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2009年9月20日 (日)

『しゃべくり探偵』

ものがありすぎるんですよ!と自分で自分をしかってます。片付かない。昨日の桃色の夕焼けも、なんだかあやしげなことを予感させる不思議な空でした。 いやいやがんばろう。がんばるマンです。

黒崎緑の『しゃべくり探偵 ~ボケ・ホームズとツッコミ・ワトソンの冒険~』(創元文庫)を読む。全編大坂弁の会話式の探偵小説。表紙のいしいひさいちの漫画のせいか、いしいひさいちの漫画を、わざわざ文にしたよう。大坂弁に少々あたってしまい、ややぐったりしながら読む。たわいないことって面白いけど、言葉の乗りと文章の乗りは違う。 徐々になれ、最後の一章はぐいぐい読んだ。
ボケ・ホームズとツッコミ・ワトソンの冒険という副題付き。保住くんと和戸くんという大学生が、その役割。自由参加のゼミの英国旅行を軸におこる大学生活での事件。資金調達のためのバイトでの出来事、留学中の出来事、帰国後の出来事。 英国に行った和戸くんの身の回りに起こる事件を、そこにいない保住くんが解決する。安楽椅子探偵譚。表面上のボケつっこみまくりのせいで、軽ーい感じがするが、案外深いところもある。

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2009年9月19日 (土)

ビフォアーアフター

2日間ほど休暇をとると、あら不思議!9連休に。シルバーウィークというらしい。次にこのすばらしい休みがくるのは6年後らしい。そんな負の情報はノーサンキューだ。
負といえば、わたくしの部屋。この連休を使って、おもいきって大改造することにしました。きっとすばらしい日々がまっているに違いない。作業スケジュールも たてたわ。
ああ。初日から、予定のところまで片付かなかった。 正直 気が重くなってきた。 わたくしの部屋にアフターがくるのであろうか・・・

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重陽 漫画祭り

重陽の節句は9月9日らしい。別名、菊の節句とも呼ばれるそうです。すてき。九月中なのでよしとして、 .重陽 漫画祭りとします。
またまた、おさる大明神のおかげで 漫画祭開催。
おいしい食事&酒好きにはたまらないよと言われお借りした 安倍夜郎『深夜食堂』1,2,3,4巻(小学館)を一気読み。深夜0時開店。アルコールと豚汁定食のみ。アルコールもビール・酒・焼酎、のみ。しかも2本まで。あとは注文してくれたら作れるもんなら作るよという とある食堂の話。食べ物にまつわる人間関係を、ホロリとささせる、なんともあじな感じで語ってくれる。
仕事帰りのおねえさん(含 男性のおねえさん)やら、コワモテさんやらが集まってくる。そこで注文されるものが、実においしそう。正しい料理。なんとか風というような凝ったシロモノでなく、何の思い出があるのかなと心ひかれる正当な家庭料理。こういうものを、ちゃんと作ることのできるまっとうな人間になりたいと思いました。
ここに出てくるものは、食べたくなるものばかり。揚げ物は揚げたてで。そういう基本をありがたくいただこうと思った。熱い飲み物をすぐに冷ましてしまうバカたれなので。(飲み物をいれてもらったとたん何かをはじめてしまう・・) おいしいものはおいしいときに。 この漫画の影響でオニオンリングを食べました。アツアツはうまうま。
まってました!瀧波ユカリ『臨死!!江古田ちゃん(4)』(講談社アフタヌーンKC)。 何でこんなに楽しみなのかしら。今回も読んで、非常に楽しい。江古田ちゃん、ダメっぷりを披露しているけど、ダメな気がしないのはなぜかしらん。
続いて、二ノ宮知子『のだめカンタービレ(22)』(講談社コミックスKiss)。二ノ宮知子って飲んだくれ的な漫画を書いてた人よねと思い出す。関係ないけど。のだめのデビュー!成功とみえるが、なぜ葛藤かというところが す す すごい。芸に生きることを選んだ人って、一生イバラの道なのね。完璧に生きてきた人間が振り回される様(千秋さま)ってぐっとくるかも。ギャップパワーは、惚れパワーという説を提案しよう。
最後に、羽海野チカ『3月のライオン(3)』(白泉社)を、大切に大切に読む。家族(もしくは同居)って、どうして大切なのか理屈くさくなく教えてくれる。当たり前最高。あえて辛い戦いに挑む、孤独な戦士(棋士)の、表にでないところの大きさに、ガツンとくる。すばらしい。ありがとうと言いたくなる。グスグスする。泣きながらねます。おやすみなさい。

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2009年9月18日 (金)

江戸の幟旗 -庶民の願い・絵師の技-

覚書
松濤美術館へ。「江戸の幟旗 -庶民の願い・絵師の技-」を見に行く。江戸時代の幟旗(のぼりばた)が、ずらーっと並ぶ。爽快。面白かった!
幟旗(のぼりばた)とは、江戸時代の庶民的な絵画。浮世絵、絵馬、幟旗 というのが代表的な絵画だったそうだ。 鯉のぼりみたいなもの。端午の節句で、子供の成長を願って親戚が送ったり、神社の祭りなどに寄与したり。特別でないもの。 金太郎と桃太郎、鐘馗の図案が圧倒的に多い。 そんな中、人よりも立派なものを掲げようと、勇壮な武者を描く競争があったということは容易に想像できる。 寺社の奉納のものは、寺社名が書かれている。文字のことはよくわからないが、とてもデザイン性のあるものだった。 旗の大きさも 微妙に異なる。 個性豊かでかっこいい のぼりばたが、ずらーっと並ぶ。松濤美術館は吹き抜けになっているので、あの高い天井をいかして上から下まで折り曲げずに飾ることができる。途中の階のテラスから見下ろす構図も面白い
特別じゃないのだけど、特別。こんなに興味深い作品なのに職人が作成したもの。作者の名は残っていない。こんなに個性的なものなのに。
幟旗というものに興味を持ち、コレクターとなられた北村勝史さんのコレクション。それに、北村さんに続きコレクターになられた鈴木忠男さん、林直輝さんと、3人のコレクション総数500点の中から約100点を厳選し展示とありました。100もあったとは。面白くて飽きない。そんなにあったのねと見終わっておもった。 「その絵画表現の質の高さの提示をしようとするもの」と解説されていました。
一番印象深かったのは、「玉取姫」 海人の構図。 海人の内容のように、中央に海人が玉を手にしている。片手には刃物。下には竜宮があり、竜が首をのばしている。 上には、縄を下ろした船を操る男達が、海中を覗き込んでいる。 その上には御殿があり、公家が見守っている。 狂言小舞「海人」のまま。(謡曲なのでしょうが。) この玉を竜宮から奪い、乳の下を掻き切って玉を押し込めて、縄をひき合図する。合図に男達が縄を引き揚げる。命がけで、海のそこに玉をとりにいった海人のものがたりが、いきいきと描かれていて、面白かった。
自慢の一品だと、みせびらかして飾っていたのでしょうか。この風習が残っていなくて残念至極。
有名な書家や、画家に依頼した幟旗。幟絵が生活の中にとけこんでいる様子が描かれた浮世絵の展示もあり、面白かった。 これで300円!! 渋谷区、ふとっぱら!(松濤美術館は、渋谷区立です。)

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「女の子ものがたり」

覚書
そうそう、これもみました。西原理恵子の自叙伝的漫画を深津絵里主演で映画化。サイバラの言うことは、甘ちゃんの私にずしっとくる。 当然でしょと言い放つ強さ。 どうしてもこれは、みておきたくていってきました。
女性漫画家。描けない。もしくは描きたくない。生きていくためには好きなコトなんて書いていられないのよと口ではいうが、手が動かない。そんな現代と、子供時代とが、交互に描かれる。
子供のときには、貧乏だった。貧乏ってすごい。田舎にいて、貧乏で、そんな大人の現実をよくみている子供。自分も、こういう風になるしかないじゃん。自分の将来の結婚生活を想像し、夫の自慢は、やくざの友達がいること!そんなもんだと言って大笑いする。たくましい。 きれいごとじゃない。たくましいってすごい。 子供のころってこんなに本質がちゃんとみえていたのかな。 うまく言葉にできない、「それ ちょっと違う」という意志にどきっとした。 なっちゃん・きぃちゃん・みさちゃんの3人は、ちっちゃいときも、思春期あたりも、すごかった。あー泣かされた。最後は号泣。  
私の好きな映画は、こういうのだと思う。

今ドキの子は、手足がすらりと長いのう。 ふかっちゃんは、やっぱりキレイ。

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「20世紀少年-最終章-ぼくらの旗」

覚書
浦沢直樹のベストセラーコミックを実写映画化したサスペンス3部作の完結編。 そんな大袈裟な映画がやっと完結。第一章をみたのは、昨年の9月でした。一年もかけるとは・・・大河ドラマかっ! その上、TV放映の1章・2章を見て復習までしてのぞみました。なんて積極的な映画鑑賞。
おさると、一杯ちょっとひっかけてからレイトショーで鑑賞。爆発・大音響 苦手なのに、よくみた。おさるが一緒じゃないと見る事ができなかったと思う。 自分に、おつかれさま。見終わって、何よりも完結したことに安心しました。
原作を読んでいるときから、“ともだち”の正体がだんだん誰でもよくなってきた。映画でもそう。 うまいことまとめていたので、漫画より映画の方がわかりやすくなってました。でも、読み終わったのに 「で?」っていう困惑みたいなのが似合うと思う。めでたしめでたしとならなくても・・と思う。 
あの子供じみた考えに、人類は何故操られるのだろう。 集団って怖い。 一人できめて、一人でも動ける人間になろう。
あちこちに有名人を配置。鼻につく人と、なんだか気になる人との差が激しい。top of  ちょい役は、ダイヤモンドユカイに決定。フユカイっぽさが最高。一番面白かったトコかも。(それは大袈裟)。 
ごくろうさま&おつかれさま。そんな感想。

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2009年9月 7日 (月)

九月大歌舞伎

覚書
先月疲れがでるほど観劇したので、今月はさらっと観劇。 月はじめに、歌舞伎座をざっとみておく。 といっても、たっぷりつめこまれた演目。昼夜の間もギッチギッチ。たっぷり。

まずは、昼の部。

「竜馬がゆく 最後の一日」
竜馬がゆくシリーズも3年め。あれ?亀治郎さんのおりょうさんは?そういえば、パルコ劇場で蔵くんとお芝居してました。 あれ、猿弥さん発見。手堅いなぁ。橘太郎さん同様、でてくると安心する人。竜馬の身を案じる近江屋。主人の新助役でした。 竜馬は、近江屋に潜んでいる。大政奉還に対する反意のため、命を狙われている。
近江屋の奉公人役、おトメの志のぶちゃんと桃助の男女蔵さん。貧しい2人は怒られずに日々暮らしていくことでせいいっぱい。あきらめている。 侍にさえなれれば、今の暮らしから抜け出すことができると思いこみ、反逆側の甘い罠にはまりつつある男女蔵さん。そんなに悪いお人にはみえないという 必死なしのぶちゃん。この2人の組み合わせがよかった。
染五郎さんの坂本竜馬と、松緑さんの中岡慎太郎というアツさもよい。最後の一日のところでした。来年はないのかなぁ。

「秀山を偲ぶ所縁の狂言 時今也桔梗旗揚」
饗応の場、本能寺馬盥の場、愛宕山連歌の場。  馬盥の光秀、松緑さんのを演舞場でみたなぁとおもいかえしつつみる。イジワルだった(春永)のは海老蔵さん。 その場の前から、たっぷりと上演。 見ごたえもたっぷり。 なるほど、だからあのとき松緑 光秀の額に傷があったのか・・・等々いろいろ納得。 吉右衛門さんの武智光秀は、とにかく じっとしてる。 我慢してばかり。 うごかないのに内面の激しさをジリジリにじませていました。すごい。 富十郎さんの小田春永は、声がでかく偉そうで腹が立つ。 でも、プロンプの後に怒るので、ちょっと調子が狂う。おしい。 錦之助さんの森蘭丸も憎し憎しでした。 馬盥に注がれた酒を飲んでみせる吉右衛門光秀がすごかった。 うーむ、これが正解か!と思った。
最後の、切腹すると見せかけ、上使を切り捨て、いざ本能寺へ!という場面。みているこっちも、ずっと我慢していたので すっとした。 わかっちゃいるけど、最後だけでてくる但馬守(幸四郎さん)って、あまりにおいしいとこだけ取りでズルイよ と思う。(そういうお役だけど・・・)

「名残惜木挽の賑  お祭り」 
お祭り。芝翫ちゃんの芸者を筆頭に、鳶頭(歌昇さん・錦之助さん・染五郎さん・松緑さん・松江さん)、手古舞(芝雀さん・孝太郎さん)がずらっと。 3階からみる芝翫ちゃんのかわいらしいこと。オペラグラスなしで。失礼なコトを言うつもりでなく、全身から出る雰囲気がかわいらしかった。いい。 あっちからもこっちからも声のかかりそうな芸者さんでした。 来年の夏祭りには、もうここ木挽町に歌舞伎座はないけどなんていわれておセンチに。 しめっぽいこと言わずに明るく踊ろうという踊りに仕立ててありました。             
染五郎さんの顔って、二枚目顔だなと改めて思う。

「天衣紛上野初花  河内山」
最後に河内山。松江邸広間より玄関先まで。幸四郎さんも吉右衛門さんも、河内山お好きですね。 松江邸からだと、ちょっと悪っぷりがわからない。 松江出雲守は梅玉さん。腰元浪路(高麗蔵さん)のことを気に入り、権力にモノを言わせ我がものに。そういう感じがよーくわかる。こういう勝手な偉い人(しかも色好み)が、よく似あう。癇癪持ちの。 あんなに上品なのに。 太刀持ちに梅秋さんがでてました。10代のお小姓さんにみえました。 蝙蝠安の富彦さんも発見。密かに稚魚の会の源氏店じゃんと組み合わせてみる。 ば~か~めぇ~。


日を改めて、夜の部。

「浮世柄比翼稲妻」
鞘當と、鈴ヶ森。どちらもよくみますが、ひとつの話になるのはなかなか飲み込めません。いつの日か、国立劇場あたりで通しでみれるのでは。判明する日がくるまでのお楽しみにします。鞘當は、不破伴左衛門と名古屋山三の様子がいいところをみるのがお楽しみ。今回は、松緑・染五郎のおふたり。燕の着物は、いつみてもいい。
御存じ鈴ヶ森。今回の美少年権八は、梅玉さん。若々しかったです。権八は、以前みた 芝翫ちゃんの印象があまりに強くて・・・(お若ぇの!)。 家橘っちゃん飛脚がキュート。 雲助たちは、みんなお顔が汚れていて、隅から隅まで大好きなわたくしも、誰が誰やら判別が難しかったです。 幡随院長兵衛は、吉右衛門さん。どっしり。

「七代目松本幸四郎没後六十年  歌舞伎十八番の内 勧進帳」
けっこう衝撃的な勧進帳でした。 勧進帳も大好きなのですが、こういう感じははじめて。 大好きな問答の下りで、ん? 緊迫感は? 形はばっちりなのですが・・・。 幸四郎 弁慶さんは、なんだか芝居っぽかった(芝居だけど)。 胆をみせるというより、心のうちを わかりやすくしちゃってました。 吉右衛門 富樫さんとの対決がさらっとしてました。 人の好みは それぞれあるでしょうが。
染五郎 義経は上品でした。皆が必死に守ろうとすることが納得できる品があった。 四天王(友右衛門 さん・高麗蔵さん・松江さん・錦吾さん)が、重厚でした。
こーらいやーと、大向こうが多かった。引っ込みでは壁際に移動者続出。三階の高麗屋人気は、すごかったです。

「松竹梅湯島掛額」
最後に、松竹梅湯島掛額。吉祥院お土砂と、櫓のお七。
昼も夜も、吉右衛門さん・高麗蔵さん祭り。お二人とも、ずいぶんでていました。 最後は吉右衛門さんの紅長さん。まだまだ大活躍。
菊五郎さんの紅長さんの時は、これは誰だった、あれは誰だった と、同行のおさるとイチイチ思い出す。 この演目好きなのだなぁと自分達のことながら しみじみ思う。
5月演舞場歌舞伎(お染の七役)の福助さんの威力がまだ続いております。福助さんがでてくるといくぶん緊張する。 福助さんの八百屋お七っちゃんが、錦之助 吉三さまにせまる場では、とてもじゃないけど断れないわと思いました。 櫓のお七の人形振りは、さすがでした。 特に、黄八丈から衣装がかわったあと。うまいなぁ。台詞がない役の方が好き。 黒い櫓、に白い雪。そこにお七っちゃんの浅葱と赤の衣装が映えて、静かで激しかった。 3階からみたので、全体の美しさがよくわかりました。

九月の観劇は、これぎり。(歌舞伎はね。)

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「ステッチ・バイ・ステッチ〜針と糸で描くわたし」

覚書
東京都庭園美術館へ。「ステッチ・バイ・ステッチ〜針と糸で描くわたし」展に行ってきました。
目黒の駅で降りたら、ものすごい人だかり&モクモクとあがる煙。 どこかかからきこえてくる落語。 どうやら「目黒さんま祭」の日だったみたい。 落語会と さんまに群がる人で、前にすすめないほどの大混雑。
やっと人ごみを乗り越えて東京都庭園美術館へ。こちらも、けっこうな人出でした。 おしゃれな男子(単独行動)、おしゃれな女子達、おしゃれな若夫婦。手芸好きのおばちゃま達。という客層。 想像以上に面白い展示でした。
最初は、”手塚愛子”の作品。 最初にみた作品ですし、それがインパクトの強いものだったせいもあるが、彼女の作品がとても興味深かった。 あんなイメージが沸いたら、天下取ったような気になるのじゃないだろうか。 そのアイデアがとても気に入った。 やったーという気持ちになるだろうな。 これをつくらずにいられようかと思うに違いない。 最初の広間にかけられた白い布の作品。裏にまわるとそこから続く糸による空間に驚く。 「糸が交錯する刺繍の裏側をあえて見せて刺繍の構造を明示する作品」という小難しいコメントがかかれていました。そんなのを読むより、ぜひ一見を。お勧め。 布からあふれ出るもの。 崩れ落ちるといおうか。 そのイメージが面白い。 「落ちる絵」とは、全く うまいこと言ったものだ。 この庭園美術館という建物、朝香宮の隅々まで徹底したアール・デコの館にあるからこそ、こんなに迫力があるのかもしれない。 布(糸)と美しい装飾の館は、いい関係である。
”秋山さやか” の、地図をプリントした布の道筋の刺繍(装飾)も面白かった。沢山の糸や布や地図でちらばった部屋のインスタレーションは、難解でなく 面白かった。真似てみたくなるほど。
”村山留里子”は、「奇麗の塊」シリーズらしい。確かに綺麗なものの塊。つられたマントの中に輝く美しい塊。それが、端しかみえないところがいい。どことなくグロテスクで残酷なところが、少女そのものだと思った。
”奥村綱雄”。 「手垢がしみこみ変色した刺繍作品」 それだけできくとウヘェーである。だが、その細かな作品は面白い。刺繍といわれても刺繍にみえない。絨毯をきりとったものかと思った。 手仕事というより、職人技。 時間を惜しみガードマン中にも作成。作成できるようあえてガードマンの仕事を選択。そして、こんなに根をつめて、特に意味のないものを作るという考えに仰天。 ガードマンの制服、仕事中の刺繍作業写真(さぼり?)を含め、作品なのだな。 男の刺繍。
”清川あさみ” 雑誌のようなポップな作品もきれいだった。 明るさで コンプレックスをだすというのが面白い。女子はキラキラが好きという遺伝子を感じた。
ヌイ・プロジェクト nui project。 なぜ、これだけプロジェクトなんだろうと思いつつみる。 ”大島智美”のビーズ刺繍は、「型」のようなだなと思った。作品というより型。 これが年を経て いい感じにボロボロになったら、儀式の際に使用したものと解説がつきそうな雰囲気をもつ。長いこと使われてきた型のようでした。 ”吉本篤史”の糸を結ぶという考えは、村ぐらいの小さな単位の集団の中で 大事にされてきたもののようでした。 貴族に愛されるものではなく、思い出の中にあるような温かさ。 2人の作品の所蔵が「しょうぶ学園」となっていた。 鹿児島県にある知的障害者施設らしい。 障害があるからでも障害があるのにでもない。個人として発表されるべき作品であるというようなことが、図録に強く書かれていた。 所蔵先に目がいかなければ、全く気がつかなかった。 気がついても つかないくてもいい問題であるけれども。 アーティストというより、職人のようで 意志があった。 押し付けないがしっかりした意思を感じた。
他に、”伊藤存”と”竹村京”。 この8人のメンバーでの展覧会。 どうやってあつまり、どうやってこの館と結びついたのであろうか。

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「陶 愛と死の融合 十二代三輪休雪」

覚書
大袈裟なポスターが気になった、「陶 愛と死の融合 十二代 三輪休雪」展に行って来ました。於:日本橋三越本店。 チラシには「炎に託した、愛と死のかたち。」とかかれていました。ますます大袈裟。十二代目とは?
入ってすぐの作品。「続・卑弥呼の書 No.2」1992年 H62×W235×D169cm 。 大きかった。 陶とあるので、これは陶器なのでしょう。 エジプトから発掘されたもののレプリカのように感じました。
頭の中が?のまますすむ。 次の作品は、東京藝術大学卒業作品。 陶器でできた、白いハイヒール。「愛の為に(ハイヒール)」1967年 H22.2×W29.8×D8.3cm 。 一見かわいらしいこのモダンなこの作品は、よくみていると古風でもある。
三輪休雪は山口県萩市生まれ。茶陶で有名な萩焼の名門の出身だそうだ。 父は人間国宝 十一代 三輪休雪。 萩焼窯元、三輪窯の当主の御子息の卒業制作、そのプレッシャーをはねかえすどころか はじきとばすような作品。 1967年に、この作品というのは、相当センセーショナルだったのではないだろうか。 ろくろで成形と書かれていた。ろくろをどうつかったら、このような(ハイヒール) 造形ができるのだろう。 俄然 面白くなってきた。
ハイヒールの次に現れたのは、萩焼の真っ白な釉薬と厚手の茶器、茶碗。単純な形なのに、想像力がわく形。 茶器の知識はゼロだが、意味を感じるところが面白い。 この器に花をいけたとことを想像して欲しいというようなコメントもいい。LOVEという文字があしらわれた華器は、花をいけたところから愛があふれでるのだそうだ。
摩利耶というシリーズは、女性の胸部を華器にした作品。若々しかったり、朽ち果てたり。展示部分に畳をひき、床の間風に展示されている。「茶室にエロスをもちこんだ」 というコメントが印象的。
うちの居間よりも大きそうな陶器の作品などよりも、こぶりのものが印象的でした。 (朽ち果てた木造仏像を 黒い陶器で表現した作品は、大ぶりだが印象的だった。)
「愛」。「生」と「死」。「エロス」の表現。どうだ、新しいだろうと 斬新さで強引に押すというものでなく、落ち着いた面白さがあった。
休雪という名、十二代目を襲名したのは2003年とのこと。 これだけ前衛的な方なので、いろいろなことがあったのでは想像した。
本展はパリ・三越エトワール帰国記念として開催。 パリっ子もさぞ、驚いたであろう。 私も驚いた。

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2009年9月 4日 (金)

「南極料理人」

映画の日に映画を!一昨日、『南極料理人』をみてきました。まっとうに食事をすることが大切っていう映画が大好き。
堺雅人演じる「西村さん」の仕事は南極 ドームFUJI基地の調理担当。以前テレビ情熱大陸で南極基地の料理人の人がとりあげられていた。南極に行く前に、予算内での仕入から、食材の調理、冷凍に乾燥という作業が発生していたのをみてびっくりした。気になっていた仕事の思わぬ面をみることができた。
自分を含め8人の隊員。その8人が毎日3度食事する。毎日毎回寝食を共にする。どこにも行き場のない暮らし(外にいったら凍え死んじゃうので)。のーんびりした画面の中からも、大変さがよーくわかった。
科学博物館の南極のふしぎ展にもいきました。昔の隊員達の個室と、現在の隊員達の個室の違いが面白かった。そういえば、南極観測隊と回線をつなぐ時間帯がありました。子供が質問しているのを、一緒に体育座りして聞いてました。映画にもこんな場面がありました。
あれ、南極好きなのかしら、私。
時々、みんなに限界がきて、それぞれ爆発して。でも、そんなにすごい爆発はできない。同じところにいなくてはならないから。見守るんだか、そばにいるだけなんだかわからない、なんともいえない付き合い具合が、面白かった。
小さなエピソードにも、ちゃんとオチがつくところが、愛くるしい。
「おいしいものを食べると、元気になるでしょ。」っていう映画。贅沢な食材だからじゃなく(カニもあったけど)、まっとうな食事だから。だんだん、おかあさん化してくるところがお気に入り。おいしそうなごはんでした。唐揚げ食べたい。

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2009年9月 3日 (木)

『初恋温泉』

9月になった。秋になった感じがヒタヒタとしてきた。
これは、温泉ねと思い、吉田修一の『初恋温泉』(集英社文庫)を読む。温泉恋愛は、ハードルが高い、ような気がする。温泉は、独特の雰囲気があるところ。家族と、女同士と、男女とじゃ、温泉の意味がかわってくる。
温泉での出来事というより、温泉にいくことになったために起こった出来事、(+心の出来事)という設定が、うまいこと作用している。
結婚して何年も経った夫婦が温泉にいくことになる。憎んでいないのに寄り添っていかない心とかに、どうしようもなくなり眉間にしわをよせつつ読む。最後は若者。まだ高校生。青臭いといえばそれまでだけど、最後の一言にまいった。きもちのいい まいりかた。人生にすれてる場合じゃないわと思った。

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2009年9月 1日 (火)

「MAMプロジェクト009:小泉明郎」

覚書
森美で、同時開催の「MAMプロジェクト009:小泉明郎」もみてきました。ビデオ・アート。
ちょっとほろっとさせられる手紙のあとのシニカルさとかが変な面白さ。長さがちょうどいいような。

つつしみという字はどうかくの。こうしてこうしてこうかくの~。
忘れてしまったようです。ツツシミ。
お友達が来てるよというおさるからの知らせに、おうちに飛び入り乱入。しかも、御実家へ。近所だからといっても、楽しみすぎちゃいました。はしゃぎすぎてごめんなさい。
すこぶるおいしい食べ物の山。おいしいアルコールの泉。そして気のいい人しかいない空間。 抑えがききませんでした。
とても楽しかった。
翌日、オツムが痛かったのは二日酔いかしらん。インフルエンザかも。観劇疲れかなぁ。選挙にあたって、日本をうれいていたからだと思う。たぶん。

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「アイ・ウェイウェイ展-何に因って?」

覚書
週末、森美術館へ。行く夏を惜しみ、浴衣でいってみました。
現代中国で最も刺激的なクリエイターの挑戦と副題のついた、アイ・ウェイウェイ[艾未未]の個展。
現代アートを理解したとは、なかなか言えない。でも彼の作品は考えやすかった。わけのわからない感じを楽しむってよりも、何か意味を考えたくなる。同じアジアだからであろうか。扱う素材「木」の使い方に、親しみがあるからであろうか。とても面白い展示だった。
花梨や、茶葉で「1立方メートル」を表す作品からはじまる。家の中にあっても違和感ないようなその計上がいい。干し草のにおいかと思ったら立方体になったプーアール茶の香りでした。木の香りやお茶の香りがしてきそうで、この先も作品のにおいを、つい嗅いでしまう。
《蛇の天井》 蛇腹のようにクネクネした物体が、天井にはりついている。リュックサックで造られた蛇。みための面白さと異なり、深い意味がある。昨年の四川大地震で沢山の学校が倒壊の被害にあった。子供達への鎮魂歌だそうだ。頭のリュックは大きく、しっぽのものは小さい。正式に死者数を発表しない国家に対し、公式発表を要望する活動をしたそうだ。戦い方にはいろいろある。アートにその力を見出した人なのだと、熱い気持ちがわいた。
《月の箪笥》 名前がきれい。花梨の木で作られた高さ3メートルはsろうかと思う箪笥のようなものが並ぶ。胴体に開けられた穴からのぞくと月の満ち欠けがみえる。途中で人がのぞきこんでいて、むこうまでみえないときにも、そこに意味が生まれるような気がする。難しいことを抜きにしてきれい。穴があいたタンスとは。考えこむことも面白い。この作品もにおいがしたような。
木を寄せて、中国を作った作品が多かった。それぞれ味があり、うなった。これらの作品は、アイ・ウェイウェイのイメージしたもの。実際につくったのは職人。その関係も多いに気になる。職人の技もすばらしかった。新しいし、強い想いがあるが、攻撃的なものを感じないところがいい。
逆に、新石器時代の壺を使った作品のキツさが印象的。必要以上にねじまがった方法で伝えようとしているのではと思った。
「ドクメンタ12」(2007年にドイツで開催した現代アート国際展)で、大プロジェクトがあったそうです。1001脚の清時代の椅子と、1001人の中国人を開催地カッセル(ドイツ)へ連れて行くというもの。??? 友のその説明が面白かった。パスポートすらもたない山村の人が、参加しようとする様のドキュメント映像が面白かった。2時間以上の映像なので、一部しかみることができないけど。その時に展示された椅子がありました。そこに座って映像をみることができるのも面白い。
最近のものでは、北京オリンピックスタジアム「鳥の巣」の設計にかかわっているそうだ。
名前はかわいらしくアイ・ウェイウェイ。クマのような相貌(割と兇暴な感じの・・・) あたたかさや、正義への追求心や、人の中にあるねじれた感情とか、突拍子もなさとか、まじめさ、素朴さ、いろいろなものを感じた。どんな人なのだろう。 
今、思い返してみても面白い。これはもういちどいってみようと思う。

いつものメンツでの森美。すこぶる面白く、とても刺激的だった。芸術的感想だけでなく、生き様も。大袈裟だけど。しばらく会えないのかなと思うとちょっぴりおセンチになった。

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