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2011年2月17日 (木)

『きつねのはなし』

そういえば、未読だったと本棚から出して読む。森見登美彦の『きつねのはなし』(新潮文庫)を読む。
ちょっとおそろしい4編の話。 「きつねのはなし」 「果実の中の龍」 「魔」 「水神」 。別の話だが、関係がある。人と人、何かが繋がっている。 舞台は京の都・こういう不思議な事がおこりそうなところである。昔でなく今でも、不思議なことはおこる。科学で判明できないとかそういう言葉で表現するものでなく、 気配みたいなもの うまく言葉にならない何かの存在がずーっとただよっていて恐ろしいのだけど、怖くはない。これは怪談なのであろうか。極度の怖がりの私であるが、この恐ろしさは、怖くなかった。恐ろしいけどよかった。
鷺森神社の近くの屋敷の竹林の葉の擦れ合う音とか、ケモノの声を出さずに笑った顔とか、読んだ世界なのに あまりにも生々しく想像してしまう。においとか温度とか、実際にわかっている気がしてくる。 経験したものなのか、想像したものか。現実か妄想か。
「果実の中の龍」で私は、先輩の話に夢中になる。妙に冷静な瑞穂さんを含め3人の奇妙だけど心地悪くない空間。先輩の話に、妙に納得してしまった。本当でも本当でなくても、本当にどうでもよかった。信じているけど、嘘だったからって裏ぎられたという気持ちにはならない。不思議な感覚。
水の引き込まれるような怖さとか、はっと現実に戻る感じとかに魅せられた。
言葉もいい。禿頭をハゲアタマでなくトクトウとも読める人間になりたい。


Honn 読んでいたら、途中にさくらの花びらがでてきてドキッとしました。私もいつのまにか物語の輪に加わっているようで。 でも、これは歌舞伎のつくりもの花びらでした。そういえば、松竹座にもっていって読まずにもって帰ってきた本でした。海老蔵さん元気かなぁ。

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