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2011年2月 2日 (水)

『怪しの世界』

お稽古仲間に、いい本を貸してもらいました。 橋本治・夢枕獏・いとうせいこう『怪しの世界』(紀伊国屋)を読む。
橋本治と 友吉鶴心の薩摩琵琶による「白鷺譚(びゃくろんたん)」(上之巻「天守夫人(てんしゅぶにん) 」 ・ 下之巻「白峯(しらみね) 」) / 夢枕獏と 宝井馬琴の講談による「ものいふ髑髏(どくろ)」  /  いとうせいこうと 野村萬斉の狂言による「鏡冠者」 の3作。 その原作と それぞれとタッグを組んだ2人による対談で構成された1冊。
監修は国立劇場。平成12年8月25・26日に国立小劇場にて上演されたもの。 この公演、観に行きました。もう10年経つとは。 鏡冠者の話が怖かったことを強く覚えています。鏡をモチーフにし、中に引き寄せられるという怖さは超苦手。想像しちゃうので。 万作師と萬斎師の共演。萬斎師の姿が、鏡(枠)をはさんで映し出される。映し出されたのは万作師。同様の動きをする。 基本動作だからこそ、左右が逆になったときの違和感というものは相当なのもだろうと驚いたことを覚えている。さすが万作師と。 たしか、左右 逆にひらくよう特別に扇を作ってもらったと聞いたような記憶している。 薩摩琵琶、講談、狂言と3つ世界の挑戦があったにもかかわらず、狂言の部分しか覚えていなかった。
本で読んでみて、橋本治の「天主夫人」の言葉の美しさにメロメロとなる。何度も読んだ。あぁ、これをちゃんと踏まえて薩摩琵琶できいてみたいと思った(きいたのだけれどもね・・・)。 鏡花の世界は、本当に美しい。声に出して読みたくなる日本語。 橋本治の芸術論も、とても面白いくほぅと感心しつつ読む。読み応えがありました。
講談ものいふ髑髏。スーットなる怖さ。語る苦労、書く苦労という対談の、色気をだして受けてしまうことによる弊害が興味深かった。 ~という一席でしたという締めは格好いいなと思う。
狂言は、ん?こういう言い方の方がいいのではと 最初は勝手に自分なりの言葉で考え直してみたりした。 しかし、やっぱりプロのもの書きは違う。展開に引き込まれるように読む。昔からある演目ではなく、今の人が作る意味があるのだな。いい違和感であった。やっぱり、怖い。終盤、揚幕近くの橋掛かりで、万作師が笑う場面がある。ここの怖さは秀逸。よくできているが、怖い。怖いよう。
私は怖がりすぎという欠点がある。キャー怖かったという印象ばかりで、芯の面白さ、美しさをみていなかった。生の舞台の迫力、しかも一流の演者+一流の原作という最強のタッグでこられたので、怖さにのまれてしまった。本という媒体でしたので、落ち着いて堪能することができました。10年経った今、ちゃんと観て見たい。再演したらいいのになぁ。

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コメント

私も再演希望に10票。
あれは、素晴らしい狂言でした。一度再演やりましたよね、確か.。
いとうせいこうの才能に感心した狂言でした。
でも、かしこまって、万作先生に台本を読んでいただき、許可を得たなんてエピソードも、なつかしいです。

投稿: ginsuisen | 2011年2月 2日 (水) 22時38分

本当に、よく観てましたねぇあのころは。
みんなで楽しかったですね。
あのパワーが、懐かしくなったりもします。
今は、今のよさもあるのですけれども。

投稿: マイチィ☆ | 2011年2月 2日 (水) 23時51分

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