七月大歌舞伎 昼の部
覚書
海の日 3連休に観てきました。今度は、昼・夜 別の日にひとつづつ じっくり鑑賞。
勧進帳は、本当に面白い。
最前列の花道の真横で観ました。弁慶は大きいものと思っていましたが、團さまの弁慶は本当に大きかった。 花道七三に、義経が登場し、四天王が登場し、そして弁慶が現れる。 隠れようかと思うほど大きくて迫力がありました。 近くて嬉しいのと ちょっと怖いほどの迫力と 贅沢な思いをしました。
海老蔵さんの富樫は、初日よりずっと落ち着きましたが(初日はあの高揚感がよかった)、己の中のあつい思いが前面に出すぎていて 弁慶とのやりとり 呼応という点で少しもったいない。対する弁慶が團十郎さんなので、バランスが悪いわけではないのですが、私の中で富樫は 抑えるあつさも持つというイメージがある。 義経一行かと疑うところも、すべてわかった上で詫びてみせるところも なにもかもがパワー全開でした。 全てをわかって引き受けるという部分の静のメリハリに欠けたかもと思う。 だが、パワー全開のまま最後まで通せるのはすごい。求心力のある人だと思う。 あれは、義経ではと 疑った瞬間の迫力はすごかった。(扇をバシっと投げ捨てがっと寄ってくるところ。) 面白いほど。 ぐっと宙をにらみひきあげるところも迫力があった。
とにもかくにもという迫力。 それを受け、さらに盛り上げる鳴りものに大注目。 よし こい とい受けて立つ感じで たのもしく 格好よかった。ほれぼれ。 冒頭、富樫に疑われ 山伏であることを証明するために、こしらえに後見の所に戻る弁慶。 じっとみていると、支度が整うと、後見がそっとうなづき そこで大鼓が囃子の調子を変えることを発見。うわぁかっこいい。 同じ演目を繰り返しみることで「ここ好きポイント」が増えていきます。かけあいも面白かった。
弁慶が勧進帳を取り出し、いざよみあげんというところの3人がよかった。真ん中で勧進帳を取りだし、はっしと睨む弁慶の團十郎さん。 左からは、そっと(なのですが、ものすごく大袈裟に)背後より窺おうとする富樫の海老蔵さん。 右からは、様子をきにかけ そっと笠に手をかける義経の梅玉さん。 この3人の決めのところが 堂々として見事でした。 大きくて錦絵のようでした。 人が3人定位置にいても、あの緊迫感や大きさというものは出るものではない。ほほう。
松竹座では、團十郎さんの富樫に海老蔵さんの弁慶という親子競演になります。これも楽しみ。
昼の部の最初は、義経千本桜 鳥居前。 右近さんの動きは、大きいのだけど止まると ぴたっと動かない。大袈裟感が いかにも歌舞伎という感じ。 この固さがいいのに、やりとりで響かないときがあるのがちょびっともったいない。悪いのじゃなくて、もっとよくみえていいのにという感じ。 相手役も両方うまいのに。不思議。 やりとりからうまれる、微妙な空気感の大切さを感じる昼の部でした。
最後は、楊貴妃。この大佛次郎作品の楊貴妃の表現したいことはわかる気がしたけど、楊貴妃 福助さんの気持ちは伝わらなかった。歌舞伎にすることの違和感を感じた。わかるのだけど、乗らない。高力士には海老蔵さん。きれいな分だけ なお惜しいと思うこの感じは なんなのでしょう。ぐったり。
とにもかくにも、パワフルな昼の部でした。
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