海の日漫画祭
いつものとおり、おさるのおかげで漫画祭り開催。いつも、ありがと。
映画を見に言ってギョエーと思ったMWから。手塚治虫『MW』(全二冊/小学館文庫)。2冊なのね。手塚治虫の描く悪って、こういう方面にも広がるのね。残酷さ具合がすごい。おどろおどろしさでなく、ぞーっとする。人を怖がらせよう、不快にさせようという方向でないところが、なんというか胸の具合が悪くなる。 結城美智雄は、玉木宏よりすごかった。 美智雄さんの銀行の名前は違うのね。時代を感じるわ。歌舞伎役者の血が入っていました。そこの無理な部分だけ、ちょっと一息つけました。助かった。歌舞伎役者は特別なのでなんでもできていいかも。その血が入っていたら。(いいのか。)神父さまが西郷どんみたいな人で、ちょっと驚く。昔は悪だったのね。 映画は映画で新たなシチュエーションを考えていたのね。音とか映像とかなくても、この漫画はとても激しかった。『MW』を読んだおかげで、MWは、Man Woman のことだとわかりました。1冊目の解説に教えられました。2冊目は解説もない。おわちゃったあとの救いのなさを、より強くしました。解説なしというスタイルにも、効果があるのね。
どうしていいのかわからない、この重い気持ちをなんとかしてもらおうと、『かぶく者(5)』(デビッド・宮原&たなか亜希夫/講談社モーニングKC)を読む。すごい。男の子の漫画だ、これ。どええええええの繰り返しで、もうどっちがどっちなのか、どっちが影響を与えているのか、なんだかわけがわからなくなりました。御見物衆としては、こんなに驚くものを人生で、何回かみたい。 四谷怪談のところ、すごい。この舞台どうなるの。ワクワクする。 巻末の「デビ夫流歌舞伎鑑賞術」、わざわざ述べるなら、こういうのにして。つまらんガイド本よ、コレを読んで反省せよ。このぐらい思うことがある人だけ、書いてほしい。
男の子の漫画のあとには、女の子もの。『本屋の森のあかり(5)』(磯谷友紀/講談社コミックスKiss)。本やなのにこんな働き手いるのか。唖然としつつ、なぜか対策を考えながら読む。どうしても、本をさがしにくい本やってあるな。棚の出版社名のところに張り紙するのだけは、やめてほしい。
最後に、『ファンタジウム(4)』(杉本亜未/講談社モーニングKC)。自分の努力でどうにもならないことを かかえる子供に対して、人はなんて残酷なのだろう。特に大人の。大人の都合って、本当にロクでもない。長見良の底知れぬ哀しさには、何も言葉が出ない。何かできると思うことがおこがましいのだな。言葉を大事に読む。毎回思うけど、本を読んでいるみたいな気分になります。
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コメント
ハローマイチィ☆
人の感想って面白いー。カッパだけど。
これだから無理矢理の貸し付けはやめられません(銀行?)。
歌舞伎役者の血って、はまるよねー。
ちょっと福さんぽい早替りじゃなかった?
無理!って思うけど、まあ歌舞伎の血だから...と納得するね。
デビ夫の鑑賞術のことも、マイチィにほめてもらって
何かうれしいのっぴ坊でした。
投稿: noppy | 2009年7月21日 (火) 22時50分
ヘローおさる
いつもサンキューメルシーオオキニィー
深かったね。また、思うとこあって、ちょっとこの記事を書き足しちゃった。
最後に、でもキミ 道成寺を踊れんじゃろうがと 小さく言ってみた。
お弁当売り場のことを、デビ夫の教え売り場って呼ぶのはどうだろうか。三越のB2をデビ夫の教えフロアと呼ぶのとあわせて、検討してくれたまえ。
投稿: マイチィ☆ | 2009年7月22日 (水) 23時17分
ええっ、MWはMan Woman のことなのー?
知らなかったでごわす(西郷どん)
解説読んでなかったらしい。
で、お弁当売り場の件ですが
何故上から目線...
まあ検討しますけどね。
言われたらその通りやる、どM体質ですからね。
投稿: noppy | 2009年7月22日 (水) 23時52分
解説じゃなくて、エッセイというくくりで花村萬月さんが買いてらっしゃいました。
以下引用
ところで『MW』という題の核になっているであろうMAN(男)とWOMAN(女)。二元論の最たる組み合わせである。
あっ。「であろう」と書かれていました。
引用する前に、御返しすべきですね。ごめんなさい。
エッセイと書いて、持論を掲載とは、花村萬月もツワモノだ。すごいね。
千穐楽の日、デビ夫の教え売り場で豪勢なお弁当を買っていきましょう。休憩時間は40分もあるから。貧乏だけどね。
投稿: マイチィ☆ | 2009年7月23日 (木) 23時42分