万作を観る会
国立能楽堂で「万作を観る会」を観てまいりました。傘寿のお祝いの会。 素晴らしかった。
『翁』 「火打袋風流」
翁は、金剛流家元 永謹さん。いいお声でした。面箱・千歳は、裕基くん。披キです。立派でした。 万作師は「火打袋風流」のシテを初演されるとか。初演のものがまだあるなんて。三番叟は、萬斎師。切れ味するどく迫力ありました。「火打袋風流」という特別な小書(演出)の翁。見ごたえのあるすばらしいものでした。集中しました。この段階で、結構クタクタです。
『高砂』
観世銕之丞さん。八段之舞という特別なものだそうです。まあるいお体とお顔(失礼)ながら、キリっと力強い。
『末廣かり』
万作師と三宅右近さん、野村又三郎さん。なんだか迫力あるやりとり。観ているだけなのですが、ここまでの疲れが出てちょっとぐったりしてしまいました。もったいない。太郎冠者の失敗を帳消しにしようとする謡に、徐々にのってくる万作師は愛くるしかったです。
『奈須与一語』
遼太くんの披キです。緊張感あふれてさわやかで若々しい。語り分けも鮮やかでした。奈須与一も遼太くんも二十歳だそうです。若さまぶしい。
『千切木』
連歌の会に呼ばれたがった招かざる客。いばったりいばられたり大騒ぎ。石田師の太郎はほがらかなので卑屈さを感じなくていいなぁ。
火打袋風流は、三番叟の「子宝」という演式だそうです。十人の子供が登場。翁なのですでに、多くの演者が舞台に上がっているところへ、また9人の子供たちが登場。豪華。遅れて末の子「火打袋」が登場。これは名前。万作師。火打袋になって登場。欽ちゃんの仮装大賞のような火打袋でした。中から万作師が登場。火打石で清められた気持ちになりました。大きな火花が出てきれいでした。子宝に満ち満ちていることを寿ぐ。この会は、万作師のご子息の萬斎師、お孫さんの裕基くん・遼太くん 多くの立派なお弟子集と師の築きあげてきたものを目の前にして改めて、素晴らしいなぁと感無量。万作師と萬斎師が、鈴を手に舞納める。あぁ、いいものをみました。観続けてきたので、この会の素晴らしさも、より感じることができたようにも思います。くたびれる程、観るものを集中させる舞台ってすごいことです。
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