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2009年12月17日 (木)

歌舞伎座 十二月大歌舞伎 ~夜~

覚書
京の都へ向う前に、歌舞伎座へ。まずは夜の部から。南座顔見世対策のため、歌舞伎座は3階にて。
まずは、「引窓」 双蝶々曲輪日記。浅草や歌舞伎座でこの前後の演目が かかったりしたので、引窓での位置づけがよくわかり、より面白くなってきた。 三津五郎さんの南与兵衛がよかった。 代官の立場より、私は 母上 あなたの子ですよと にっこり引き受ける。 うう。泣ける。 2人の息子を思うが故に迷う母 お幸、右之助さんの厳しさが素晴らしかった。母を思い、夫を思う 三津五郎さんの妻 お早の扇雀さんもよかった。 濡髪長五郎は、橋之助さん。相撲取りの拵えが格好いい。与兵衛が手水鉢へ近寄る時に、膝行で近寄った。今「膝行」に興味津々なので、ひそかに色めきたった。 スーパーテク、高頬の黒子取りのところは 泣きながら くすりとしてしまう。
非常にキャストのいい 引窓でした。 あったかくて、ジーンとした。 出世より何より家族が大切 というあたりまえのよさに 気がつこう。日本人よ。
次に「雪傾城」御名残押絵交張(おなごりおしえのはりまぜ)。 芝翫ちゃん、お幸せね という一幕。 孫と踊る傾城さん?! 勘太郎、七之助、児太郎、国生、宗生、宜生と沢山のお孫さんに囲まれて、幸せそう。安泰という文字がみえましたことよ。 幕間にロビーで成駒屋 ・ 中村屋奥様 勢ぞろいの図をおみかけしました。愛ちゃんも加わっていました。初々しい。そこにも安泰の文字がみえましたことよ。  ちびっこながら宜生くんの堂々とした様が頼もしかった。
最後に「野田版 鼠小僧」。再演の余裕を感じました。すっきりしているし、野田秀樹の心情がよくでていて、よくできた話だなと思う。この人の描く大衆の怖さは、よくできている。いつも、ハッとし ぞっとする。 初演では阪東吉弥さんが出ていらしたなぁと、思いをはせる。おじいさんのように亡くなった人の話ばかりしてしまいますよ。好きだったのでね。 元清水大希くんのことも思う。うまかった。(鶴松くんとして元気に頑張っているけど・・) 勘三郎さんはどんな時でも勘三郎で、実にいい間合いがある。 うまいな。笑いながら泣かされる。あのグダグダの寸前みたいな くずし具合がいい。 七之助くん、すごい。徹底的に演じきって、決して下品にならず、歌舞伎味がある。声も枯れない。(←ここは染五郎さんに言いたい) 三津五郎さんの調子いい大岡ぶりや、はじける大岡妻 の孝太郎さんも、新作ならでは味わいを出していました。 人が沢山でて、一気に動いていてもうるさく感じないのはすごいと思う。 面白かった。
野田秀樹が、歌舞伎をということで観にきた若者が、あれ?歌舞伎っていいかもと思うきっかけになる月になりましたね これは。余計な御世話だけど。 古典も新作もしっかりした満足の舞台でした。

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コメント

今月夜の部は「鼠小僧」だけ拝見しました。初演よりも大分おもしろくなっていますね。笑いの中に大衆の怖さを感じました。ゾンビよりもコワイのは人かもと思いました。(昼の部はまだ見ていないのですが...) 初演のちび三太は、ぴりりとして良かったですよね。(芸達者の鶴松くんと梅丸くんが合体しちゃってますね

明日、昼の部を見に行ってきます 朝、起きられるかしらん

投稿: kirigirisu | 2009年12月17日 (木) 15時09分

kirigirisuさま
しまった。鶴丸くんって書いちゃった。鶴松くんでした。修正しました。ありがとう。
梅丸くんと混ざったの。そのとおりです。お見通しですね。
梅丸くんは南座でがんばっていましたよ。
「鼠小僧」は、やっぱり面白かったです。

投稿: マイチィ☆ | 2009年12月19日 (土) 01時00分

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