ビバ花形歌舞伎 怒濤の夜の部
文化の日に、演舞場にいってきました。花形歌舞伎は、やっぱりいいなぁ。毎年11月のお楽しみです(毎月お楽しみではあるけれども)。 実力をつけてきた若人の健闘舞台は、とても面白かった。
「鬼揃紅葉狩」の面白かったこと。戸隠山の鬼女たちがすごいのです。笑いたくなるような迫力。あれでは、八百媛の菊さまがどんな名刀をあたえようとも、維茂 松緑さん一行は太刀打ちできないのでは???という心配を余儀なくさせる大迫力。隈取りの鬼女がずらりと居並ぶ中でも、天才 右近鬼女は はっきりわかるということに、圧倒されました。うんまいのう。 荒れ狂う鬼女たちは大変危ない。いろんな意味で。 亀治郎鬼女の、意気揚揚とする様もすごかった。刺されても刺されても、ちっとも弱ることがなさそう。更科の前から鬼女になったとたん、顔がものすごく大きくなったような気がした。存在感ありました。更科の前の舞いつつニヤリとするところはわかりすぎるほど。企んでいる感が面白かった。鬼女大集合の面白かったこと。かぶいて候でした。
最初の演目は、通し狂言 三人吉三巴白浪。黙阿弥の名台詞「月も朧に白魚の篝も霞む春の空...」のところ。菊之助お嬢が、耳に心地よい台詞を運びながら、川面を眺めたり 遠くをみたりと目を使うところがとても印象的だった。表情をつけすぎると台詞が響かないであろう。匙加減のよさ。 この場は台詞の調子を聴くだけでなく、大悪党なのに その情景をのどかにうまいこと例えているという様も、みどころなのだと気付きました。 声がいいので、より心に響いたのかもしれません。
松緑和尚は、お嬢お坊の兄貴分らしい貫禄がきちんとでていました。松緑さんは、うまい時と あれ?と思ってしまう時の差が激しいなぁと思っていましたが、近頃 安定したものを感じます。 思い悩む様など感情がわかりやすいところが若々しさを感じる。 愛之助お坊は、横顔がきれい。目のこしらえがとても格好いい。安定してうまい。 ここに海老蔵さんもいれば・・・と、贔屓は めちゃくちゃな希望を持ってしまうのです。 だって、若手で通しをしても飽きないようになっているのだかもの すごいことです。
若手の中で、キラリと場を引きしめていたのが歌六さん。うまいのはいつものこと。とびっきり格好よかったのが、百両の金を取り返そうと飛び出てきて花道にかかるところで転びそうになった様で型を決めるところ。 キャッっと思う格好よさでした。じいさんなのに(役が)。愛之助お坊に、喧嘩を挑むきっかけの啖呵も決まりました。いつから、こんなに歌六好きになったのかしらと思い返しつつみる。 実は菊之助お嬢の親だった八百屋九兵衛に権一さん。ひさしぶり。また小さくなってしまったそのお姿に息をつめて台詞を聞きました。ちょっとドキドキしました。出てくるだけでうれしいのよね。 寺の坊主になっていた亀寿さんは、ちょっと愚鈍な感じがうまい。梅枝くんのおとせは間違いないうまさだし、松也くんの十三郎の頼りない若者ぶりもよかった。しっかりしてる花形歌舞伎でした。
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コメント
いいですよね~「花形」!
やっぱり歌舞伎に必要なのは若さ♪勢い♪ですよ(笑)。
私の観劇はまだ先ですが、とっても楽しみです!
投稿: 恵美 | 2009年11月 7日 (土) 12時58分
あのねぇ、あのねぇ、恵美さま。
次の演舞場観劇は仁左衛門さんっぽい日です。
投稿: マイチィ☆ | 2009年11月 9日 (月) 23時10分