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2011年1月19日 (水)

『モーニング Mourning』

小路幸也『モーニング Mourning』(実業之日本社文庫)を読む。
冒頭は、親友の葬儀。久しぶりにあった大学時代の親友たち。斎場を後にするとき、仲間の一人がこのまま帰りに自殺すると告げる。空港までタクシーで行ってくれ。自分はレンタカーで一人で死ぬという。じゃあといって別れるわけにはいかない。その上久々の再会とはいえ、親友なのである。
卒業から二十数年ぶり。大学時代と異なり、大人には沢山の事情がある。仕事、家族。そういうものにしばられつつ、しばられた大人になったことを実感したり、別れられないからこのままレンタカーで帰ろうと飛行機をキャンセルしロングドライブでそれぞれのところけ変えるという、懐かしい暴挙に出る。
車の中という、独特な空間が、今まで思い出さなかったことが不思議なくらい沢山の沢山のあのころを思い起こさせる。青くさく、ロマンチックでノスタルジーあふれる世界。 心を動かす大小さまざまな青春の出来事がまぶしかった。
自殺を食い止めるという大事業をなしえなければならない割には、すこしのどか。 うわべでないつきあい。本気の友達っていい。 最後は、ええっ!  終わりあたりには、センチメンタル過多だなと思った。けれどもそこも愛おしい。

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