『オケ老人!』
なんだこのタイトル!?と思い手にとりました。荒木源の『オケ老人!』(小学館文庫)を読む。ちょんまべぷりんの方だそうです。
34歳の数学教師が、転勤を機に訪れた地「梅が岡」で ふらっとアマチュアのコンサートを聞きにいく。学生時代の音楽魂に火がついてしまう。そういうものなのかなぁと、のんびりした感じで読んでいると、面白いくらいどんどん変な方へ転がっていってしまう。コンサートで聞いたのは梅が岡フィルで、入団を申し込んだのは、梅が岡交響楽団(梅キョー)だった。そこはお年寄りというか、じーさんばーさんしかおらず、おもいっきり下手っぴいであった。誇れるのは、おそらく平均年齢世界最高齢であろうということだけ・・・ 頑固だし、人の言うこときかないし、耳は遠いし、身体は動かない。でも、悪い人じゃないからこそ、断れわることができない。あーもうーと思いつつ、主人公のうまくいかない様を楽しく読む。
街のアマチュア楽団という小じんまりとした規模であり、日本とロシアの国家機密のようなむちゃくちゃ大袈裟なことがからんでいたり。すーっと読むことのできる、かなり読みやすい仕上がり。
必死になったり、大事なものに気がついたり、なくしたり、怒ったり、許したり。だれかを攻撃してばかり暮らすより、凹みながら奮闘する方がずっといい。しかも仲間と一緒だともっといい。
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