『鴨川ホルモー』『ホルモー六景』
読まずにとっておいたのだったと本棚から取り出し、万城目学の『ホルモー六景』(角川文庫)を読む。そうそう、この京都の香りがいい。 うごめく若者の感じと、不思議なことが起きても そういうことも起こりえるかもしれないという街の感じがいい。 より楽しもうと、まず『鴨川ホルモー』(角川文庫)を読む。ストーリーはよく覚えているけれど、何度読んでも面白い。 直後読んだ『ホルモー六景』に ぐっとくる。 一人ひとりに物語がある。それが微妙に係わりあったり、からみあっているのが面白い。本人たちも気がついていないようなことも、読んでいるこっちには その奇妙な縁がわかる。 知らずに結びついている 関係が面白い。 この話を読んだだけでは 鼻もちならない奴と思ったあの人。他の話を読むと 別の一面があることがわかる。 気に入っていた ぶっきらぼうのあの娘には、もっともっと愛らしい面があった。 ひたむきに生きているのって、うまくいこうといくまいと愛おしい。 そつなく生きている大人になっちゃったかも。あたりさわりない日々におさらばしたくなった。 特に「ながもちの恋」には、参りました。全力投球で生きて、くたびれ果てたくなった。また読もうっと。
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