眼福 「花形歌舞伎」祭
いやぁ、素晴らしかった。
眼福眼福。大満足。堪能しました。
最後の週末、花道近くの最前列でじーっとみてきました。同行の友人と、それは興奮しましたことよ。魅せる男達だねぇと。 そして千穐楽にも。助六だけでもと3階を押さえておいてよかった。みおさめしてきました。観にいって、こうウキウキした気分になるのっていいなぁ。
一谷嫩軍記 熊谷陣屋。すばらしかった。もう、4月の思い出などよぎることなく集中して観劇。 それが若さなのか、とにかく わかりやすい。感情がむき出し。 実は わが子に手をかけたんだという悲しさ満点で、染五郎 熊谷登場。 七之助 相模も、松也 藤の御方も、隠していないくらい悲しがってた。 そこがよかった。 特に、相模の七くんのすばらしいこと。 本当は子供がいるんじゃないかと思うほど、いとおしそうに首だけになってしまった我が子を抱きしめる。その姿にもらい泣きしました。 海老蔵 義経も、わかりやすかった。そこがどんな苦境にも、凛として立ち向かうようでよかった。 熊谷にかけた「健吾で暮せよ」という言葉に、たっぷり愛情がつまっていて これにもまたじーんとした。 最後の、渡し言葉 「武士を捨て」の亀三郎さんの言い方もよかったなぁ。全てわかって何も言わず見守る家臣の姿でした。 妻のなげくのをじっとみる熊谷の顔がよかった。 妻がぐっとこらえて藤の方へお知らせしたら、まっすぐと前をむいて妻のことを見ようともせず 武士としての務めを果たそうとする厳しい顔つきも。 隠しごとが丸見えなのだけど、あのあつさがよかった。 16歳の子を持つ彼らは、このぐらいの年の人達なのかもなと思いながらみる。 もっともっと成長していかれるのでしょうが、今のこの気迫はすごかった。義太夫(谷太夫 宏太郎コンビ)もよかったなぁ。特に三味線。 舞台をしめたのは、弥陀六の歌六さん。うまいなぁ。幼子の頼朝・義経を助けたから、今 この 平家の衰退をみなくてはならなくなったと、わが身を責めるところが、素晴らしかった。
うかれ坊主の松緑さんで、明るい気分になる。
最後に助六。福助さん、気持ちよさそうだった。歌六さんの髭の意休は、台詞がはっきりと届く。えぇそんなことを言っていたのと改めて驚く。 揚巻に「ど傾城」と悪態をついてました。紙子を着てじっと我慢の助六に 3人兄弟、力をあわせればと香炉を斬ってみせる。3人兄弟なの?? 言葉をきちんと聞きとらせるものの言い方をする方なのだなぁ。だから、心に響くのかも。歌六さん。
「水入り」まで上演すると、吉原仲之町の若いものがいっぱい登場します。いせいのよい男衆がステキ。福助揚巻がタンカをきると、そこまでおっしゃるなら間違いはないのだろうと、あきらかに目の前にいる助六を見逃す。他をあたれと去っていくところが格好よかった。揚巻さんじゃなくて、お弟子さんたちいっぱいのそっちをみちゃった。
助六さんは、でずっぱりで見放題。新十郎さんの後見ぶりも楽しみました。理屈じゃなく、スカッとする芝居。華やかで豪華で粋で楽しかった。
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