式能
覚書
先週の日曜日に、国立能楽堂で「式能」をみてきました。第1部と第2部を通して観る 五番立てになります。しかも各流派による能5曲というすばらしそうなもの。歌舞伎なら昼・夜通しなんでへっちゃらですが、能楽はちょっと無理。第1部だけを堪能してきました。 金春流「翁」65分・「竹生島」75分・和泉流狂言「福の神」20分 一気にみたあと30分の休憩をはさみ、宝生流「俊成忠度」50分・大蔵流狂言「蝸牛」30分 たしかそんな時間配分。一気にみるには、さすがに集中力がおちてしまいます。とくに万作師の三番叟を ギュッと集中して観たので、竹生島はちょっとフラフラしました。 休憩して、おにぎりも食べ、俊成忠度。わからないながらも けっこうしっかりみました。最後に、大蔵流「蝸牛」。狂言といえば、ほぼ和泉流のものしかみないので大蔵流は興味深かった。太郎冠者の善竹十郎さんにひかれました。
「翁・竹生島」のあと見所からどなり声が。他人ながら、ドキドキしました。五穀豊穣を祈るあんなに厳粛なものをみた後で、あんなに怒らんでも・・・ 怒っているうちに自分に加速がついて止まらなくなったようにみうけました。正しい意見なのかもしれないけど、あんな言い方をしては、それはもう悪だ。 なんだかしょんぼりした気持ちになったとき、そのまま舞台で「福の神」がはじまった。祈っていると福の神があらわれる。元手はあるかと神が尋ねる。元手があれば祈りにこないと返答する。そののどかなやりとりや、福の神の笑い声で すこし気分をもしなおした。笑いってすごい。狂言万歳。 (元手は、金銀財宝米銭のことでなく大切に思う気持ちがあるかということだと神を言っておられました。)
特に、最後の大蔵流の狂言で、「山伏でーす」と元気に大声で名乗るをきいて、ハハハと笑い、楽しくなりました。 職場でも、イライラしたり ウツウツしたりしていても、お昼に仲間と笑ってご飯を食べると身体があったまって、ちょびっと元気になっている気がします。 笑うって大切。 狂言っていいお稽古ごとだなと思いました。
万作師の三番叟をとても楽しみにしていきました。どんなに楽しみにしてもその期待をさらに上まわる気持ちになります。特別なものという個人的な思い込みもあると思いますがね。足の運びとか、ひとつひとつの動作をみているだけで、なんだか胸がいっぱいになります。ちゃんとわかっていないと思うけど、なんだか訴えてくるものってあるとおもう。
昭和20年に社団法人能楽協会が創設されて以来、毎年 江戸式楽の伝統を受け継ぎ、シテ方・狂言方全流儀が揃っての翁付五番立てにより開催されてきた「式能」だそうです。上演50回の節目だったとのこと。こうやって書くと重さに押しつぶされそう。そんなにすごいものと知らずにみにいき、思わぬこととか考えたりしました。
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