趣向の華
覚書
日本橋公会堂にて、趣向の華をみてきました。ワンダフルでありました。 この会の主催者は、藤間勘十郎さんと尾上青楓さん。実力があり引っ張りだこの若手のお二人。完売の公演は開場前から長蛇の列。自由席なの。2階最後列より鑑賞。
「藤娘」
立方 坂東亀三郎
三味線 藤間勘十郎、大谷廣太郎、中村種之助、中村種太郎、中村萬太郎、中村梅枝
小鼓 梅若玄祥、尾上青楓、中村梅丸
大鼓 中村壱太郎
太鼓 坂東亀寿
唄 大谷廣松
亀三郎さんの藤娘。いかんせん2階最後列からでは遠い。女方にこしらえをすると亀寿さんに似ている。見どころは他にもたくさん。なぜならば演奏も御曹司だからなのであります。真っ暗中での唄から、かなり面白かった。勘十郎さん以外の三味線さんは、下をむいて(三味線をみて)必死に演奏なのがほほえましい。ベテランの中、小鼓の梅丸くんは立派に胸を張って演奏してました。すばらしい。大鼓の壱太郎くんも堂々と。太鼓の亀寿さんが格好よかったです。ちいさいころからいろいろなお稽古をしていると、よくモノの本に書かれておりますが、本当にしているのですね。疑ったことはないけれども。すごい。亀三郎さんの藤娘をもっと集中してみたかったです。あちこちみたくって。双眼鏡をもってくるべきでした。
「仮名手本忠臣蔵 大序」
三味線 藤間勘十郎
浄瑠璃 尾上青楓
素浄瑠璃。青楓さんは、いい声です。勘十郎さんの三味線は最初の緊張感あふれる出だしや、もりあがりがすばらしい。ああ兜改めか、文のところかと想像しつつ聞く。聞きごたえありました。40分弱じっと聴かせるというのはすごい。人間国宝の常盤津英寿師の指導を受けられたそうです。
「歌舞伎舞踊抄 花形一寸顔見世」
すごい演目がずらっと。どういうこと!?御曹司さんたちは、あんなに お小さいうちから こんな踊りも お稽古されているのね。すすすごい。「いつか彼らにこの作品を上演して欲しい…という願いを込めて上演します」としおりにかかれていました。ALL素踊り。
「供奴」中村米吉
「鷺娘」市川男寅
「三社祭」大谷廣太郎、大谷廣松
「吉野山」中村種之助。
「二人椀久」中村梅枝、中村壱太郎
「勢獅子」中村種太郎、中村萬太郎
米吉くん、歌六おとうさんに似てらっしゃる(とくにアゴが)。独特の雰囲気があります。味のある大人になりそう。
男寅ちゃん。鷺娘・・すごいわ。鷺かどうかわかりませんが鳥でした。左團次さん、男女蔵さんの流れだと思うと意外ですが、男寅ちゃんに鷺娘をと思わせる何かがあるような気がします。これから。傘をさしてスッポンから登場する様が堂々としてました。
友右衛門さんちの御子息は、あまり拝見しないような。雀右衛門さんの助六のときのもじもじしていた禿ちゃんが大きくなりました。しかも、安心して楽しめました(心配してすみません)。兄弟の息のよさがいい。
吉野山を一人で?と思ったら景清の語りのところでした。りりしかった。若く美しい。
二人椀久。梅枝・壱太郎組は他を抜きんでるうまさ。素踊りだから、2人ともみためは青年。なのに、出のところでちゃんと、どちらがどちらかわかる。二人椀久って、富十郎・雀右衛門とか富十郎・菊之助でみた印象が強い。梅枝くんが女子で、壱太郎くんが富十郎さんの方ねとすぐわかるのはすごいのではないかしら。うまい2人。その上もっとうまい梅枝くん。手をヒラヒラさせる形がきれい。ちょっと前のめりになってみちゃうほど(気持ちがです)。
最後、勢獅子。獅子の中で奮闘の種太郎くんと萬太郎くん。
このゴージャスな踊りの演奏、普段は黒御簾の中で行われるものかと思いますが、後ろで演奏の様子がみえました。勘十郎さん、青楓さんも演奏。あと、染五郎さんも。じっと踊りを見つめる目が厳しい先輩のそれでした。
「袴歌舞伎 血染錦有馬怪異—化猫騒動—」
最後に、袴歌舞伎。素踊りのように袴に素顔での歌舞伎。
上演時間2時間。すこぶる面白かった。この休憩前に、1階前列に空席を発見して移動。いやぁ前はいい。長さに驚かれてお帰りになったのでしょうか。2時間ちっともあきませんでしたことよ。夢に見たいほど?!おもしろうございました。
今日はこれぎり。
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