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2009年8月 1日 (土)

剱岳 点の記

覚書
木村大作カメラマンが映画人生をかけた初の監督作品というものすごく力の入った誘い文句にも、大いに納得。壮大な映画でした。ザ映画って感じ。みてよかった。
地図を作るために、山に登る。その作業は地道を絵に書いたよう。自分の目で数値を読み取り、記録する。測量とは、確認の嵐なのですね。こういう地道なことが、どんなに大切かわかる国民でよかったと思う。
軍の命を受け、剱岳の測量をせねばならなくなる。誰もが、なしえなかった難関不落の山。軍の命令は勝手きわまるもの。大切なのは面子。軍人ちっちぇー。 これはそんな面子の問題でなく、山への挑戦なのである。登るだけでなく、測量をしにいくのである。
山岳信仰という壁(あの山にいくことは地獄へ向うこととされる)がある。同じく剱岳登頂を目指す、日本山岳会とどちらが先かと 競争のように新聞に書き立てられる。
けれども、ズルをせずしっかり生きている男達は、しっかりとした心を持っている。焦ったり腹をたてたりするけれども。しっかりとした心はいい。きちんと暮らす。その感覚を忘れてはいけない。いい思いをしようとか、あぶく銭を得て喜んでいるいると大切なことをなくしてしまう。季節を感じる嗅覚を無くしてはいけない。朝顔やひまわり咲くことを楽しみ、金木犀やくちなしの香りを嗅ぎ、葉が色づくのをみたり、入道雲をみたり。まっとうなことの美しさに、はっとした。
自然は途方もなくすごい。手に負えない。美しさ、恐ろしさ、全部含めて圧倒された。
大きなスクリーンで味わうことを強くお勧めしたい映画です。長さもちっとも感じなかった。
軍の司令を受け、山へ向う柴崎芳太郎は浅野忠信。山の案内人の香川照之のうまいこと。若さで走ってしまう松田龍平の生意気さもいい。ボンボンの道楽みたいな扱いの小島烏水には仲村トオル。キザさがぴったり。コジマウスイってもしかして横浜美術館でコレクション展をしていた時の人かもと思い、自分のブログで確認。その人でした。山の絵の絵葉書もあった記憶が。銀行家でアルピニストでコレクター。この人だったのね。よりこの映画に愛情を覚えました。アイツも悪いやつじゃない。真剣に生きているから。
自然と、しっかり生きている人の心の強さと、香川照之のうまさに、乾杯。
ハリウッド映画なんかちょろいね。(偏見のカタマリ)

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