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2011年2月 2日 (水)

『いっちばん』

病弱な若だんなのシリーズも、もう第七弾。畠中恵の『いっちばん』(新潮文庫)を読む。
今回も、もちろん病弱な若だんな。寝ていなさいと床におさえこまれているのだけど、周りをよーくみている。大事件にも、じっと考える。あわてない。無駄に動き回るってことが、できない。なのでよーく考える。あちらもこちらもと考えるが、どっち付かずにはならない。ちゃんと自分なりの解決方法をみつける。自分が周りに愛されていることを、いい風に自覚する人だなぁ。
兄や達がどんなに気をつかっても、弱い身体はそのまま。どんなに努力しても、おいしい饅頭をつくることができない。めげても、それでもやっぱりコツコツがんばる。物語なのに、調子よくいかない。そういうせつなさをかかえ、それでもコツコツ地道に生きていく。身体が弱いことが、気の毒でない。いじけまくった心根の人の方が、よっぽど気の毒。人をだましていい思いをする人をみても、ちっとも得だとは思えない。そういうよさを、静かに伝える本だなぁ。
妖になれてきた。天狗とかでてきても、出てきそうと思う。鳴家は、みることができそうな気すらする。

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