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2011年2月 9日 (水)

『こっちへお入り』

おさるのところでこの本を知り、飛びついて購入。平安寿子『こっちへお入り』(祥伝社文庫)を読む。
どんな人にもいい本だけと、習い事女子には特にいい。そう、これこれ!って。あのドキドキとか、まいった~とかワクワクを言葉にするとこうなるのね。
友人の落語の発表会に呼ばれ、おつきあい程度の気持ちでみにいく。素人芸だなと思いつつも、その会をずっと見届ける。そのまま打ち上げにも参加。見届けたた後、あれ?というものに突き当る。気がつくと自分も稽古をすることになっている。
ここで、「みるのとやるのは、大違い」ってことに気がつく。その得体のしれない世界は、実に興味深いと驚く。いままで知らなかった世界程、「なんだこれ!?」という新鮮さに満ちている。 主人公の江利が、引き込まれていく様に強く共感した。私もお稽古をはじめたころは、バカみたいにいろいろ観に行ってました。落語ではないけれど。
この「抑えがたいほどの面白さ」っていうものを、人に伝える事はなんと難しいことであろう。 お稽古仲間同志で盛り上がるように話すことができないのは当然だか、自分のすごく好きな人にはこの魅力を、もう少し上手に伝えたい。自分が歯がゆい。
江利には、今ひとつグッと来ないと不満ぎみな彼 旬がいる。旬に落語の魅力を熱く語る。ネットで得たような表面的な知識から深入りしない彼に腹を立てる。分析バカと。でも、あんがい旬は、小三治を聞いてみたりしている。相手からの応答に、ちょっと喜んだり、もっとと要求したりする感じがうまいなぁ。
生きていれば、毎日調子よくいくわけがない。 何か乗りきらなくちゃならない時に、こういう「落語頭」のように物事の角度を変えて人をみるってことができるかどうかが、とても大切。わかっているけど、自分の意見に頭が凝り固まる。とにかく否定的になる。できないとか無理とか。イヤな人はイヤなまま。環境が変わるはずなどないと。 そういうときに、この「新しい世界の考え方」は柔軟剤になってくれる。 落語の中の登場人物について考えていたはずなのに・・・ あれ?これ自分と同じではとか、あの人と同じではと ハっとする。角度を変えてものをみてみると、なんとか進む道があったりする。折り合いがつけられたりする。  のめりごと(お稽古ごと)は、底なしに面白いだけでなく、私の頭をも柔らかくしてくれているのかもしれない。ありがとう。
「こっちへお入り」っていう言葉のもつ、あったかい空気が最後にふわっときた。その言葉って、きっと人生で何度も聞いているものだろう。そして、その言葉がぴったり自分の胸に響く日があるのだと思う。それは、年配になってからかもしてないし明日かもしれない。NOって決めつけていないときに、すーっと訪れるのだろうな。

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