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2011年5月28日 (土)

役者は揃った 「特別展 写楽」

役者は揃った。なんて書かれてはたまりません。楽しみにしていた写楽展、震災の影響でひと月遅れで開催。先週末 ギュウギュウの混雑覚悟でいってきました。かなりの混み具合でした。
寛政6年5月、江戸大芝居三座に取材した豪華な大判雲母摺りの役者大首絵28図を一度に出版し華やか人気者となった東洲斎写楽。翌年正月に忽然と姿を消す。それを5月1日から東博で紹介っていう巡り合わせも面白い。その濃厚な約10ヶ月(寛政6年は、閏11月が含まれるそうです)を堪能してきました。
こんなに写楽をいっぺんに見ることができるのは爽快。展示のスタイルはバリエーションにとんでおり、中でも 芝居毎にまとめて展示というスタイル部分が一番気にいりました。展示前に、物語を説明するパネルがある。そこを読み、芝居の一場面を想像しながら観る。2期の全身を描くようになってからの作品は、芝居中の気配が伝わってくるようで、とても面白かった。重の井の子別れの物語の全容も理解できました。無精ひげがはえ、月代もぼうぼうと生え、みすぼらしい様子の悩んだ姿も、物語のどの部分を担う人物かわかってみると月代までもよくみえてくる。刀の鞘に片手をかけ、片手に提灯を持ち、前方をうかがう侍。隣の絵は尻っぱしょりをした男が頬かむりをしている最中の男は、侍の父の敵であった。でも侍はまだそのことを知らない。なんて緊張感あふれる浮世絵を並べて展示してある。これがとても面白かった。
1期の大首絵のスタイルは、奇抜で面白く江戸っこも現代人も飛びつく気持ちがよくわかる。今回の個人的大発見は、2期の全身像の面白さ。今よく購入している舞台写真でも、こういう気配というものはなかなか感じられない。じっくり、くたびれるほどみてきました。
版の比較という展示も、興味深かった。同じ作品でも、初期に摺ったものと繰り返し摺られた後のものとの差が面白い。配色により紋が見えなくなったため、紋の部分を彫り直したなど、どちらが完成品かというものでなく、好みの問題の気もした。現実には、片方だけ重要文化財指定となっているのであるが。
浮世絵の作品をみるというより、歌舞伎の世界をみる楽しみがあった。人気役者や、芝居の一場面を想像しながらじっとみる。寛政のこの年の歌舞伎の世界をみる。 夜が曾我の対面の場面で工藤祐経の衣装は今のように「庵に木瓜」だらけではない。いつからあんなヴィトンのモノグラムみたいな衣装になったのであろうかといろいろ考えながらみる。
他の絵師、豊国や勝川春英の作品も展示されていました。すごい作品しかない展覧会。この個性の差もいい。この場面は写楽がいいだの、豊国の方が好きだの言って買っていたのかなと楽しくなる。大判錦絵は、当時のだいたい1枚20文程度だそうです。かけそばが一杯16文、上等のお酒一合が40文程度だとのこと。普通の錦絵は今の舞台写真ぐらい、豪華な大判や3枚つづりですと4~6倍といったところかなぁ。町娘さん気分で楽しんできました。
_crop_2 売店も、心惹かれる品揃え。惜しむらくはTシャツ。東博ならば もっとがんばれたはずだと思う。信三郎頒布の写楽バックには しばらく悩まされた。 目元だけいくつも集めた図柄のブックカバーが気に入りました。 勝手ですが、写楽グッズ最優秀作品を決めさせていただきました。東博売店以外のところでしたが、この「市川鰕蔵の竹村定之進 アイロンプリント」とさせていただきます。

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