「陶 愛と死の融合 十二代三輪休雪」
覚書
大袈裟なポスターが気になった、「陶 愛と死の融合 十二代 三輪休雪」展に行って来ました。於:日本橋三越本店。 チラシには「炎に託した、愛と死のかたち。」とかかれていました。ますます大袈裟。十二代目とは?
入ってすぐの作品。「続・卑弥呼の書 No.2」1992年 H62×W235×D169cm 。 大きかった。 陶とあるので、これは陶器なのでしょう。 エジプトから発掘されたもののレプリカのように感じました。
頭の中が?のまますすむ。 次の作品は、東京藝術大学卒業作品。 陶器でできた、白いハイヒール。「愛の為に(ハイヒール)」1967年 H22.2×W29.8×D8.3cm 。 一見かわいらしいこのモダンなこの作品は、よくみていると古風でもある。
三輪休雪は山口県萩市生まれ。茶陶で有名な萩焼の名門の出身だそうだ。 父は人間国宝 十一代 三輪休雪。 萩焼窯元、三輪窯の当主の御子息の卒業制作、そのプレッシャーをはねかえすどころか はじきとばすような作品。 1967年に、この作品というのは、相当センセーショナルだったのではないだろうか。 ろくろで成形と書かれていた。ろくろをどうつかったら、このような(ハイヒール) 造形ができるのだろう。 俄然 面白くなってきた。
ハイヒールの次に現れたのは、萩焼の真っ白な釉薬と厚手の茶器、茶碗。単純な形なのに、想像力がわく形。 茶器の知識はゼロだが、意味を感じるところが面白い。 この器に花をいけたとことを想像して欲しいというようなコメントもいい。LOVEという文字があしらわれた華器は、花をいけたところから愛があふれでるのだそうだ。
摩利耶というシリーズは、女性の胸部を華器にした作品。若々しかったり、朽ち果てたり。展示部分に畳をひき、床の間風に展示されている。「茶室にエロスをもちこんだ」 というコメントが印象的。
うちの居間よりも大きそうな陶器の作品などよりも、こぶりのものが印象的でした。 (朽ち果てた木造仏像を 黒い陶器で表現した作品は、大ぶりだが印象的だった。)
「愛」。「生」と「死」。「エロス」の表現。どうだ、新しいだろうと 斬新さで強引に押すというものでなく、落ち着いた面白さがあった。
休雪という名、十二代目を襲名したのは2003年とのこと。 これだけ前衛的な方なので、いろいろなことがあったのでは想像した。
本展はパリ・三越エトワール帰国記念として開催。 パリっ子もさぞ、驚いたであろう。 私も驚いた。
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