細見美術館アートキャンパス2010-日本美術の見方 京都(みやこ)編-
覚書
細見美術館で、「細見美術館アートキャンパス2010-日本美術の見方 京都(みやこ)編-」をみてきました。どうやら、毎年夏季にアートキャンパスという試みがあるらしいです。美術館をキャンパスに見立てた「アートキャンパス」というのはわかりませんでしたが、「みやこ」に焦点をあてた展示は面白かった。京都の名所を描いた絵画と京都出身作家の作品。
まずは、京都を描いた作品から。屏風と、そこが京都のどこにあたるのかをあわせて展示。 『四条河原図巻』をみて、これはここかなと考えたりする。狂言を演じている場面があって、持ち物から演目名を想像したりする。場所がわかるとみていてなお面白い。お寺などの造りは現在とあまり変わっていないなぁなどと、一つ一つ楽しい。
小沢花嶽『蝶々踊り図屏風』。江戸後期の作品。庶民が踊り狂う様がかかれている。10cmくらいの身長で人間が描かれているので、着ているものがよくわかって1人1人が面白かった。町人の中には、扮装しておどっているものもいる。犬も猿も十分ユーモラスなのだが、一番惹かれたのは石灯籠マン(勝手に命名)石灯籠をきて踊っているのです。灯篭に手足。デフォルメされた描き方ではなく非常に写実に描かれているので、あっけにとられました。すごい!この場面の乗った絵葉書が欲しかったなぁ。入手した絵葉書は、なめくじ男とガマ男、トカゲ音尾がいます。芸人のきている動物きぐるみのようなチャチいものじゃない。衣裳みたい。すごい踊りだ。とにかく、ラブ・石灯籠マン。
次に京都出身作家の作品。 本阿弥光悦 俵屋宗達 尾形光琳 池大雅 円山応挙 伊藤若冲 錚々たるメンバー。 若冲の『虻に双鶏図』 が印象的。虻をみる二匹の鶏の眼つきがいい。やや上空をにらむようにいぶかしくみている一瞬を、なんでこんな風に描くことができるのでしょう。あっぱれ。
平日に訪れたせいか、館内では青年と紳士と私の3人しかいませんでした。なんとなくゆずりあいつつ、ぬきつぬかれつ鑑賞。各部屋に鑑賞イスというものが置いてありました。(今回初の試みだそうです)。丸イスを好きな作品の前において座ってじっくりみることができるようになっています。 今回の企画だけ何回も入館できるチケットや、おもしろそうなトークショーなど、凝った企画があれこれ。リピーター限定参加企画のように参加にハードルをあげているものも。さすが。やるなぁ、細見美術館。
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