« 『孤宿の人(上)(下)』 | トップページ | 『生きるコント』 »

2010年5月22日 (土)

『お嬢さん』

三島 由紀夫の『お嬢さん』(角川文庫)を読む。初文庫化の作品だそうです。
大手企業重役のお嬢さんが、花婿候補の中からお相手を考え、結婚を考え という手順をぐちゃぐちゃに進む。刃向っても 所詮お嬢様のすることという雰囲気がいい。ドラマにしたら くだらなくなりそうなところを三島が描くと 文体の美しさが頭に残る。さすが。
婚活とか、今しかわからない言葉でなく 美しい言葉はいつまでも美しい。主人公 かすみお嬢様が、友達 智恵子のことを お智恵と読んだり、プレイボーイという言葉を使ったり、いい意味の古くささは、上品な印象になった。
こんなに読み易くていいの?という筋立て。疑惑や、駆け引きといったものはどの時代にもあるものだけれども、この落ち着き方はすごい。単純さと繊細さが美しい。
なんともいえない余韻が残る。

|

« 『孤宿の人(上)(下)』 | トップページ | 『生きるコント』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/81962/34824695

この記事へのトラックバック一覧です: 『お嬢さん』:

« 『孤宿の人(上)(下)』 | トップページ | 『生きるコント』 »