。ポーっとしちゃいました。姿がみえないうちから「しーばーらーくー」という声の涼やかさに参る。睨み殺すだとか、頭からかじるだのとか一言で、怖がらす様。 フンと顔を横に向けるだけ というすね方のかわいらしさ。 口をいがめずに発声をするのね。台詞を言っている顔までもきれい。隈取が映えるお顔です。花道にいるときは誰の言うこともきかなさそうなヤンチャぶりで、舞台にあがってからは正義に味方。うるさいやつは、1ダース単位で首をはねちゃうぞと。でっけぇ。 みる人をあきさせず、強引に納得させる魅力がありました。 本当にきれいなお顔だなぁ。
「寿猩々」 富十郎さんの猩々の酒の飲みかたにおおっと魅せられた。直接的でないのに飲んでいく感じがする。「寿猩々」「手習子」共、前で聞くと囃し方の音に迫力があって、そちらもじっとみる。
「加賀鳶」 鳶の勢揃いは、本郷木戸前だけと心してみると、盲長屋のtころが面白く感じた。いつの日か、鳶・天神町梅吉と按摩・道玄に、死神までみてみたいな。赤門捕物のところで、子供のキャッキャッ喜ぶ声がしました。そうよね。ドリフみたいだものね。前方、花道そばでしたので 鳶の勢揃いにはクラクラしました。鎌倉権五郎と旧三之助鳶が、こんなに近いとは。ありがたくて、おがんでしまいそうでした。うっとりするほど、きれいなお顔でした。
「戻駕色相肩」 もう十分満足しましたってところで、もう一つ。こんなきれいな、駕舁きさん いるはずないわ。菊之助さんのきれいなこと。立ち役もいいなぁ。すっとして品があって。人にやらせといて、自分はみてる感じもなんともいい。うまいこといわれて、いろいろしてみせる 松緑さんもいい。ちょっと大きい禿もいい。
夜の部
「毛剃」 團さま毛剃九右衛門に「よか よか」っていわれると、まぁいいかと思えてくる。マイペースな人の集まりみたいなお芝居。藤十郎はんの宗七といい、菊之助さんの小女郎といい。大物揃いでした。菊之助さんが内掛けを着て登場した姿にうっとり。そりゃ、團さまと藤十郎はんが取り合うわ。
「夕立」 色っぽいわ、菊五郎さん。なんども見てもね。そりゃ、時蔵さんもついていっちゃうわ。帰り路、ゴロゴロ雷がなったので、菊五郎さんがくるかもとキョロキョロしました。来たら気絶しようと思って・・・
「神田ばやし」 海老バカ大喜び。私のコトだけど。なんどかみると、じんわり効いてくる話しです。うじうじしているその指先のきれいなこと。これ、おんなじ人かなぁとじーっとみちゃう。動作を止めて、延寿太夫さんののどを聞いているくだりは 他の人なら舞台事故にみえちゃうわ。何もしないのだもの。海老留ちゃんだからぼーっとしているようにみえるけど。三津五郎さんうまいなぁ。あと梅枝くん、悪いとこなさすぎなほどうまい(←変なほめかた)。でも、この演目は留ちゃんがみんなさらっていきました。わたくしの心も。冷奴でいっぱい いただきたくなりました。
「 おしどり」 もう十分満足しましたってところで、夜の部も もう一つ。しかもこんな楽しいものを。ご褒美ですか?どうもありがとう。やっぱり三之助が揃うといい。ワクワクが違います。雌鴛鴦の精の菊之助さんの切ないところが、本当にきれい。きれいと思いながらも、きれいと言わずにいられません。松緑さん・海老蔵さんの相撲を取る型の踊りも好き。三味線には久し振りにおみかけする巳吉先生(一方的に先生と呼ぶ)。一巴太夫さんの常磐津の方もいい。すばらしい。
ありがとう、團菊祭。幸せでした。
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