訪欧凱旋 海老蔵奮闘公演 夜
覚書
夜の部は、大阪在住の叔母と鑑賞。昼の部に引き続きまた最前列で鑑賞。叔母も喜んでいました。引き続き海老蔵さんはものすごい体力と集中力で大奮闘。
木の実。團さまの権太に新之助さんの小金吾の時の国立のカレンダーをいつまでも貼っています。あの小金吾が、立派な権太になって・・・
いがみの権太の海老蔵さん。悪い男をさせたら、絵になること。悪くて愛きょうがある。花道すぐの席でしたので、木の実を取ってやろうとか、何かとものすごく近くにあらわれて、とてもドキドキしました。 悪い時の権太は、活き活きしていました。あの白黒孔子の着物の裾を、これでもかとまくりあげて登場するのとか、権太は決まるなぁ。小せんの吉弥さんも、うちの人のことが好きそうで、よかった。吉弥さんがいると時代感が出ていいです。
お里ちゃんは梅枝くん。まぁ、うまい。恐ろしいほどうまい。そして若々しい。最強ですね。弥助は門之助さん。おっとりして身分が高そう。親バカな母親の右之助さんは、かわいらしかった。鮓屋弥左衛門の市蔵さんは手堅い。頑固おやじっぷりでよい。
悪人づらして、内侍親子の変わりに、妻子に縄をかけて戻ってくる。押し隠した悲しさに、またみせられました。下手からそっと妻子に送る視線。心の中で手を合わせてる気持ちが痛いほど伝わり、涙が出ました。梶原平三景時への引き渡しのところが、すばらしくよかった。筋を知らなくても歌舞伎は楽しい。でも心情を全てわかった上でみると、所作に込める想いの大きさにドーンと胸を打たれます。心にしみました。
もうひとつ驚いたのが、男女蔵さんの梶原平三景時。 悪人代表のように登場し、維盛の首を差し出せとせまる。しかし梶原は全てわかった上で、維盛の首と認めていた。それはすし屋の最後に陣羽織を裂くことでわかるのですが、梶原が花道の七三で立ち止まったときに 一度眼に涙を浮かべ、とても切ない表情をみせた。ツケが入りまた表情も悪人にもどし、花道を去っていった。ふとみせた切ない表情がとてもよかった。
川連法眼館。玉三郎さんの静御前は、義経に近寄るときに本当にうれしそう。どこかおっとりしたところを残して、姫御前だなと思う。子狐海老蔵ちゃん、まだまだはりきっていました。
今回初めて蔵王堂をみました(たぶん)。おかしくなっちゃうほど、盛大な立ち廻り。いいねぇ。やんややんや。蔵王堂だけ上演すればいいのに。何の事やら わからないでしょうが・・・ もう一回みせて!と思うほど面白かった。蘭平のような大立ち廻り。この蘭平の立ち廻りをつけた立師の人の才能はものすごいなぁ。今回の立師は新十郎さんと番付けに名前がありました。 蔵王堂は、佐藤忠信が登場。もちろん海老蔵さん。川連法眼館の忠信しか観る機会がないので、リアル忠信 大活躍で楽しかった。 見事な立ち廻りでした。花四天軍団すばらしかった。
あっぱれな奮闘公演でした。 予は大満足じゃ。
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