« 顔見世・夜の部 | トップページ | 『砂漠』 »

2010年11月 9日 (火)

『百日紅』

テレビでちょっと北斎の肉筆浮世絵が流れた。この女の人はなんてきれいなのだろうと もう一回みたいと願っていたら夜鷹図で驚いたという思いでの作品だった。そういえば持っていたなと思い北斎の漫画を再読。杉浦 日向子さんの『百日紅』(上)(下)を読む。読むたび傑作だなと思う。
杉浦 日向子さん。もう、この世にいないのね。もっともっと読みたかった。北斎や手塚治虫は、もっともっと生きていてもっともっと描きたいという執念を感じる。描きたいものがまだまだあるんだという、濃厚な人生がまぶしい。
葛飾北斎と娘 お栄、居候の善次郎(のちの英泉)が暮らす汚い長屋。生首をみたかったと悔しがる絵師心とか、気にしているのに私のしったこっちゃないと強がるさまとか、細かい感情模様がいい。北斎の絵のとらえ方のすごさとか、絵の腕のいい人へのかなわないなぁという哀しさとかあこがれとか、いろんな思いが面白い。
だらしなく、淡々としつつ、貪欲な北斎。娘お栄のささえ方。北斎の絵だけでなく、北斎ってどんな人なのだろうとますます興味がわく。部屋に無数に転がる反古にした紙くずを広げて見てみたいと思う。この時代の空気みたいものを感じるすごい2冊。歌舞伎役者のように、簡単に江戸時代につれていってくれる好きな本です。

|

« 顔見世・夜の部 | トップページ | 『砂漠』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/81962/37601415

この記事へのトラックバック一覧です: 『百日紅』:

« 顔見世・夜の部 | トップページ | 『砂漠』 »